俺のこと好きにならなくていいから、だから今だけそばにいて
高校に入学してから半年と少し、すでにクラス内での位置づけやグループ内でのポジションも固まっている。
グループ内でパシリのような扱いを受ける三橋莉子(みはしりこ)。
いじられパシられ端から見るとまるで虐めのようだ。それでもその場所にいることを莉子は選んでいた。
一人になりたくない。ハブにされたくない。
かつての友人のように――。
そんな莉子に虐められていることを大人たちにバラされたくなければ自分と付き合えと同じクラスの染井悠真(そめいはるま)が言ってきた。
「泣いてやめてって言えばやめてくれるのに、どうして泣かないの?」
「泣かないんじゃなくて、泣けないの」
「知ってる」
莉子が泣けなくなったのはなぜか。
そして悠真が莉子に付き合って欲しいといった理由とは――。
「俺、あと三ヶ月で死ぬんだ」
「は?」
「だからさ、俺と付き合ってよ」
「なんで私が……!」
これは泣くことができない少女と、奇病で余命三ヶ月と宣告された少年の切ないラブストーリー。
「三橋なら俺が死んでも泣かないでいてくれるだろ?」
二人に待つ結末は――。