概要
その屋敷には、ある日突然そこを去ってしまった主人を待ち続ける『化け物』が住んでいた。顔も身体もあちこちつぎはぎだらけで、人の皮膚が足りず、獣の毛皮を使っているところもある。
そんな『化け物』が住む屋敷に、奇妙な目を持つ少女が助けを求めてやって来た。
完結後はぜひ、打ち上げ会場にもお越しください。
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『宇部作品の裏話集~作品完結後の打ち上げ会場はこちらです~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330660461599725
※かなり重い話となっておりますが、作者は大真面目にこれを児童向けと思って書いております。
↓↓つばさ文庫大賞用あらすじ↓↓※ネタバレあります!!
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!心優しき化け物は、少女をきっかけに幸せを手に入れる
己の醜さ故に幸せを受け入れられなくなっていた主人公。
しかし、見た目を気にしない少女を助けることで、少しずつ世界が広がっていきます。
でも、主人公はその幸せを受け入れてはいけないと壁を作ります。
そうせざるを得ないほど、傷ついてきた過去があるから。
読んでいて、素直にその優しさ受け入れよ? 受け入れて良いんだよ? その子の思いは受け入れてくれて良いんだよ? と、やきもきしましたが、簡単に受け入れられない気持ちも分かったり。
やきもきしながらも、優しい世界と触れることで徐々に心境に変化がもたらされ、それをぶち壊しに来た『旦那様』の登場に、んんんー! となりつつも、ついつい二人の行方が気に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!変わらない、変えられないものとは何か。優しい雲男の心温まるファンタジー
この物語は、強大な一人の魔法使いが存在する世界で、人々から恐れられるつぎはぎだらけな容姿を持つ男性と、その男性に助けを求めてきた若い女性フリィとの関係を描いたファンタジー作品です。
二人がゆっくりと育む恋愛要素も素晴らしく、その中で描かれるヒューマンドラマにもぜひ注目していただきたいです。
特に主人公の男性の心情の変化が、ひしひしと優しく伝わってきて、その温もりある人物像に涙、涙でした。
出会った女性、フリィと共に過ごしていく中で培われる心の変化、二人の変化にもぜひ注目していただきたいなと思います。
そして物語が進んでいく中で、それぞれ過去に事情を抱えた男女二人がお互いの存在を感じ、少…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しさは見目ではなく、その『こころ』に宿るもの。
気品があり心優しくも、いろんな生き物の皮膚を移植した恐ろしい顔をもつ男。
無邪気で明るくも、人間の頭がそれぞれちがう『なにか』にしか見えない少女。
そんな二人ががらんとしたお屋敷で共に暮らすことになるところからお話ははじまります。『魔法使い』なんかの登場からファンタジックな世界であることがわかりますが、小難しい魔法やスキルなんかの登場はなし。絵本の中のような優しいロマンチックさに彩られた世界観に、主人公の穏やかな語りがよく合います。
この二人、お互いに幸せだったとは言い難い環境や運命を持っており、読者としてはひたすらこの二人の幸せを願わずにはいられなくなりました。自分のことをバケモノだと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!否定の言葉を言わないで。何を尊いと思うかはその人だけのもの
フリニアーデが出会ったのは、普通の人が見たら一歩後退ってしまうような見た目でした。
でも彼女には、そんな彼の頭がとても優しい、私たちが知っているあるものに見えました。
この話を読んでいろんなことを考えましたが、そのうちの一つを個人の意見として書かせてください。
フリニアーデの「見え方」は、彼女の価値観なのではないかと思いました。どんな人か内面を捉える彼女には、どう見えているのか。
街の人も、オイの中身を知れば近づいていきます。彼らは見た目で怯む部分があったとしても、中身を大事にする人たちなのでしょう。
でも、オイには信じられない。それは彼が、「旦那様」以下、世間の価値観を刷り込まれてしま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何気ない穏やかな日々が一番愛おしいと思わせてくれる心あらわれる物語
恐ろしい見た目ゆえに、『化け物』と呼ばれて忌避され、屋敷で主人の帰りを待ってたったひとりで暮らす青年。
ある時、その屋敷に逃げ込んできたのは、不思議な目を持つ少女。
悲鳴を上げて逃げられるかと思いきや、少女は青年を怖がらず、一緒に暮らし始めることになって……。
少女・フリニアーデが来たことにより、少しずつ変化し、色づいてゆく日々が丁寧に描かれています。
思わず、「いまのこの暮らしがずっと続きますように!」と祈ってしまうのですが、残念ながらそうは問屋が卸さず……。
彼等の物語を、どうぞ最後まで見届けてあげてください!(*´▽`*) - ★★★ Excellent!!!理不尽でままならない世界でも、幸せの痛みがあれば前を向ける
何百年も語り継がれる名作の童話を読んでいるかのような感覚を味わえました。アンデルセンの「雪の女王」を彷彿とさせる、壮大な世界観を切り取った序が、至福の読書時間へいざなってくれます。
魔法の存在する世界。眠りも食事もいらない「おれ」は、出会った人間から怯えられる見た目をしていました。
他者との交流が断たれ、大きな屋敷にひとりきりで住んでいた「おれ」に聞こえた、助けを求める声。
逃げてきたことが分かる身なりの少女・フリニアーデは「おれ」を避けることなく、微笑みすら浮かべていたのでした。強がりからくる微笑みではありません。大人の頭部のみが異形に見える彼女にとって、「おれ」の頭は化け物ではなくふわ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたは愛しい人の何を見ていますか?
つぎはぎだらけの顔を持つオイが、人の顔が別のものに見える少女フリニアーデと出会うところから始まる物語。
フリィにはオイの顔が白い雲に見える様子。つぎはぎだらけの顔に怯えることなく、二人は一緒に暮らし始めますが……
見た目はおぞましいけれど心の優しいオイ。フリィの存在によりオイが少しずつ変わっていく様子は本当に温かくて、二人の幸せを願わずにはいられません。しかしずっと留守にしていたオイのご主人様が帰ってきた時、物語に暗雲が立ち込めます。
なぜオイの顔はつぎはぎだらけなのか?なぜフリィには人の顔が違うものに見えるのか?といった謎も明かされていきます。二人が過酷な選択を迫られたとき、何を選ぶのか…続きを読む