ミックスベリー殺人事件

作者 銀鏡 怜尚

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★★★ Excellent!!!

舞台設定は典型的なクローズドサークルで、最初の殺人までは言わば“定跡”。でも、その後に展開される謎解きは斬新で挑戦的でミステリー好きの読書欲をかきたてます。
最初に人物紹介があり、登場人物がとても多いのを見て正直覚えられるかな……と心配になりましたが、杞憂に終わりました。
名前の付け方や人物像の描写がとても上手で、物語を読み進むにつれて自然に一人一人のキャラクターが刷り込まれて行きます。
謎解き派もストーリー派も楽しめるミステリー小説だと思います。

★★★ Excellent!!!

一読の価値あり、という文句をよく目にするが、この小説は二度、三度と読むことを強く勧めたい。


SNSを通じて集まった男女が長野のペンションに閉じ込められ、その閉鎖空間の中で恐ろしい殺人事件が次々と巻き起こるという、まさにクローズド・サークルの典型と言うべきストーリー。

殺人事件を通じて、偶然集まったと思われていたメンバーの間に隠された秘密があることが明らかになっていく様や、ひとつひとつの事件に隠されたトリック、心理誘導など、この物語にはとにかく見所が満載なのである。抜群の読み応えを保証したい。

事件の裏の悲しい真実に胸を痛めつつも、決して読後感は悪くない。
このレビューを書き終えたら、もう一度初めから読み直したいと思う。


『ミックスベリー殺人事件』――ミステリー好きなら一度は必ず読んでおくべき作品である。
タイトルに秘められた深い意味――貴方にこの謎が解けるか?

★★★ Excellent!!!

ストロベリーやラズベリーといった、ベリーにちなんだハンドルネームを持つ男女が集まったSNSグループ『ミックスベリー』。
その内の12人のメンバーがペンションに集まり初のオフ会を開くことになったのだが、しかし、そこで幹事役であったストロベリーが何者かに殺されてしまう。
さらにペンションと外界をつなぐ橋が落とされて外部からの助けを呼ぶこともできなくなってしまい……。

つまり、本作はミステリーの有名な形式・クローズド・サークルを扱ったもの。
事件は12人の参加者の思惑がそれぞれ絡み合うことで思いもよらない形に事件が進んでいくのはまさに王道の展開だが、それに加えて、本作が面白いのはハンドルネームの扱い方。
この事件では犯人が特定のハンドルネームの持ち主をターゲットにしているため、参加者たちは皆自分のハンドルネームを隠すことになります。

この仕掛けによって「いったいこの中の誰が犯人なのか?」だけではなく、「この人物の本当のハンドルネームは何なのか?」という点を推理して楽しむことができるのがこの作品の大きな特徴。
また全ての解決後に、グループチャットのシーンなどを読み返すと、思わぬ伏線に気付かされるでしょう。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

間章「ラズベリーの独白」まで、 読ませていただきました!

いやぁ、恐ろしい。古典的な手法ながら登場人物の不安が乗り移りそうな、そんな迫力のある小説でした(まだ途中までなのですが、ミステリーの殺人が苦手な自分には十分怖いです笑)。そう感じるのはやはり執筆者様の力ある文章と、その構想からでしょう。SNSで連絡を取りあうネット仲間が集まる…、ここまでは類似した内容よくあると思いますが、イチゴ系の果物をあんな風に使うなんて…!こればかりは読んで見てください!引き込まれますよ!
この作品は完結されているようですので、ハラハラしながら読ませていただきます(笑)。今後とも善きカクヨムライフを!執筆頑張ってください!

★★★ Excellent!!!

 オーソドックスなクローズドサークルの推理サスペンスものだが、SNSコミュニティの特性を活かしたギミックが非常に好印象の作品です!
 謎を追っていく上で矛盾した所は特になく事件背景と犯人の動機もスッキリと収まるスマートな作品でした。
 特に名前を追っていく構成とキャラクターの独白、SNSの重要性が読了後になるほどなと唸るものがありました。
 20万文字ですが読みやすく何方でも楽しめる作品です!

