論理と情熱を込めた見事な大作

とにかく最初に思ったのが、この人数の実名とハンドル名が入り乱れるのか……という気持ち。これはハードルが高そうだぞ、と思ってしまった。いくらクローズドサークルの話と言っても、やはりWeb小説で十人以上が一度に出てくるのは多いだろう、と。

しかしこれが読みすすむうちに次々に起きる事件と過去の出来事、真相への謎ときにつながっていき、全く飽きない。個性のあるキャラクターや様々なベリーに関するTIPSを取り入れる遊び心がありつつ、メインのストーリーは要所要所で「これは!」と思える展開が待ち受けていて、ラストまで楽しむことができた。

この大作を論理的な整合性を意識しつつエンターテイメント性や社会派的メッセージも存分に取り入れた作者の意欲には感服するしかない。

見事なミステリです。
私には書けない。

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