深遠を覗く者。その名はベイル・マーカス

『怖い怪談』というのはネット上でもたくさん読むことができる。
 だが、『怖くて面白い怪談』というのはなかなか見つからない。

『人形の祠』にまつわる多くの怪談。
 恐怖に狂わされていく人々の人生。
 その物語に笑みを浮かべる怪談蒐集家。

 怪談という舞台で登場人物が踊り狂う。
 この作品は間違いなく『怖くて面白い怪談』である。

 更に怪談とは関係のない話も幾つかあり、それがこの作品により深みを持たせている。
 意外なこともあり、とても面白いと思った。

 怪談としても優秀で、小説(物語)としても面白い。
 そして、ミステリーのように謎も散りばめられている。
 
 上質な作品なので、ぜひお薦めしたい。
 きっと読者は一味違う怪談を楽しむことができるだろう。

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