★★★ Excellent!!!

クローズドサークルでの連続殺人事件と、ミステリ好きなら一度は夢中になったであろう古典的な舞台設定の本格ミステリです。

ただ、舞台は古典的ですが、クローズドサークルに人々が集まる経緯や動機は非常に現代的です。
あるチャットグループのオフ会のメンバーが惨劇に見舞われる、ということで、ハンドルネームと本名が結びつかず、そこがまた一つの仕掛けになっていたりと奥深いです。

登場人物を整理するのにメモが必要というご意見もありますが、個人的には少しずつ毎日読み、メモなしでも楽しめました。

さすがに序盤は多少混ざりましたが(笑)、謎解き部分に至る頃には、自然と頭に入るくらいの丁寧な情報開示は作者さんがしてくれているので、未読の方は身構えず、本格ミステリの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?

★★★ Excellent!!!

Web小説では珍しい、非常に完成度の高い本格派ミステリ。

様々なベリーのハンドルネームを持つチャットのメンバー12人が、オフ会のため集ったペンションで殺人が起き、帰る手段も絶たれてしまう。
急遽本名の公開を取り止めたメンバーだったが、現場に残されたベリーの見立て通りに、次々と事件が起こっていく。

作中ではメンバーのニックネーム(ハンドルネームに非ず)しか明かされず、誰がどのベリーなのか分からないまま話が進む、というのが本作の肝です。
読み手は誰が誰なのかに想像を巡らせつつ、立て続けに起こる事件に直面していくことになります。

一見何の繋がりも見えないメンバーたちを繋ぐミッシング・リンクが、少しずつ解かれていく様には鳥肌が立ちました。
そして、謎が明かされた際には、その背景の理不尽さに思わず涙が滾り落ちてしまいました。

また、日本社会への問題提起という側面もこの作品には込められていると感じます。
タイトルに織り込まれた作者さんの想い・祈り・願いに、誰しも自らを顧みずにはいられないでしょう。

ミステリ好きも必ず満足できる出来映えで、読後感もよく一押しの作品です。 とても面白かったです。
紙とペンを用意し、メモを取りながら読み進めるのがおすすめです。

★★★ Excellent!!!

本作はクローズドサークルでの見立て殺人を主題としたミステリーです。

ベリーにちなんだ名前を持つメンバーだけで構成されるチャットグループが二泊三日のオフ会を開催したところ、参加者が次々殺されて……という筋立てのド直球の本格ミステリーですね。

さて、本作の白眉はやはり「見立て殺人」でしょう。

犯人はオフ会の参加者たちを殺害するとともに、二種類のベリーを残していきます。

ひとつは被害者の見立てとおぼしき潰されたベリー。もうひとつは、次の被害者の見立てとおぼしき他のベリー。

もちろんこれらは犯人がある目的のために残していったものなのですが、この見立てによって本名と紐付いたハンドルネームを知られるのは危険だという認識が早々に共有され、生存者たちが互いにハンドルネームと本名の一部を隠すようになるというのがまず面白い。

小出しにされるベリーたちの独白もあって「誰が何ベリーなのか」は本作においてかかすことのできない魅力的な謎であったように思います。

また、生存者たちがハンドルネームと本名の一部を隠し合うことによってより孤立感が深まっている点もうまいなと思いました(よく推理小説の登場人物が「こんなところで犯人と一緒に夜を明かすなんてごめんだ! 俺は部屋に戻る!」と言い出すことについて冗談のネタにされることがありますが、本作で初日に各々が自分の部屋で寝るのはさほど不自然な行動ではないでしょう)。

そして先ほどさらりと流してしまいましたが、犯人がベリーの見立てをした理由も良い。わたしはたまたま近いパターンのトリックを知っていたためそれで犯人を特定できたのですが、既存のトリックをうまく組み合わせて魅力的でユニークなトリックにまで磨き上げているように思います。

これだけでもおなか一杯ですが、まだあります。とある人物が、ベリーの見立てを利用し、一種の逆トリックを仕掛けるという展開が… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 外部と連絡の絶たれた陸の孤島。
 お互いが初対面のなか起きる殺人事件。
 殺人に際して見立てが使われる。

 これらのキーワードにピンときたそこのあなた、良い小説ありますよ!

