九州の深い山間、青空の下に広がる豊かな田の緑。
美しい日本の原風景から物語は始まる。
かつては米の生産地として知られていた朽無村は今や荒れ地と化し、村に残るのは河津真由美ひとりのみ。社会福祉士の高津幸人は彼女に村を出るよう説得する。
しかし、彼女は村から出ることはできない、と高津の申し出をかたくなに拒む。
そして、恐ろしい過去について語り始める。
村のお社に祀られるシラカダ様、サトマワリの風習。突如消えた一家。
大人たちが子供に隠そうとした悍ましい真実とは一体何か。
何重にも仕込まれた謎がひとつひとつ明かされていき、まさにページを捲る手が止まらない。
衝撃のラストまで一気に引き込まれます。
大長編ですが、謎解きと恐怖を煽るシナリオが秀逸で一気に読み進めました。
ホラーの面白要素をふんだんに詰め込み、物語に落とし込んでいるところも見どころ。
最後の最後まで気を抜けません。
文章力が高いので、緊張感が持続し物語への深い没入感があります。
鳥肌が立つほど面白い最高のエンタメホラーです。
ぜひ読んでください。