大学進学に伴い、都会で暮らすようになった圭一。新入生歓迎会で出会った後輩の女の子は同郷で、同じ学校に通っていたと言うのです。同じ部活でもない限り、圭一が後輩だと言う女の子の名前を覚えていなくても無理はないのですが。
「センパイの幼馴染の、神郡ちゃんです!!」
面識がない相手からの衝撃の言葉に、圭一はペースを乱されてしまいます。
相当親しくなければ知りえないはずの個人情報を知る、自称幼馴染の後輩。圭一のことを好きだと言いつつも、圭一にとって知られたくない個人情報を暴露してしまう危険な女の子でもありました。問題だらけな神郡ちゃんに振り回されるうちに、彼女の抱えた秘密が明らかになっていき――。
可愛さと狂気の属性を兼ね備えた押しかけヒロインに、いつの間にか落とされてしまうかも⁉
いいですか、██を信じてはならないのです。
██は、まったく恐ろしい人間です。
この作品を最後まで読んだ今、私は叫びたいです。「ああ、信じられるのは██だったのだ!」と!
あれ、おかしいですね、うまく表示されないみたいです。これもヤツのしわざでしょうか。
とにかく、この作品には決して信じてはいけない者がいます。
その者は妙に頭が切れて、ある意味 人心掌握の能があります。
どうか、どうか██を信じないでください。
あっ、はい?……私ですか? 私がその者たちを見ているときはどうだったか?
私は──
ふふ。
まあ、読んでみてくださいな。
ちなみに、私はずっと一人の人物を信じ続けました。
そして。めんどくさい質問をするようで申し訳ありませんが、今の私、どう見えますか?
裏切られたように見えるか、そうでもないか。
おっ、答え合わせに向かわれますか。
いってらっしゃいませ。
くれぐれも── ██だけは信じてはいけませんよ。
カンゴオリ アイナ。
突如として現れた「後輩」の名前です。
長身で大きな目、身体能力もコミュ力も抜群。
ある意味、理想的なスペックと言えるでしょう。
だけど……誰?
主人公の圭一にとって、全く心あたりのない彼女。
その登場によって、彼の大学生活は一変します。
ラブコメチックな押しかけヒロインとは、一味も二味も違います。
どこへ行っても付きまとわれ、高校時代の黒歴史をバラされ、どんどん居場所が奪われていくことに。
その手口は用意周到かつ、徹底的。
対抗しようとする圭一とのデッドヒートは、予想外の連発です。
にしても……
なぜそんなことを?
普通に付き合って、普通にハッピーになれば良さそうなのに。
カンゴオリ曰く、「過去のセンパイが好きなので!」とのことですが……なかなか難しい話です。
というのも――――
圭一も圭一で、あやふやなのです。
高校時代のイヤな思い出を蓋するように、消し飛んでしまった記憶。
いったい、何が正しいのか。
いったい、何が起こるのか。
衝撃のラストまで目が離せません。
さああなたも、アイス・ビーチへ。
真相は一体どうなってる? と二転三転していく物語に振り回され、終始ハラハラしながら読み進めました。
主人公の圭一のもとに、ある日「見知らぬ後輩」が姿を現す。彼女は神郡愛奈(カンゴオリ・アイナ)と名乗り、圭一に対して偏執的なまでの愛情を示してくる。
圭一は現在ダンスでも実力を発揮し、いわゆる「陽キャ」として大学内でも一目置かれていた。
しかし、昔の圭一はそれとは真逆の痛々しい過去を持っていたことを神郡は喧伝して回り、圭一が築き上げたイメージや居場所をどんどん壊していこうとする。
神郡の目的は一体なんなのか? 「昔の陰キャな先輩が好きだったんです」と神郡は口にし、婚姻届けまでちらつかせる。
次第に追い詰められていく圭一。自分の記憶にはないはずなのに、なぜか神郡の高校時代の写真なども存在しているのがわかり、「自分以外の人間」は神郡のことをちゃんと記憶している。
一体何が起こっているのか。神郡は本物の人間なのかとホラーやSF方面の可能性まで疑いたくなる不可解な事態。
誰が正しいことを言っていて、誰がウソを言っているのか。神郡のことを知らない圭一の精神は正常なのか? その記憶はどこまでが信用できるのか?
とにかく真相が知りたくて、連載中はずっと作品について考察を繰り広げずにはいられない作品でした。
どんどん日常を侵食し、圭一を「忘れたい過去」に引きずり込もうとする神郡。その不気味な存在感はまさしく圧巻。そんな神郡に圭一だけでなく読者も振り回され、「こいつは一体何者だ」と思わずにいられなくなる。
強烈な魅力を持った作品です。ざわざわとした緊張感に終始支配され、一度読み始めたら「答え」を見るまで絶対に止まれない。
この圧倒的なサスペンス、是非とも読んでみてください!
口を開けば長台詞、ビックリマークの数もびっしりと!
本作が元気に明るく主人公にべったりなヒロインが狂気を振りまくホラーだとは思わず、呼んでいる間ずっと高鳴る心臓の音は……恋や羨望、ではなく間違いなく恐怖でしょう。
主人公のことが大好きな(?)ヒロインはいたるところに現れ、人間関係の分離工作から何までを的確に打っていく。その様相たるやまさにヒトコワ系ホラー。
しかして、そもそもなぜヒロインがそこまで主人公に纏わりつくのか。主人公が必死に蓋をし続けている過去に一体何があったのか。そこがかなり強烈なミステリー要素となって読者を引き込みます。
笑顔も友人も成功も信用できない、もしかしたら過去すらも……そんなあらゆる方位を揺るがし前後不覚にする、見事な一作です。
端的に言うと、謎のヤンデレ女に付きまとわれる話です。
ジャンルはミステリーになってるけど、ホラーの要素もけっこうあるように思いましたね。
だって、神郡(かんごおり)なんていう変わった名字の知らない女がいきなり過去の自分のことをべらべらしゃべってきたら怖いじゃないですか。
その過去の話がだいたい黒歴史的なエピソードなのも怖いし、しかも彼女は周りに人がいるところで、そういうことを大きな声で話すんですよ。やべえよ、この女。
主人公が圭一っていうのも、ホラーっぽさを増加させているように感じます。
だって、有名なあの作品の主人公と同じ名前じゃないですか……!
惨劇が始まりそうじゃないですか……!?
ヒロインが「嘘だ!」とか言ってきそうじゃないですか!?
まあでも彼女のマシンガントークは読んでいるうちにくせになってきますね。
疑問に思うことが一つあって、はたして、狂っているのはかんごおりちゃんなんでしょうかね?
もしかして、主人公の方が……なんて私は考えてしまいます。
まあまだ完結してないんで、真相がどんなものか、楽しみですね。
ああ、あと、陸を泳ぐマンボウで笑ってしまいました、
随所で笑えるネタもあるんでね、とてもおすすめです。