 それがこの「ミックスベリー殺人事件」です。
 主人公たちは果実のベリー類の名前をハンドルネームを使うチャットのメンバー。そんな彼ら・彼女らがはじめてオフ会を行うことになる。奇しくも、これもまたベリー農園を併設するペンション・カシスで……。そして彼らは実物のベリーを予告のように置かれることで次の犠牲者を知るのです。
 古き良きクローズドサークルものと言ってしまえばもはや説明はいらないでしょう。

 興奮はここまでにしておいて、中身のほうに入らせていただきます。筋書きもさることながら、ストーリーのなかに一人ひとりの思惑がきちんと組みこまれている点が素晴らしい。心理状況などもちゃんと配慮されているのもかなりの好印象。
 十人を超える登場人物は完全にバラバラな個性の持ち主で、それほど混乱することもありません。さらに挿入される独白は、「このHNは誰なのか」と読者に想像・推理させることもできています。また、最後の種明かしに関しても、無理のないところから少しずつ読者を説得し、納得させていく手法もちゃんとできているのがすごい。

 まさに「クローズドサークル物の王道」ともいえる本作。

 とはいえ、読む人にとっては王道である分物足りなさを感じるかもしれません。ある程度予測がつくことも……しかし、それがどうした! はじめてクローズドサークル物を読んだあの懐かしい空気がここにはあります。
 いやむしろ、はじめてミステリーを読むという方には、ここからその道へと転がり落ちてくることを期待しています。

 ミステリーとはこんなに面白いのだ!

 それにしても、これを一つ書き終えるのにどれほどのものを調べ上げたんでしょう… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

外部と遮断された閉ざされた空間で、一人一人、被害者が出てゆく――真犯人は誰? という、絵に描いたようなクローズド・サーキットの本格推理。

ガチで、正面からの本格推理。いいですねー。小説の醍醐味の一つです。こういう作品は、それ自体で一つの芸術のよう。

ミステリー&推理好きの方には、もちろんおすすめです。

本格推理は読んだことない、という方もカクヨムには多いと思いますが、こういう世界もある、と、のぞいてみたらいかがでしょうか。論理的な、美しい世界が、そこにあります。

★★★ Excellent!!!

 一つ一つの行動にはしっかりとした意味があり、それらが緻密に繋がっていきます。クローズドサークルという定番とベリー類のハンドルネームという特殊な設定の組み合わせが読む意欲をかきたて、さらにその設定も上手く活用されていきます。ミステリーのお手本と言っても過言ではありません。

★★★ Excellent!!!

読了後、「美しい」という言葉が浮かぶ。そんな、謎の絡み合いもそこに込められたメッセージもこの上なく秀逸な、磨き抜かれたミステリーです。

SNSで知り合った、実名も顔も知らないメンバーが初めて会うオフ会で起こる殺人事件。メンバーたちの心の動きと、それぞれの行動。登場人物たちの動きがもつれることなく、読む者の頭にすっきりと流れが入り込んでくる文章運びは見事です。
そして、この事件の裏側に隠された、残酷な現実。それが明らかになる時、社会の深い闇をも見せつけられる思いがします。

細部まで行き届いた緻密な設定は見事としか言いようがありません。そして、登場人物達の心の変化など情緒的な部分についても深い味わいを楽しめる点も、この作品の大きな魅力です。

読んだ後、様々な思いと大きな満足感が心に残る。多くの方にぜひ楽しんでいただきたい作品です。


★★★ Excellent!!!

