連載当初から、いつも最新話を心待ちにしながら拝読しております。長らく感想をお伝えできずにいましたが、これほどまでに素晴らしい作品を生み出してくださった作者様への感謝と、今後のご活躍、そしてクラウドファンディングの成功を心から応援したく、この度筆を執りました。
本作の魅力は数えきれませんが、特に惹きつけられるのは、その奥深い人物設定です。登場人物一人ひとりが背負う過去や想いが丁寧に描かれており、まるで彼らが本当にその世界で息づいているかのようなリアリティを感じます。
また、人々がなぜ危険を冒してまで迷宮に潜らざるを得ないのか、その背景にある社会や個人の事情が描かれることで、物語に圧倒的な深みが生まれています。単なる冒険譚ではない、人間の業や希望を描く骨太な世界観に、いつも心を揺さぶられています。
そして何より、魔法使いという特別な存在ならではの視点と、その力ゆえに抱える悲哀の描写には、毎回胸を打たれます。彼らの目を通して見る世界は、美しくも残酷で、物語に一層の奥行きを与えていると感じます。
このような素晴らしい物語を世に送り出してくださり、本当にありがとうございます。
これからも、先生が紡がれる物語を心から楽しみにしております。どうかご自愛の上、創作活動を続けてください。ささやかながら、応援しております。
主人公アには様々な不条理が降りかかり、ただ生きることが、難しいと感じさせる物語です。
スタート時アにはチートなどありません。でもアは、いつも前を向いて生きてゆきます。暑苦しい理由ではなく、そうしないと生き延びられず死ぬので。
物語中、アは酷い目にも遭うし、倫理感も歪みます。
そうしないと死ぬので。
アの生き方は不条理な現実を彷徨う参考になります。
迷宮探索と同じく長い話なので、読むには根気か覚悟が必要です。
ただ読み始めると地上(現実)に戻りたくなくなるのは物語の魔力でしょうか?
そうそう主要人物は物語上必要になるまで死なないと言う約束はないので油断なさらぬ様に。
この作品を語るのにウィザードリィという言葉を避けて通ることは出来ない。
薄暗い城塞都市。始まりの訓練場。仲間が集う酒場。ぼったくりの武具屋。宿屋代わりの馬小屋。無慈悲な教会。街外れに口を開けた地下迷宮。
魔物がはびこる地下迷宮に挑む冒険者達を深層で待つものは、富か、名誉か、それともロストか。
活字の向こうに広がる世界は正にウィザードリィの世界そのもの。
では、無い。
似て非なる世界。
似て非なる物語。
エルフのサムライを仲間にする為に、メイジにしかなれないヒューマンを大量に抹消した者よ。
地下迷宮の奥深くで、グレーターデーモンを殺しまくった古強者よ。
この物語を知れ。