羽間慧

ステージ上で輝くアイドルは、常にキラキラとした存在であってほしいと願うもの。 女子高生の日奈ちゃんにとってはお兄の赤崎昴がまさにそうでした。妹しか知ることのできないアイドルの素顔よ…続きを読む

禁足地の名は藪知らず。 狭そうな見た目とは裏腹に、入った者は二度と戻れないという言い伝えがありました。 勉強で消費されていく高二の夏を楽しむために、藪知らずへ足を踏み入れた涼太が…続きを読む

かって広島県庄原市西城町の比婆山麓で、ヒバゴン目撃情報があった。ゴリラに似た類人猿ということは分かっても、詳しい生態などは謎に包まれていた。 そんな中、勇気ある青年がヒバゴン捜索に…続きを読む

暑さの残る夏の夜。積もりに積もった感情を見て見ぬふりするかのように、美織はラップでふたをします。冷め切った夫婦仲に、言葉少なに答える息子。息苦しい家の空気が読者の胸にも迫ってきます…続きを読む

クセつよなヒロインは、とにかく明るいお姉さん・晴菜々さま。バイクへの愛情をたっぷり伝えるお声は、のびのびとしていて耳に優しく響いてきます。青空の下で吹き抜ける風と、エンジン音も感じ…続きを読む

絶対許さない。いきなりの修羅場に身構えつつも、美優の怒りの原因は可愛らしいものでした。 瑠香のことは何でも私に報告すること。甘い束縛にてぇてぇと呟いてしまいます。 クラス替えで違う…続きを読む

遠くの人と心を通わせることのできるネットの海は広大で、澄み渡っているとは言い切れないよどみがあります。視界を塞ぐ広告や、憂鬱な本人確認、届いているのか分からない自分の声に不安感を体…続きを読む

エンジョイしすぎて修羅場を迎えた夏の恋。晩夏の火種をいう字面を見たとき、そんな連想をしました。しかし、目に飛び込んできた短歌は、争いが引き裂く日常だったのです。 どれほど年月を重…続きを読む

寝不足に悩まされる大学生・香奈実。疲労が原因なのかと思いきや、その原因は怪異が関係していたのです。香奈実先輩を救うために朔が案内したのは、あまたの事件を解決してきた樹神探偵事務所で…続きを読む

魔性の口上が誘うのは、「ナツ」の物語。美しいピルエットを披露するも、彼女は身長の低さを悩んでいた。役者を目指すなら、身長があった方が損をしない。桜の幹に刻まれる印の位置を、ナツと一…続きを読む

メリーさん。その名によって思い出される記憶は、二つのパターンに分けられます。雪のように白い羊を飼っていたメリーさんと、外国製の人形のメリーさんです。「私、メリーさん。」と来れば、童…続きを読む

突然胸が苦しくなり、注射や薬の効き目はなし。日常生活に影響が出る不治の病。そんな症状を聞けば、誰もが恋煩いを思い浮かべることでしょう。 本作の主人公である池野面太郎は、恋煩いではな…続きを読む

下級役人の浩の妻・美雨は、家計を救うために闘鶏で稼ぐハチャメチャぶり。 つつましくも明るい暮らしは、宮廷からの客によって終わりを告げられました。 皇帝の血筋を引いていた美雨。幼い…続きを読む

入学式の朝。小さなグループができつつある教室で、すでに浮いている男の子・相良くんがいました。身なりが派手と言うわけでも、デリカシーのない発言をしているわけでもありません。原因は、相…続きを読む

村ちゃんがホワイトデーに何を返すのか。作者さまのTwitterでの呟きに、私はものの数分で倒れました。ホワイトデーにまつわる短編を書いてきた身としては、意味を把握済み。村ちゃんが贈…続きを読む

森のくまさん。それはおじょうさんにイヤリングを届けてくれた、心優しきくまさんです。本作のタイトルは、かの童謡の歌詞を彷彿とさせます。しかし注意するべきは、くまさんではなくヒグマさん…続きを読む