とにかく最初に思ったのが、この人数の実名とハンドル名が入り乱れるのか……という気持ち。これはハードルが高そうだぞ、と思ってしまった。いくらクローズドサークルの話と言っても、やはりWeb小説で十人以上が一度に出てくるのは多いだろう、と。

しかしこれが読みすすむうちに次々に起きる事件と過去の出来事、真相への謎ときにつながっていき、全く飽きない。個性のあるキャラクターや様々なベリーに関するTIPSを取り入れる遊び心がありつつ、メインのストーリーは要所要所で「これは!」と思える展開が待ち受けていて、ラストまで楽しむことができた。

この大作を論理的な整合性を意識しつつエンターテイメント性や社会派的メッセージも存分に取り入れた作者の意欲には感服するしかない。

見事なミステリです。
私には書けない。

★★★ Excellent!!!

緊張感漂うクローズドサークル、オフ会という舞台で巻き起こる連続殺人事件です。

登場人物は皆それぞれ個性があり、すぐに物語に入り込むことが出来ます。
そして、一度入り込むと、ひとりひとりの人生がミステリアスに絡み、容易に抜け出せなくなります。

その謎は、重厚で息苦しく深い。いくつもの交差する狂おしい現実は、納得のいく殺人事件に繋がっていました。

愛とは。
存在とは。
胸にせまるラストをご自身で感じてみて下さい。驚愕の本格ミステリーをぜひ!

★★★ Excellent!!!

オフ会メンバーがペンションに集うとき、惨劇の幕が切って落とされる――。

タイトルとあらすじを見て、ミステリー好きの血がざわざわと騒ぎました。と同時に本作は、私の期待に応えることの出来るミステリーだと半ば確信して読み始めたのですが……。

まず思ったのは、これだけ文字の圧力があるにも関わらず、読ませてしまう技量がすごいということでしょうか。会話ではなくほぼ地の文で物語を進めていくところも、本格ミステリーたらしめる魅力に溢れていて、私のドストライクでもありました。

しかし、殺戮の舞台がいいですねっ。背後には樹海があり、閑散とした中にあるペンション。しかも吊り橋は切断っ、陸の孤島っ! これで殺人事件がおきないわけがないっ――というのは言い過ぎですが、舞台としては最高です。私の好きなゲーム『かまいたちの夜』もペンションですから(これは結構どうでもいい)。

そして集まるミックスベリーの十二人。最初の犠牲者は誰なのか――。
読みだしたらもうやめることはできない。最後まで読んでラストの真相に驚愕せよっ!

皆さまの本作を読んで有意義な時を過ごしてみませんか(⌒∇⌒)

★★★ Excellent!!!

サスペンスとか推理物って個人的にあまり読まない分野なのですが、とても有意義な時間を過ごすことができました。

登場人物が多いことで、読む前は「大丈夫かなぁ……」なんて思っていましたが、適宜適切な紹介がされていたことで、登場人物のイメージが浮かび、各キャラが頭の中で動いてくれました。

前半は今風のサスペンスとして楽しめ、最後はひと昔前の刑事ドラマのような渋さが感じられ、個人的には「新旧いいとこ取り」とか「一粒で二度美味しい」と言った感じでした(笑)

あえて言わせてもらえば、後日談はもう少しダイエットしても良かったかぁと思いました。あのパート(事件解決後の部分)は作者として語りたい部分であるのは重々承知していますが、同時に読者が余韻を楽しむ部分でもあります。そう考えると、マスターベーションに陥っている嫌いがあり少しくどかったかもしれません(5時間が経とうとしていたことでそう思っただけなのかもしれません(笑))

……と重箱の隅をつつくようなことを言いましたが、決してマイナス評価をするつもりはありません。ボクには書けないストーリーであることはもちろん、読むのが苦手なボクを5時間画面に向かわせた筆力は尋常ではありません(そこかよ)

書店に並んでいてもおかしくない力作――書籍化されてより多くの方の目に触れることを心より祈念するとともに、ボクの知的好奇心を満たしてくれたことに感謝いたします。

★★★ Excellent!!!

