概要
左遷されたというのに怪談を止めないマーカスは、とある事情から『人形の祠』と呼ばれる不気味な家にまつわる話の調査を開始することとなる。
※若者の怪談離れを防ぐために読みやすいファンタジーで怪談をしてみました。
連作短編形式のホラーサスペンスです。
小説家になろうで投稿したものに加筆修正しております。
全42話で完結します。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「人形の祠」に纏わる怪談と、ミステリー
世襲騎士ベイル・マーカスは、辺境の都市トリアナンへ左遷された。
その地で彼は「人形の祠」に関する怪談の蒐集を始める。
……というファンタジー+怪談というあまり見ない組み合わせの本作。
「怪談なんて怖そうだし……」という方にもオススメである。
何しろファンタジーなので、いわゆる魔物・モンスター的なゴーストと
幽霊の違いをきちんと設定して説明しているところもポイントが高い。
若干、ファンタジーに置き換えただけでは……と感じるところも無いでは無いが、
(おかげで最初は主人公の正気を疑った)
著者によると「若者の怪談離れを防ぐため」らしいので、
こういう世界観だと理解してしまえば問題はない。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!振り返ってはいけないよ……異世界怪奇譚。
帝都から都市トリアナンに左遷された法務官ベイル・マーカス。
彼の趣味は、怪談を蒐集すること。
トリアナンで有名な『人形の祠』についての調査を始めるが。
魔法もアンデッドも存在する世界観ですが。
この世界の理屈で説明できるアンデッドとは、幽霊は全く別。
説明のつかぬ、恐ろしいもの。
幽霊を信じ、嬉々として人々に話を聞くベイルは、変人の域。
けれども、個々の事象に対する態度は、現実的で冷静。
見間違いかもしれない。病気や、ごまかしかもしれない。
盲目的に怪異だと信じるのではなく、選り分けて、本物を求める。
世襲で騎士になれる家柄で専門は法務、武芸の腕はないベイルへの。
努力して騎士にならね…続きを読む - ★★★ Excellent!!!深遠を覗く者。その名はベイル・マーカス
『怖い怪談』というのはネット上でもたくさん読むことができる。
だが、『怖くて面白い怪談』というのはなかなか見つからない。
『人形の祠』にまつわる多くの怪談。
恐怖に狂わされていく人々の人生。
その物語に笑みを浮かべる怪談蒐集家。
怪談という舞台で登場人物が踊り狂う。
この作品は間違いなく『怖くて面白い怪談』である。
更に怪談とは関係のない話も幾つかあり、それがこの作品により深みを持たせている。
意外なこともあり、とても面白いと思った。
怪談としても優秀で、小説(物語)としても面白い。
そして、ミステリーのように謎も散りばめられている。
上質な作品なので、ぜひお…続きを読む