オフ会メンバーがペンションに集うとき、惨劇の幕が切って落とされる――。
タイトルとあらすじを見て、ミステリー好きの血がざわざわと騒ぎました。と同時に本作は、私の期待に応えることの出来るミステリーだと半ば確信して読み始めたのですが……。
まず思ったのは、これだけ文字の圧力があるにも関わらず、読ませてしまう技量がすごいということでしょうか。会話ではなくほぼ地の文で物語を進めていくところも、本格ミステリーたらしめる魅力に溢れていて、私のドストライクでもありました。
しかし、殺戮の舞台がいいですねっ。背後には樹海があり、閑散とした中にあるペンション。しかも吊り橋は切断っ、陸の孤島っ! これで殺人事件がおきないわけがないっ――というのは言い過ぎですが、舞台としては最高です。私の好きなゲーム『かまいたちの夜』もペンションですから(これは結構どうでもいい)。
そして集まるミックスベリーの十二人。最初の犠牲者は誰なのか――。
読みだしたらもうやめることはできない。最後まで読んでラストの真相に驚愕せよっ!
皆さまの本作を読んで有意義な時を過ごしてみませんか(⌒∇⌒)
サスペンスとか推理物って個人的にあまり読まない分野なのですが、とても有意義な時間を過ごすことができました。
登場人物が多いことで、読む前は「大丈夫かなぁ……」なんて思っていましたが、適宜適切な紹介がされていたことで、登場人物のイメージが浮かび、各キャラが頭の中で動いてくれました。
前半は今風のサスペンスとして楽しめ、最後はひと昔前の刑事ドラマのような渋さが感じられ、個人的には「新旧いいとこ取り」とか「一粒で二度美味しい」と言った感じでした(笑)
あえて言わせてもらえば、後日談はもう少しダイエットしても良かったかぁと思いました。あのパート(事件解決後の部分)は作者として語りたい部分であるのは重々承知していますが、同時に読者が余韻を楽しむ部分でもあります。そう考えると、マスターベーションに陥っている嫌いがあり少しくどかったかもしれません(5時間が経とうとしていたことでそう思っただけなのかもしれません(笑))
……と重箱の隅をつつくようなことを言いましたが、決してマイナス評価をするつもりはありません。ボクには書けないストーリーであることはもちろん、読むのが苦手なボクを5時間画面に向かわせた筆力は尋常ではありません(そこかよ)
書店に並んでいてもおかしくない力作――書籍化されてより多くの方の目に触れることを心より祈念するとともに、ボクの知的好奇心を満たしてくれたことに感謝いたします。
圧倒。圧巻。感嘆。とにかく読んでみてください。
こんなに没頭できる物語なかなかありません。
紙とペン、もしくはメモ帳アプリが必需品です。
次々と起こる凄惨な事件、登場人物の誰かが犯人。
SNSで知り合った彼らはハンドルネームしか知らず、お互いが誰かもわからない。
ある事情で本名を名乗らず呼称で通すことにするのだが、この呼称とハンドルネームとが結びつかない。
謎がとけ、犯行が明らかになるときには深い人間ドラマがありました。
殺人事件というおぞましい物語にもかかわらず、爽快感すら感じられる読後感です。
物語の展開といい、登場人物すべての設定といい、作者さまの綿密に張り巡らした設計図に脱帽するとともに、読ませる文章力や引き込ませる表現力は尊敬に値します。
謎解きの得意な方、ぜひ作者さまからの挑戦状を受けてみてください。
ワタシのように推理する才能のない方、メモ帳をぐちゃぐちゃにしながら物語を楽しんでください。
こんな方法で楽しめるミステリー、初めてです。
どうか皆さん手に取ってください。
この物語に翻弄されてください。
ものすごいミステリーを読んでしまった。
それが読了後、最初に出てきた感想です。
ネットで知り合ったベリー好きの人間が、集まってオフ会をすることに。
しかしそこで殺人が起き、さらに悲劇は連鎖して……。
といった本格ミステリーです。
いきなり登場人物が一気に出てくる。
それも10人以上。
誰が誰だかわからないチャットや独白。
と、最初は戸惑いがあるものの、圧倒的なリーダビリティとクローズドサークルというミステリー好きにはたまらない設定が、読む手を休ませません。
私もほぼ一日で読み終えてしまいました。
中盤以降も、解決に向かうどころか、謎はどんどん増えていきます。
でも情報はきっちり整理され、終盤には納得のいく結末が用意されているものだから驚きです。
私も推理してみましたが全然ダメ。
完全敗北でした。
これでとんでもないこじつけや、邪道なトリックがあったりしたら「それはずるい!」とスマホをぶん投げて憤ることもできるのですが、この作品に関してはそんなことはありませんでした。
本格的なミステリーを期待している方は安心して読んでください。
それに、ただのミステリーで終わっていないところもすごい。
人間ドラマ的な部分もしっかりと書き込まれていて、事件解決のシーンでは涙も滲んできます。
とにかくすごい!