圧倒。圧巻。感嘆。とにかく読んでみてください。

こんなに没頭できる物語なかなかありません。
紙とペン、もしくはメモ帳アプリが必需品です。
次々と起こる凄惨な事件、登場人物の誰かが犯人。
SNSで知り合った彼らはハンドルネームしか知らず、お互いが誰かもわからない。
ある事情で本名を名乗らず呼称で通すことにするのだが、この呼称とハンドルネームとが結びつかない。

謎がとけ、犯行が明らかになるときには深い人間ドラマがありました。
殺人事件というおぞましい物語にもかかわらず、爽快感すら感じられる読後感です。
物語の展開といい、登場人物すべての設定といい、作者さまの綿密に張り巡らした設計図に脱帽するとともに、読ませる文章力や引き込ませる表現力は尊敬に値します。

謎解きの得意な方、ぜひ作者さまからの挑戦状を受けてみてください。
ワタシのように推理する才能のない方、メモ帳をぐちゃぐちゃにしながら物語を楽しんでください。

こんな方法で楽しめるミステリー、初めてです。
どうか皆さん手に取ってください。
この物語に翻弄されてください。

★★★ Excellent!!!

ものすごいミステリーを読んでしまった。
それが読了後、最初に出てきた感想です。

ネットで知り合ったベリー好きの人間が、集まってオフ会をすることに。
しかしそこで殺人が起き、さらに悲劇は連鎖して……。
といった本格ミステリーです。

いきなり登場人物が一気に出てくる。
それも10人以上。
誰が誰だかわからないチャットや独白。

と、最初は戸惑いがあるものの、圧倒的なリーダビリティとクローズドサークルというミステリー好きにはたまらない設定が、読む手を休ませません。
私もほぼ一日で読み終えてしまいました。

中盤以降も、解決に向かうどころか、謎はどんどん増えていきます。
でも情報はきっちり整理され、終盤には納得のいく結末が用意されているものだから驚きです。

私も推理してみましたが全然ダメ。
完全敗北でした。

これでとんでもないこじつけや、邪道なトリックがあったりしたら「それはずるい!」とスマホをぶん投げて憤ることもできるのですが、この作品に関してはそんなことはありませんでした。

本格的なミステリーを期待している方は安心して読んでください。

それに、ただのミステリーで終わっていないところもすごい。
人間ドラマ的な部分もしっかりと書き込まれていて、事件解決のシーンでは涙も滲んできます。

とにかくすごい!
"ベリーベリー"グッドなミステリーなのです!

★★★ Excellent!!!

閉ざされた空間の中で起きる連続殺人事件。初めて顔を合わせた十数名の登場人物たちは、ハンドルネームで呼び合うチャットグループのメンバーでした。お互いのハンドルネームを明かすのを禁じた状況は、読み手に更に謎を与えます。
登場人物や状況の描写がとても丁寧でありながら、スピード感のある展開で次々と読ませていただきました。

この物語は「難事件が起こり見事に解決された」という説明だけでは足りない多面性を持っています。

もう少しこの世界に止まりたいと思いつつ、不思議と静かで暖かな気持ちとともに最後のページを閉じました。

★★★ Excellent!!!

「ミックスベリー」なるチャットグループのオフ会が、とあるペンションで開催されることになる。知鶴は楽しみに出かけるが、そこで待っていたのは阿鼻叫喚の連続殺人であった。