あるところに、美しすぎる男子・仁愛と高身長ゴツめの男子・二之がいました。メイクという魔法で磨きがかかる仁愛に対し、二之は中身で乙女っぷりを発揮するのでした。 共通の好きなもので意…続きを読む

文化祭は運営に携わる生徒にとっても、来校するお客さんにとっても楽しいイベントです。では、駐車場の誘導や巡回などをする、先生の視点から見るとどうでしょうか？　主役の生徒と比べれば、陰…続きを読む

男子校の文化祭準備。お客さんとして来る他校の女の子に、浮き足立つのは無理もありません。 ただし校内で誕生したカップルもいる訳で、村井南雲は彼氏のことが好きで好きで堪りませんでした。…続きを読む

好みの被写体がいる。撮りやすさと言うより、恋愛対象としての「好き」だった。想いを心の中に仕舞っていたのだが、相手の何気ない行為にドキドキしてしまう。 勘違いさせんな。期待するだけ…続きを読む

カップルが別れやすい時期として、三ヶ月や半年目が挙げられます。相手の深いところを知っていくうちに、付き合う前とのギャップに苦しんでしまうのです。 本作の寿都先生と門別先生は、まさに…続きを読む

「僕」は、自家製の唐辛子を育てることを決意します。よく作る料理に欠かせない食材の、コストを抑えるために。 慣れない栽培に奮闘する男の物語と、一言であらすじを表わすのはためらわれま…続きを読む

魅入られた者たちが皆死ぬほどの美しき鬼。そんな言い伝えを聞くと、彼を一目見れば後悔のない人生に思えます。しかし、本人にとっては手放しに喜べない力だったのです。 誰とも心を通わせるこ…続きを読む

梅花と呼びながら、心の中ではぬいぐるみちゃんと呼ぶ。友達という距離感を利用する、小桃の秘めた想いとは。 柔らかな身体の温もりや鼻をくすぐる甘い香りに心躍らせ、美しい短編を何度も味…続きを読む

この作品は、シリーズの時系列的にエピソード0と呼べます。爽やかな体育会系と、可愛さとツンツン具合が堪らない小動物系カメラ男子の、始まりの物語。それぞれの属性や、体格差のある二人が性…続きを読む

クリスマス。それは街中に笑顔が溢れる、幸せな一日。そしてKAC2023を盛り上げた遠藤芽理衣さんの生誕祭でもあります。どんな誕生日プレゼントをもらうのかと思いきや、彼女の望んだもの…続きを読む

KAC2023の期間は、いろいろなことが起きました。外野が動かないと勝手にバッドエンドへ進んでしまいそうな二人の、大学同棲編。右も左も分からぬまま少しずつステップアップしていく彼ら…続きを読む

数年に一度の流星群。天文部の部長としては、観測会を開かない訳にはいきません。夜の学校での観測会を企画して、準備を進めていました。ところが、なかなか参加者が集まりません。美幸ちゃんに…続きを読む

内見したいわくつき物件に、明るい声を出した入居希望者。不動産屋とともに部屋を後にする彼を、いるはずのない先客が見つめる。 ポジティブすぎる男と、部屋に棲みついている何かとの攻防の行…続きを読む

過去最大のピンチが迫る推し客。そのとき遠藤さんの第六感が告げるのです。まさに愛ゆえの奇跡と言うほかありません。 頼れるお姉ちゃんと理解の深い弟。最強の姉弟が揃うとき、息ぴったりの…続きを読む

ツイていない日は、朝から良くないことが続くもの。良くない流れは体調にも影響を与えていきました。夜宵の身を案じた学友が、車で送ってくれることになったのですけれど、KAC6回目のお題は…続きを読む

学生の本分は、言わずと知れた勉強です。バイトや部活、習い事、趣味に熱中しすぎて、授業中に居眠りなんてもってのほか。自分の将来のためにひたすら勉強する颯くんにとって、遊んでいるように…続きを読む

三次元の推しの愛で方は、人それぞれです。書店員・遠藤さんの場合は、推しに認知されたいために推し活をしているのではなく、同じ世界に存在していることに感謝しながら片隅で生きていました。…続きを読む

