概要
九州北部の田舎、限界集落を舞台にした、因習村ホラー長編ミステリー。
九州北部、某県と某県の狭間、内陸地に位置する地方都市、香ヶ地沢。
その北端の山間部という、これまた辺境の地に位置する村落、朽無村。
良く言えば自然に囲まれた、悪く言えば他には何も無い廃村寸前のその村に、介護が必要な老いた母親と二人だけで留まり続ける女、河津真由美。
まだ若く、どこか艶やかな雰囲気を纏った真由美に、東京で精神を病み、逃れるようにして香ヶ地沢へとやってきた介護支援専門員の僕——高津幸人は恋をした。
介護の末、とうとう母親が亡くなり、たった独りになってしまった真由美に、幸人は手を差し伸べる。
「あなたは、こんな廃村に留まっているべき人ではない。どうか、僕と一緒に来てください」
まるでプロポーズをするかのように、幸人は真由美を朽無村から連れ出そうとしたが、真由
その北端の山間部という、これまた辺境の地に位置する村落、朽無村。
良く言えば自然に囲まれた、悪く言えば他には何も無い廃村寸前のその村に、介護が必要な老いた母親と二人だけで留まり続ける女、河津真由美。
まだ若く、どこか艶やかな雰囲気を纏った真由美に、東京で精神を病み、逃れるようにして香ヶ地沢へとやってきた介護支援専門員の僕——高津幸人は恋をした。
介護の末、とうとう母親が亡くなり、たった独りになってしまった真由美に、幸人は手を差し伸べる。
「あなたは、こんな廃村に留まっているべき人ではない。どうか、僕と一緒に来てください」
まるでプロポーズをするかのように、幸人は真由美を朽無村から連れ出そうとしたが、真由
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!限界集落に伝わる密儀と異形の神
九州の深い山間、青空の下に広がる豊かな田の緑。
美しい日本の原風景から物語は始まる。
かつては米の生産地として知られていた朽無村は今や荒れ地と化し、村に残るのは河津真由美ひとりのみ。社会福祉士の高津幸人は彼女に村を出るよう説得する。
しかし、彼女は村から出ることはできない、と高津の申し出をかたくなに拒む。
そして、恐ろしい過去について語り始める。
村のお社に祀られるシラカダ様、サトマワリの風習。突如消えた一家。
大人たちが子供に隠そうとした悍ましい真実とは一体何か。
何重にも仕込まれた謎がひとつひとつ明かされていき、まさにページを捲る手が止まらない。
衝撃のラストまで一気に引き込まれま…続きを読む