読了し、大きなため息が出ました。これほど完成されたミステリーに出会えたことに、ほぼ毎日のように更新され続きを渇望しながら過ごした日々を思い出したことに。
クローズドサークル形式のミステリーは何作か読んだことはあります。もちろん、それらは一線で活躍されるプロの物語。
面白いのは当たり前です。
今作は、はっきり申し上げて、それらのプロ作家の描かれた物語に匹敵、いや凌駕する勢いのあるとてつもない大作です。
謎解きはもちろんメインテーマのひとつであります。連載中に頭を悩ませながら真犯人は誰か、などと推理しておりました。
しかし、今作の根底に流れるのはタグにもあります「LGBT」ではないでしょか。それと「愛」、もしくは「家族愛」。
単なる謎解きであれば、これほど余韻は残らなかったかもしれません。
作者の著書は全て完読しておりますが、どの作品にも共通していえることは、徹底的に緻密に計算された設計図に基づいて、どこにどういう伏線、どんでん返しを挿入すれば読み手が唸るのかを熟知されているところです。
登場人物は多いのですが、しっかり書き分けられており、混乱することはありません。
ミステリーマニアのかたも、そうでないかたも、今作は是非ご覧いただきたい思いで一杯です。

★★★ Excellent!!!

逃げ道は無く、閉ざされた空間の中で次々起こる殺人事件。クローズド・サークルミステリーの王道を行く本格ミステリー。

とにもかくにも舞台設定が最高でした。正に殺人事件が起こって下さいと言わんばかりの設定はミステリー好きには堪らない要素が満載。息つく暇を与えぬ展開のラッシュに思わずかぶりついてしまうほどでした。

また作者様の登場人物一人一人への思い入れも切に伝わってくる作品でもあります。それぞれの登場人物の背景に目を向けて書き分けている点が秀逸でした。ヒューマンドラマとしての一面がこの作品をより深いものへと変化させています。

作者様の色が遺憾なく発揮された一作をどうぞご堪能あれ!

★★★ Excellent!!!

あらすじにもある通り、ジャンル的にはいわゆる「クローズドサークル物」と呼ばれる種類の本格ミステリです。
同じ銀鏡怜尚さんの代表作『深緋の恵投』は、社会派的なテイストも織り交ぜた医療ミステリでしたが、今作では特にトリック面が大幅に強化されていて、推理要素の歯応え抜群の一作に仕上がっています。

特徴的な部分は、やはり登場人物に本名とネット上で名乗るハンドルネームが別々に設定されているところでしょう。
「仮想空間で知り合ったあの人は、現実世界の誰なのか」というパズルを軸に、殺人事件の謎解きが進行していきます。

また、エピソード構成も一捻りあって面白い。
1:「本編ストーリー」
2:「チャットのログ」
3:「登場人物の独白」
という、三種の異なる場面が、それぞれ別々の視点・人称で描かれていて、それが本格ミステリとしての謎解き要素を、いっそう興味深いものにしています。

それにしても、銀鏡さんのお書きになる文体(及び物語そのもの)は、決して安っぽくないのにスイスイ読めるし、大変魅力的ですね。
『深緋の恵投』も19万字があっという間に感じたのですが、今回の20万字に及ぶ連載でも、また同じような体験をさせてもらえるとは……。
これはやはり、文章自体の歯切れの良さとか、ストーリーの引力の強さなのでしょうか。

そんなわけで、とにかくグイグイ引き込まれる長編ミステリがお読みになりたい方は、是非ご一読を!

★★★ Excellent!!!

最初は「○○ベリー」多いなぁとか、こんないっぱい登場人物把握できるのかなぁとか、けっこう心配なことが多かったです。
ぶっちゃけると、頭がこんがらがって無理だと思いました。

しかし読み進めていくと、あらなんということでしょう。
確かに少し頭はこんがらがってしまいましたが、それはいい意味でです。
この「ベリー」は一体誰なのだろう。ここはどういうふうにつながっていくのだろう。
もうぐちゃぐちゃですね。

そこから回収されていく伏線。そしてスッキリ感。半端ないです。

自分の執筆のこともありますので、まだ全部は読み切れておりませんが、ぜひ読み切りたいと思わせてくれる作品でした!

★★★ Excellent!!!

