華麗に謎を解く探偵――そんな「正義の象徴」が、この物語では敵として描かれます。
『探偵が終わったら、死んでやる』は、探偵によって人生を壊された少年が、あえてその「探偵」という存在を論破し、否定することで真実に挑むという、型破りなミステリーです。
主人公は過去の傷から探偵を憎みながらも、論理と推理で立ち向かう姿勢に説得力があり、彼の揺れる正義感に共感せずにはいられません。
言葉の応酬が鋭く、セリフ主体のテンポも心地よい。
一方で、探偵は正しいという常識を疑うことで、「正義とは何か」という深い問いかけも含んでおり、読みごたえは抜群です。
探偵ものに新風を吹き込む、熱くて苦い青春ミステリー。
ミステリーが好きな人も、ちょっと飽きてきた人にもオススメです。