高尾つばき

　カクヨム界において、常に異彩を放ち読む者の心を揺さぶる小説を描き続けておられる作家、銀鏡怜尚氏。 　新作は『SF』であるとうかがい、思わず「ムムッ！」と唸りました。 　いわゆる空…続きを読む

ひとは誰しも、本当の自分は隠して生きているのではないでしょうか。仮面の下にはどんな本性が潜んでいるのでしょう。この物語に登場する華恋は、『ツンデレ』なる良家のお嬢様にピタリとお似合…続きを読む

前作を拝読できず、もやもやしておりましところ、なんと【リベンジ】編ということですかさず拝読いました。 このテンポ、オチは最高です。 通勤通学のあいまにお読みいただければ、思わずマス…続きを読む

この夏は多分、将来の歴史の教科書に記載されるのではないかなと思っています。今作は「2020年夏物語」をテーマに描かれています。ネガティブになりがちな心に、力強い光を投げかけてくれる…続きを読む

以前、同タイトルで発表された異色の物語を、新たに改稿された本作。当たり前のように使っているスマホの音声アシストが、ある日突然この物語のように変貌したらどうなるのか。着眼点がとてもユ…続きを読む

季節は巡り、また満開の桜が青空を背景に希望を高鳴らせてくれます。でも現実の世界は戦々恐々の毎日。目に見えぬ凶暴な敵に向かい、いまこそ私たちは団結することが求められています。今作は吹…続きを読む

この物語は、大胆な実験作であると思われます。多面的な視点から構成される各話、さらに起承転結をあえて使わずに読み手の想像力をかきたてる手法。これはよほど文章力に構成力が伴わなければ失…続きを読む

読了後、しばらく放心状態になってしまいました。なんという物語に出会ってしまったのだろうと。結論から申せば、傑作です。それも過去最高の。銀鏡さまのお作はすべて拝読してきています。新作…続きを読む

平安時代に紫式部によって書かれた「源氏物語」。千年の時を経てなおいまだに色褪せぬ、一大巨編であることはご存じのとおりです。主人公の光源氏ほど、アーティストやクリエーターの想像力をか…続きを読む

物語のタイトルは顔です。初対面でつま先や背中から見る方は、まれでしょう。今作の顔、「味わえ」ですが、いきなりドキッとさせられます。いったいなにを味わえというのか。もうここで物語に引…続きを読む

桜井さまのフラッグシップとも呼べる「げんこいっ！　～源氏ア・ラ・モード　恋クリーム仕立て～」のスピンオフ作品です。ところがジャンルはミステリー。ミステリー？　ラブコメの間違いでは？…続きを読む

「秘密戦隊ゴレンジャー」をスタートとし、スーパー戦隊物がシリーズとして確立いたしました。勧善懲悪を大前提とし、ドラマ水戸黄門のように数々のお約束があるなか、いつの時代も子どもたちを…続きを読む

タイトルを見て、「なんて挑戦的なのでしょう」と思わず目を瞠ります。もちろん読み手側への挑戦ではありません。ひとつの物語としての、という意味です。「愛」なる言葉は誰もが好みます。一方…続きを読む

異世界転生ファンタジーに食傷気味のあなた。勇者の話はもういささか飽きたあなた。元々異世界ファンタジーなど一切関心のないあなた。三度のご飯よりも異世界ファンタジーが大好きなあなた。す…続きを読む

難しいジャンルをあげるならば、迷わず「詩」であると思います。小説の掌編に、似て非なるものが「詩」です。短い文章で自身の想いを著し、かつ読み手の心を動かすのは至難の業ではないでしょう…続きを読む

ソ連崩壊後の現在、社会主義国家としてまた経済大国としてアジアに君臨する中国。その国へご主人さまの赴任に伴い、ご家族で滞在されていたころのエッセイです。これは読まねば絶対にもったいな…続きを読む