"ベリーベリー"グッドなミステリーなのです!
閉ざされた空間の中で起きる連続殺人事件。初めて顔を合わせた十数名の登場人物たちは、ハンドルネームで呼び合うチャットグループのメンバーでした。お互いのハンドルネームを明かすのを禁じた状況は、読み手に更に謎を与えます。
登場人物や状況の描写がとても丁寧でありながら、スピード感のある展開で次々と読ませていただきました。
この物語は「難事件が起こり見事に解決された」という説明だけでは足りない多面性を持っています。
もう少しこの世界に止まりたいと思いつつ、不思議と静かで暖かな気持ちとともに最後のページを閉じました。
「ミックスベリー」なるチャットグループのオフ会が、とあるペンションで開催されることになる。知鶴は楽しみに出かけるが、そこで待っていたのは阿鼻叫喚の連続殺人であった。
読了し、大きなため息が出ました。これほど完成されたミステリーに出会えたことに、ほぼ毎日のように更新され続きを渇望しながら過ごした日々を思い出したことに。
クローズドサークル形式のミステリーは何作か読んだことはあります。もちろん、それらは一線で活躍されるプロの物語。
面白いのは当たり前です。
今作は、はっきり申し上げて、それらのプロ作家の描かれた物語に匹敵、いや凌駕する勢いのあるとてつもない大作です。
謎解きはもちろんメインテーマのひとつであります。連載中に頭を悩ませながら真犯人は誰か、などと推理しておりました。
しかし、今作の根底に流れるのはタグにもあります「LGBT」ではないでしょか。それと「愛」、もしくは「家族愛」。
単なる謎解きであれば、これほど余韻は残らなかったかもしれません。
作者の著書は全て完読しておりますが、どの作品にも共通していえることは、徹底的に緻密に計算された設計図に基づいて、どこにどういう伏線、どんでん返しを挿入すれば読み手が唸るのかを熟知されているところです。
登場人物は多いのですが、しっかり書き分けられており、混乱することはありません。
ミステリーマニアのかたも、そうでないかたも、今作は是非ご覧いただきたい思いで一杯です。
あらすじにもある通り、ジャンル的にはいわゆる「クローズドサークル物」と呼ばれる種類の本格ミステリです。
同じ銀鏡怜尚さんの代表作『深緋の恵投』は、社会派的なテイストも織り交ぜた医療ミステリでしたが、今作では特にトリック面が大幅に強化されていて、推理要素の歯応え抜群の一作に仕上がっています。
特徴的な部分は、やはり登場人物に本名とネット上で名乗るハンドルネームが別々に設定されているところでしょう。
「仮想空間で知り合ったあの人は、現実世界の誰なのか」というパズルを軸に、殺人事件の謎解きが進行していきます。
また、エピソード構成も一捻りあって面白い。
1:「本編ストーリー」
2:「チャットのログ」
3:「登場人物の独白」
という、三種の異なる場面が、それぞれ別々の視点・人称で描かれていて、それが本格ミステリとしての謎解き要素を、いっそう興味深いものにしています。
それにしても、銀鏡さんのお書きになる文体(及び物語そのもの)は、決して安っぽくないのにスイスイ読めるし、大変魅力的ですね。
『深緋の恵投』も19万字があっという間に感じたのですが、今回の20万字に及ぶ連載でも、また同じような体験をさせてもらえるとは……。
これはやはり、文章自体の歯切れの良さとか、ストーリーの引力の強さなのでしょうか。
そんなわけで、とにかくグイグイ引き込まれる長編ミステリがお読みになりたい方は、是非ご一読を!