連作短編ですが、単体でも話が通じるようには書かれています。しかしながら、今回はできる限り前作だけでも予習してもらいたいです！　前作を読んでいただけたなら、何倍もきゅんきゅんしますよ…続きを読む

ヲタクの笑い声として、デュフフフってあるじゃないですか。しかしながら、あんな笑い方をするのはフィクションのヲタクだけで、若干盛りすぎな点は否めません。本作の主人公もとい善良なJDの…続きを読む

想いが通じて同棲にこぎつけた二人。学業・バイト・人間付き合いなどなど、それぞれのやるべきことをこなす日々が続く。一緒に過ごせない分、愛しさと寂しさが加速し――。 夜宵がとにかく可…続きを読む

願わくば推しカプの恋路を邪魔せず、壁としてひっそり見守っていたい。そう思いはすれど、荒ぶる心を鎮めるのは一苦労なのですよね。でも、本作の主人公は恐れるものなし。ひっそり生きながら、…続きを読む

最初にKAC第３回目のお題を見たとき、すったもんだの方が相性良さそうだなぁと思ったものです。なんやかんやは、色々な経緯があったのでぐちゃぐちゃになってほしくないというか……。そんな…続きを読む

年齢や後継者問題で店を畳むのではなく、時代の流れに押されてしまった『桜木写真館』。閉店した日の夜、店主の「私」は思い出の桜の木へ赴く。 人は散りゆく桜のさだめを変えることはできず…続きを読む

感情が高ぶると、脳内で華麗にスケートしちゃう遠藤さん。彼女を興奮させるのは、バイト先のとある推し客でした。前世で功徳を積んだのか、訪れたコラボカフェで推し客と遭遇してしまい――。 …続きを読む

はしっコずまい。それはまるっこくて、すみっこにいるのが好きな某キャラクターを彷彿とさせる生き物達です。本家との共通点にほっこり、違いにくすりとさせられながら、コラボカフェを楽しむ男…続きを読む

いかにも理不尽なゲームが始まりそうな部屋に集められたのは、たくさんのババア達だった！？　しかも、ただのババアではないようで―― 個性の強いババア達の会話が楽しく、年を感じさせない…続きを読む

学生に混じってウェイターをすることになった元凶は、推しカプが文化祭を楽しむ姿を見たいという私の願望でした。勢いで書いた二次創作が下敷きとなり、モブの視点を介さずに進んでいくだなんて…続きを読む

本には魔法がかかっている。 繰り返されるそのフレーズが、鼻をツンとさせます。 よく晴れた日の空のように、清々しい色のワゴン。「きみ」の好きなものをいっぱいに詰め込んだ本屋さんが、…続きを読む

話の内容的に「【KAC20231】なんやかんやで本屋で遭遇する二人」を読まれてから本作にお越しいただいた方が、より楽しめると思います。なぜなら、本作が実況動画みたいな勢いだから！　…続きを読む

タイトルの、夜の図書館にわくわく。ぬいぐるみたちのお泊まり会に、絶対可愛いやつだと歓喜しました。 膨らむ期待を胸に読み始めると、可愛らしいぬいぐるみ達の会話にほっこりしました。優し…続きを読む

ふっくらおてて。触りたくなるほっぺ。ちみっちゃい身体。社会の淀みを知らない、純真無垢な瞳。 幼女と聞けば、そのような可愛らしいイメージが浮かぶでしょう。かく言う私も、女児向けアニメ…続きを読む

本を愛する者にとって、この世で許せないことは本を傷つけること。タイトルの本を喰むという字に、少なからず衝撃を受けた読者は私だけではないはずです。しかしながら、好奇心に身を委ねてペー…続きを読む

シリーズを追っていた方なら分かる、念願の大学生同棲編です。 料理が上手な部類ではない夜宵は、料理のレパートリーを増やすべく、本屋のレシピ本とにらめっこ。この時点でめちゃめちゃ可愛…続きを読む