この物語は、『現代ファンタジー』であることを念頭にご覧いただきたく、最初に申し上げます。なぜなら「ええっ、そんなバカな」とか「ありえない」とおっしゃられないようにと思うからです。た…続きを読む

前作である『属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか？』を拝読し、拙いながらも「ワンコから騎士への成長物語ですぜ！」などとレビューを書かせていただきました。スピンオフとなれば、…続きを読む

普通の生活を送っていた女子高生のあかり。これから先もおばあちゃんになるまで、平凡な人生を送るだろうと、大抵は思います。ところが、突然「あなたは今日でその命を落とします」などと言われ…続きを読む

タイトルに興味を持ち、拝読いたしました。日曜日を盗むとは、いったいどのような意味を含んでいるのか。比喩ではなく、本当に盗まれていたのです。正統派なショートショートであり、きっちりと…続きを読む

アッと驚く結末。そしてタイトルの意味がわかったとき、あらためてこの物語の奥深さがわかります。極めて短いお話でありますが、インパクトは抜群です。ただ長ければよいのではない、ということ…続きを読む

お題の「100文字で琴線にふれろ」は、とても難しいと思います。このお話は見事に琴線にふれました。さすが俳人としても大活躍されているアオイさま、ならではです。削りに削った言葉。それは…続きを読む

若い夫婦の物語です。でもイチャラブな展開ではありません。
読了後の気分は、寒い朝にいただく一杯の熱いお味噌汁のようです。
こんなご夫婦は末永く仲睦まじく暮らしていくことでしょう。

マスコットのトリを獲得すべく、お題の小説を書く主人公と、お姉ちゃんの物語です。とても上手くお題を取り入れられており、さりげないウンチクも嫌味なくこなされています。主人公のユウくんは…続きを読む

日本語は世界でも類を見ない、美しく気高い言葉であると思います。今作はそれを気づかせてくれる良作です。なぜアンドロイドは「おめでとう」と言ってくれないのか？ ラストシーンに、日…続きを読む

とても温かな雰囲気のある、良作です。兄弟って、いいなあと感じさせてくれます。兄は弟を愛し、弟は兄を慕う。こういう物語こそ多くのかたにお読みいただきたいなと、拙いながらレビューさせて…続きを読む

どうして30円しか残らなかったのか。これは巧妙に仕掛けられた謎解きの物語かと、息巻いて拝読いたしました。読了後に、ああっ、そういうことか！ と納得した途端、知らず涙が浮かんで…続きを読む

タイトルからいったいどのようなお話であるのか、興味津々で拝読いたしました。途中までは、なるほどなるほど、と進んだのですが、ラストです。これは上手い！ と思わずひざを叩きました…続きを読む

小説、物語は文字のみで書かれており、読み手は想像力を駆使して世界観や登場人物を心の中に描きます。 ファンアートは想像力を最大限に発揮し、視覚にうったえる一枚の絵に仕上げられています…続きを読む

例えるなら、落語。短いお話の中できっちりとまとめられており、ラストのオチがしっかり効いています。 そうきましたか！ と読後に思わず笑わせていただきました。 万人のかたにお薦め…続きを読む

タイトルの意味がわかったとき、思わずため息がもれました。 「最愛」がなぜ「一番」ではなく、「二番」なのか。シャープな言葉遣いで綴られた掌編ですが、とても深いストーリーです。 どこか…続きを読む

ソフトＢＬで大活躍ながら、実は自在に言の葉を操られる詩人でもいらっしゃるアオイさん。この詩は普段お見せにならぬ心の奥に燃えたぎる情熱がほとばしる素敵な詩です。わずか原稿用紙一枚ほど…続きを読む

テンポの良い文章にくわえ、オープニングから読み手を引き込むテクニックを持った物語です。 謎の行動を取るクラスメートの女子。それに多大なる興味を持った主人公。ラストに向け明らかにされ…続きを読む

とても不思議な物語ですが、とても一万文字弱で表現されたとは思えぬほど作り込まれております。 卓越した文章力。鮮やかな手並みの伏線回収。そして意表をつくクライマックス。それらが見事に…続きを読む