最初は「○○ベリー」多いなぁとか、こんないっぱい登場人物把握できるのかなぁとか、けっこう心配なことが多かったです。
ぶっちゃけると、頭がこんがらがって無理だと思いました。
しかし読み進めていくと、あらなんということでしょう。
確かに少し頭はこんがらがってしまいましたが、それはいい意味でです。
この「ベリー」は一体誰なのだろう。ここはどういうふうにつながっていくのだろう。
もうぐちゃぐちゃですね。
そこから回収されていく伏線。そしてスッキリ感。半端ないです。
自分の執筆のこともありますので、まだ全部は読み切れておりませんが、ぜひ読み切りたいと思わせてくれる作品でした!
残すところ、あと三話となりました。ああ、楽しみが終わってしまいます(;。;)
まだ、ラストを知らないままのレビューです。
知ってしまうと、どうしても伝えたくなるので。それではこの物語の良さは伝わらない。
これはそういう「感じる推理」でもあると拝察しました。
ベリーの名前をつけた人間がこうも集まるものか? 次々起こる事件もこうも綺麗に起こるものか? しかし、ミックスベリー殺人事件の名の通り、推理が展開されるにつれて、疑問はすっと解けて行きます。しかし、中盤の推理の中にもせめぎ合いや、知識に裏打ちされた緩急が隠されていて、最後の真実を引き出した時には、感嘆の声すら漏れます。ああ、物語ってやはり人間のドラマを書いているんだな……と改めて思い返す。本当に良い物語は、自ずと色々想像させられてしまうものです。ベリーの名前の独白も推理や想像を大いに手伝ってくれました。
殺意や、謎解きだけではなく。目頭を熱くさせられるような。
……後は是非読んで見てください。
このように、物語にふとしたきっかけで出会い、こうして「お薦め」が出来る環境に感謝すらしています。
それでは、残り三話は一人でじっくりと、ゆっくり楽しんで読了したいと思います。是非! 是非是非!
ゆっくりと、じっくりと読むべき傑作ですよ。
ハンドルネームを持った人物達が繰り広げるデスマッチミステリーです。
え? なんでベリー? と思ったのですが、事細かく説明がなされている果実には意味があるようです。
そして13人の登場人物に対して、きちんと明確に定義されています。
これは本格ミステリーの匂いがする、と思われた方、その通りです。
ですが、それだけでなく誰がどのハンドルネームを宿しているのか、という読者ですら困惑させる設定に狭き門を感じさせます。
それでもきっと、この物語を最後まで読めば、壮絶な大どんでん返しがみれるのは間違いないでしょう。
真っ向から勝負をする姿勢、情熱を感じますね!
この作品の完結が無事に更新されることを願って、星3つ送らせて頂きます。
公開前からまだかまだかと待っていた作品がやっと読めました。好みのクローズドサークルものでドストライクです。
作者の持ち味とも言える流れるような文章に、導入される医療知識。説明もとても分かりやすく、勉強にもなるのではないでしょうか。そして、スッと思い浮かべられる心理描写や情景描写。一人一人の視点に切り替わる物語により、緊迫した空気を味わえます。
そして肝心の物語は第一に続いて第二の事件が発生します。まだまだ犯人解明にはほど遠いですが、この作品の醍醐味と言えるのは犯人探しだけでなく、チャット仲間の本名も解明していかなければならない所でしょう。登場人物達は一部の人を除いて皆が仮の名で呼び合っており、二重の解決が必要となる斬新なミステリーです。
今後がどんな展開になっていくのかワクワクが止まらない最高のミステリーです。ミステリー好きなら是非手に取って読んでください。