概要
※エブリスタにも改題・加筆修正して公開しています。https://estar.jp/novels/25561039
――女性の刺殺死体には、性的暴行の形跡があった。
捜査主任の徳憲(とくのり)警部補は、科学捜査研究所へ臨場要請を出したが、そこに居たのは奇矯な研究員ばかり。
年がら年じゅう発情している法医科。
寡黙な巨漢と、中二病な物理科。
酒乱のアルコール検査員と、草食系バツイチ中年が居座る化学科。
そして――文書鑑定科・心理係に棲むアラサー干物女、忠岡(ただおか)悲呂(ひろ)。
名前に『悲』などという字を付けられた彼女には、ひとつの黒い噂があった。
「どんな鑑定も、自分の思惑通りに捏造し、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!真実はいつもひとつ! なわけあるか~~い!! な快作の登場です……!
「第三幕 扉は開かれたまま」までの感想となります。
科捜研が舞台ということで、真っ先に思い浮かぶのはかの某テレビドラマでしょうか。しかしこちらはキャラミスと銘打っているだけあって、とんでもなく濃ゆ~~いキャラが目白押しです。
そんな彼ら彼女らのやり取りを眺めているだけでも十二分に楽しいのですが、今までも数々のシリーズや短編でミステリのコードスレスレの超絶アクロバットを連発してきた作者様のこと、今作では驚異的どんでん返しは控え目にしつつ、しっかりミステリの骨格は備えてあります。むしろ真相すら捏造? してしまう心理係の暗黒面に、さる無謬の銘探偵の姿を重ね合わせて、より楽しむことができました。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧巻。ただその一言です。
通常のミステリーでは犯人は誰だ、と読み進めていきますが、本作はすでに犯人となる人物が読者に提示され、その証拠を次々と明かしていく流れとなっています。昔ドラマでやっていた古畑任三郎みたいな感じですかね。このドラマでも一癖ある登場人物がいますが、この作品にはその何倍もの癖と人物が登場します。そりゃあもう「この部署大丈夫か?」と心配になるくらいに(笑)
しかし、それで終わらせないのが作者の凄さ。徐々に犯人を追い詰めていき、その過程はどこを拾っても納得せざるを得ない。でも、最後に迎える結末には誰もが圧巻されるでしょう。なにせ……おっとこれ以上は言えませんね。
個人的な意見としては、読み終えれば「お…続きを読む - ★★★ Excellent!!!このどんでん返しが、面白い!
作者さまの『どちらかが彼を◯した』(富士見L文庫刊『飯テロ 真夜中に読めない20人の美味しい物語』収録)に登場した忠岡悲呂さんが再登場した別ドラマ。
『どちらかが彼を◯した』と合わせて読むのをおすすめします。
本作は、忠岡悲呂さんはもちろん、科捜研で働く濃いキャラクターたちがたくさん登場します。
それぞれ出番は少しだけなのですが、そのちょっとの出番だけでも、キャラクターの魅力が伝わり、それぞれスピンオフ作品が出来そうなぐらい強烈な印象を残しています。
また、ミステリー要素では、衝撃のラストに震え上がります。
このどんでん返し、騙されること間違いなしっ!
ヒントはしっかりと本文中に登場して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!証拠は嘘をつかない……本当に?
殺人事件が起こり、現場に残っていた残留物から証拠を見付けて犯人へと辿り着く。現代社会における捜査では最早当たり前となっている光景と言えるでしょう。
今回の物語でも同様に殺人事件が起こり、現場に残っていた残留物を回収し、様々な科を巡り巡っていくのですが……残留物が解明されていくに連れて犯人象が徐々にズレていく光景に首を傾げ、しかし証拠だからコレが正しいのかと思い返したり。
しかし、実は………衝撃の事実は読者様の目で確認してくださいませ。ヒントは私の書いた一言紹介でございます。
そして登場人物が相変わらず濃い(笑) 個性で殴り合っていると言っても過言ではありません(褒め言葉です)
しかし、その個…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これほど面白い小説を、見逃したら損がデカイですぜ!
前作、「どちらかが彼を◯した」を拝読したときに、これは絶対に面白い! と興奮して拙いながらもレビューを書かせていただいたのです。もちろん、その物語は書籍化されました。
そして、その前作に登場した主人公である、忠岡悲呂が再び今作に。
人が創作するとき、ややもすると作者のご都合主義が入り、「なーんだ」と思われることがあるかと思います。今作をご覧になってください。その概念が見事に霧消します。
物語は殺人犯を捕縛した、徳憲警部補が一応メインなのですが、そこへ科捜研の忠岡女史が絡んできて思わぬ展開になっていくという流れです。
とにかく徹底した取材に裏付けされた、リアリティあふれる文章が際立ってい…続きを読む