概要
第三部完結しました。応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。物語の大筋はこれで一区切りですが、番外編等続けていきます】
この世界には善とも悪とも呼べない、理解不能な神がいる。
毎年身体の一部が村に降ってくる神、姿を現すことなく村人の死後内臓を食い荒らした事実だけを残す神、ダムの底でエレベーターに住まう死者を迎える神、一切の記録がなくただ信仰だけが残る神––––
理解もできず、対処もできず、平穏を脅かす神々と、ただ記録し続けるしかない役所の人間たちの話。
【第一部・登場人物】
片岸:語り手。領怪神犯調査員。行方不明の妻を探す。
宮木:領怪神犯調査員。片岸の後輩
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!こんな神に会いたかった。圧倒的な文才で紡がれる、神と人との未知なる物語
圧倒的な世界観に、固唾を呑みながら読み進めていました。
ホラーが苦手な私ですが、どうしてもこの作品は読んでみたかった。
未知と畏怖、人の手に負えるはずもない神に出会い、何を感じるのか。
神とはそもそも、人智を越えた存在だから神と呼ばれるのだ。
神たる所以が見たい。
神に翻弄される人々が、神とはこうであったと感じられる物語が読んでみたい。
恐る恐る開いた1ページ目にして、もう引き込まれていました。
登場人物の魅力もさる事ながら、何より神の存在感が本当に凄い。
突然現れて驚かされると言うよりは、じわじわと背筋を登ってくるような感覚。
気づけば、神の領域にいた。
手のひらの上に立ち、い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただのオカルトやホラーで終わらない、物語として完成されすぎている怪奇譚
最初、いわゆる『洒落怖』のような都市伝説系のオカルト短編だと思って読み始めたのですが、回を重ねるごとに募る些細な違和感。
意図的に配置されたそれらの伏線が、後半へ進むにつれて怒涛でありながらも無理やり感のない綺麗な回収のされ方をしていくのには感嘆の息を漏らさずにはいられません。
下手に物語について触れるとネタバレを踏みかねないので、とりあえず読みましょう。読んで後悔することといえば、つい最新話まで一気読みしてしまい、都築が待ちきれなくなることぐらいでしょうか。かくいう自分も、あぁ、もう少しゆっくり読めばよかった、と後悔しています。
二周目も楽しめること間違いなしの作品です。とりあえず…続きを読む - ★★★ Excellent!!!畏れと信仰、触れるべきではない存在としての神を調査する恐怖
畏れるべき、人の尺度では測れない神とそれを調査して被害をなるべく抑える主人公側の奔走。神秘的だが神故の行動原理で事件を解決したり曖昧に終わらせていくところがとても私好みでした。
個人的にですが、こういった怪異ものの物語を読むときに求めていた理想がこの「領怪神犯」といっても過言ではないくらいに嗜好に当てはまっていました。
コミックスの1巻からこの小説を知りましたが、こういった連載形式ならではの話数の区切り方や物語構成が内容とも合っていて面白くすらすらと最新話まで読み切ってしまいました。
読み進めるたびに物語の世界により深く触れられるような感覚を持ちました。
とても素晴らしい物語をありがとうご…続きを読む