陰陽師物は数あれど、ラブコメで定評のある陽野ひまわりさまが描かれた陰陽師物となれば、ひまわりファンは当然食らいつきます。そして今まで機会がなくて、ひまわりワールドをご存知なかった方…続きを読む

ええっ！　この物語は二十万文字を超えていたのか！ 読了後に気づき、あらためて「読ませる」小説であることを再認識いたしました。 主人公の職業が刑務官という、一般市民にはあまり馴染みの…続きを読む

タイトルから、いったいどのような仕掛けを施しておられるのか、興味津々で拝読いたしました。 結論から申せば、タイトルに偽りなしのとても面白い物語です。 篠田くんが惚れたのは、超美貌の…続きを読む

まずタイトルの「『』」からして、そそられます。いったいどんな意味があるのか？ 主人公の“俺”は男子高校生。彼が憧れる超美形の先輩天照宛南は、〈無傷の秘剣〉の使い手。 何の因…続きを読む

想いを告白するために先輩を屋上へ呼び出したものの、その時彼女に襲いかかる恐怖の悲劇。 自然の摂理であり、けっして恥ずかしいことではないのですが、やはり思春期を迎えると何故か口に出せ…続きを読む

コックリさんのような、いわゆる心霊遊びを題材にしたお話です。 友人と面白半分で、守護霊さまを降ろすという行為を行ってしまう主人公。 そして思いもよらぬ現象が起きてしまいます。 結果…続きを読む

三部構成でおりなされる、ご存知口避け女の物語です。 まったく新しいアプローチで読み手を楽しませて、いえ、恐怖の坩堝に落としてくれます。 意表を突かれ、ラストには「ヒ〜ッ！」と悲鳴を…続きを読む

この都市伝説は空想ではなく、リアルに起きた事ではないでしょうか。 と、読み手を震え上がらせる出来上がりです。 シーンと静まり返った池に波紋が広がるように、徐々に恐怖度が増してきます…続きを読む

ヘアサロンで読んだ週刊誌の内容に、立腹する主婦サヨ。 それは都市伝説を扱ったものであったが、あまりにも読者をバカにした記事であった。 ヘアサロンのオーナーで、幼馴染のミユキはサヨの…続きを読む

ノスタルジックな、微笑ましい雰囲気から始まるこの物語。 そこからジワジワと、読む者の鼓動を速めていきます。そして迎えるラスト。早鐘のように鳴っていた心臓が、ピキッと止まってしまうか…続きを読む

結論から申し上げますと、「ｗｅｂではなく、装丁された書籍として読みたい物語」が今作です。 セフレ。この言葉がどういう意味を持つのか。物語の重要なキーワードです。ただ単なるオトナ女子…続きを読む

千年の時を経て、いまだに女性を中心に胸をときめかせる希代の物語、それが「源氏物語」です。 映像、漫画、文芸に関わるクリエーターたちに、一度はこの物語を自分流にアレンジしたいと思わせ…続きを読む

トイレの数だけ物語がある。 と、先人が言ったかどうかはわかりませんが、まさしくこの物語はそれです。人間は生きている限り食べて排泄します。食事をいただくシーンは様々な物語で、それこそ…続きを読む

もしも突然目の前に堕天使が現れ、「贖罪のためにあなたを幸せに導きます」と真顔で言われたら、いったいどんな表情を浮かべ、何と返答するでしょう。その前に、あなたにとって「幸せ」とはなん…続きを読む

こんなにも物語にのめり込むことなど、かつてあっただろうかと記憶を手繰っております。 こんなにも涙を流しながら小説のページをめくったことなど、かつてあっただろうかと心の抽斗を開けてお…続きを読む

大人が読みたいエンタメ小説。このお題に挑まれた物語が今作です。大人と定義する以上、単なる絵空事やご都合主義のストーリーであってはならないのでは、と思料します。ではファンタジーは論外…続きを読む