残すところ、あと三話となりました。ああ、楽しみが終わってしまいます(;。;)

まだ、ラストを知らないままのレビューです。
知ってしまうと、どうしても伝えたくなるので。それではこの物語の良さは伝わらない。
これはそういう「感じる推理」でもあると拝察しました。

ベリーの名前をつけた人間がこうも集まるものか? 次々起こる事件もこうも綺麗に起こるものか? しかし、ミックスベリー殺人事件の名の通り、推理が展開されるにつれて、疑問はすっと解けて行きます。しかし、中盤の推理の中にもせめぎ合いや、知識に裏打ちされた緩急が隠されていて、最後の真実を引き出した時には、感嘆の声すら漏れます。ああ、物語ってやはり人間のドラマを書いているんだな……と改めて思い返す。本当に良い物語は、自ずと色々想像させられてしまうものです。ベリーの名前の独白も推理や想像を大いに手伝ってくれました。

殺意や、謎解きだけではなく。目頭を熱くさせられるような。
……後は是非読んで見てください。

このように、物語にふとしたきっかけで出会い、こうして「お薦め」が出来る環境に感謝すらしています。

それでは、残り三話は一人でじっくりと、ゆっくり楽しんで読了したいと思います。是非! 是非是非!

ゆっくりと、じっくりと読むべき傑作ですよ。

★★★ Excellent!!!

ハンドルネームを持った人物達が繰り広げるデスマッチミステリーです。


え? なんでベリー? と思ったのですが、事細かく説明がなされている果実には意味があるようです。

そして13人の登場人物に対して、きちんと明確に定義されています。

これは本格ミステリーの匂いがする、と思われた方、その通りです。

ですが、それだけでなく誰がどのハンドルネームを宿しているのか、という読者ですら困惑させる設定に狭き門を感じさせます。

それでもきっと、この物語を最後まで読めば、壮絶な大どんでん返しがみれるのは間違いないでしょう。

真っ向から勝負をする姿勢、情熱を感じますね!

この作品の完結が無事に更新されることを願って、星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

 この作品の登場人物は多く、しかもHNと本名の二つを有するので、一見複雑に見えますが、ここは作者の本領発揮! その筆力の高さで見事に物語に引き付け、分かりやすく話を進めてくれます。
 さらに、この設定が王道のミステリーだけではなくヒューマンドラマまでをも匂わせ、ぐいぐいその魅力に引っ張られていきます。絡み合う人間関係と謎。そして交錯するそれぞれの想い。
 この作品ほど「現代ドラマ・ミステリー部門」にピッタリな作品はないのではないでしょうか。

★★★ Excellent!!!

公開前からまだかまだかと待っていた作品がやっと読めました。好みのクローズドサークルものでドストライクです。

作者の持ち味とも言える流れるような文章に、導入される医療知識。説明もとても分かりやすく、勉強にもなるのではないでしょうか。そして、スッと思い浮かべられる心理描写や情景描写。一人一人の視点に切り替わる物語により、緊迫した空気を味わえます。

そして肝心の物語は第一に続いて第二の事件が発生します。まだまだ犯人解明にはほど遠いですが、この作品の醍醐味と言えるのは犯人探しだけでなく、チャット仲間の本名も解明していかなければならない所でしょう。登場人物達は一部の人を除いて皆が仮の名で呼び合っており、二重の解決が必要となる斬新なミステリーです。

今後がどんな展開になっていくのかワクワクが止まらない最高のミステリーです。ミステリー好きなら是非手に取って読んでください。

★★★ Excellent!!!

完結するまではレビューすべきではない、と思っていましたが、銀鏡作品が埋もれるのは違うと思ったのと、のっけから見せつけられたので仮の評価だけ入れさせていただきます。
(完結後に正式評価させていただきます)

複数の参加者がそれぞれの視点で独白が進む中、さっそく話が動き出しました。過去の経験から銀鏡作品は多少わかりにくいところがあっても読み進める中で理解が追いつける(複数の視点から補完されるため)ので、終盤までは肩ひじ張らずに読ませていただきます。

今後の展開、期待しております。