概要
高校二年の秋、とある事件をきっかけに生徒会執行部に所属することになった川原鮎は、来る文化祭に向けての準備に追われることとなった。実行委員会の運営やクラス展示の準備に加えて、生徒会執行部で実施する企画もあり、多忙を極める鮎だったが、次第に執行部員たちとも打ち解け、居心地の良さを感じ始める。ところが鮎の友人の敷島哲は、文化祭の背後で不穏なたくらみが進行しているのを嗅ぎ取って……?
少女と少年は再び疾走し、爆走し、暴走する!
ジャンピング・ジャック・ガールに続く『あゆてつシリーズ』第二弾・堂々完結!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!3人目の探偵士
レビューの中に、この作品の真相に触れる部分があります。未読の方はご注意ください。
そんなわけでmikio氏による『あゆてつシリーズ』の第二作目『スクール・マーダー・フェスティバル』のレビューです。
本作は実に様々な切り口をもったミステリで、多重推理に二重解決、倒叙に操りに至高のトリックと、mikioさんちょっと1作にネタを盛り込みすぎなんじゃない?欲張りすぎてない?次の作品のネタのストックとか大丈夫?と心配になるほどの詰め込みようで、お楽しみは多ければ多いほどイイというような貪欲な我々読者にとっては嬉しいかぎりの作品になっていますが、ところで皆さんは本作に3人の探偵が登…続きを読む - ★★ Very Good!!彼女たちの『その後』の始まり
<ジャンピング・ジャック・ガール 読了済み>
前作を読んだ者としては、最初の『幕間』から引き込まれます。
『あれ』は卑怯なぐらい効果的で、続きが気になってすぐに読んでしまいますよ。
『ジャンピング・ジャック・ガール』のときも思いましたが、読者に対する謎の見せ方が上手く、実にミステリーらしい作品です。謎を解く過程もしっかりしているため、ミステリー初心者の方でも楽しめると思います。登場人物の距離感など青春小説としても面白く、その部分だけ抜き出しても一つの作品として成立しそうなぐらいです。
主人公の『川原鮎』には物語をぐいぐいと引っ張っていく勢いがあり、そこにミステリーとしての『魅力的な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!劇の脚本に仕組まれた秘密とは――?
生徒会で活動することになった主人公、鮎。しかし生徒会執行部が行う劇の演目決めのくじ引きでおかしな事が起こり、更には生徒会の意見箱に謎の脚本まで入っていて――。
リアルな人物造形に巧みな文章、そして謎が謎を呼ぶ展開。文化祭を舞台に青春の甘酸っぱさを味わえる、どこか切ない雰囲気のする青春ミステリーです。読んでいるうちにパズルが組みあがっていくみたいに真相がどんどん明らかになっていき、本当に上手いなあ、と読んていてため息が出ました。
個人的には鮎と敷島の絶妙な距離感と作品全体に漂うセンチメンタルな雰囲気が凄く好きです。
前作『ジャンピング・ジャック・ガール』のファンは勿論のこと、前作を読んでいなく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まさかの結末に驚愕! 至高のミステリー
あゆてつシリーズ第二段。
シリーズとは言っても、この作品だけでも楽しめます。
(もちろん前作の『ジャンピング・ジャック・ガール』を読んでからの方が楽しめるのですが……)
主人公の鮎は生徒会に入り、文化祭で演劇をすることに。
しかし、題目を決める"神託"で誰かが不正をはたらいて……という内容です。
意外な犯人、緻密なロジック、どんでん返し。
過不足のないミステリーとして、とても楽しく読めました。
さらにそれだけではなく、読者を楽しませようという作者様の遊び心が隅々まで行き届いています。
全く飽きることなく読めました。
全体的に見ると、そこそこ重い話ではあるのですが、それを感じさせない文…続きを読む