登場するキャラクターの多くが多重人格者で異能を操る、独特な設定のファンタジーバトル小説と言いましょうか。
それだけ聞くと何だか軽く聞こえてしまうかもしれませんが、計算された非常にユニークな作品だと思います。
登場人物に潜むサブ・パーソナリティーたちは、小説のタイトルにもなっている『サイコガーデン』を介してコミュニケーションを図ることができるが、そのサイコガーデンに入るためには本人も気付かない条件があったりとか、サブ・パーソナリティーが表出すると本人の言動だけでなく能力にも影響を与えたりとか、とにかく設定が緻密です。
そして、彼らが生まれるきっかけとなった忌まわしい過去も……。
登場人物に見え隠れする闇や、サイコガーデンのおどろおどろしい描写が秀逸で、それが物語全体に仄暗い雰囲気を常に醸し出しています。
とにかく読み進めていくと、ページをめくる手が止まらない。これは作者さまの他の作品にも言えることですが、気付くと読者の『サイコガーデン』はしっかりキャッチされていることでしょう!
自分の中に眠る別人格、呼び起こされる特殊能力、封じられし過去の記憶、忌まわしき出生の秘密……
厨二病に罹患したことのある人なら、一度は想像したであろう心躍る要素てんこ盛りの作品です。
サイコでサイケデリックな登場人物たちに、疾走感と臨場感あふれるアクションシーンが最高にカッコいい!
張り巡らされた伏線は謎が謎を呼び、同時に背後にある強大で悍ましい敵の姿を想像させ、先を読まずにはいられない面白さです。
群像劇的に展開される物語構成もお見事。
それぞれの運命や抱えるものに胸が熱くなります。
次々襲いくる危機をくぐり抜け、彼らは『自分』を取り戻すことができるのでしょうか。
大変好みの作品でした!
多重人格がテーマの今作は特殊な環境で育成された異能者たちが主人公です。彼らの心のうちに秘めるサイコガーデンと呼ばれる場所。主人公たちはサイコガーデンに佇む能力者の力を借りて自身の持てる以上の力で強力な敵に立ち向かいます。アクションと精神世界、書くのが難しそうなテーマを圧巻の筆力で書き切っておられます。
謎の多いサイコガーデン、ファーザーとチルドレン。巧みに作り上げられたストーリーは素晴らしいとしか言いようがありません。読み進めるほどに、まだまだ仕掛けが隠されているに違いない、隠されたストーリーがあるに違いないと期待してしまいます。
とても面白い作品なので、多くの方に読んでほしいです。触れれば虜になるはず!
おすすめです。
能力バトルを扱った作品は数多あります。
だけど、設定の説明が延々と続くだけの展開のなんと多すぎること。
その点、この『サイコガーデン』は違います。
実験体としてのチルドレンが元凶のファーザーを倒そうと戦いを挑みます。
チルドレン同士でも戦います。
能力を使って。
このバトルが本当に興奮させられます。
二転三転し、予想以上の結果に驚かされます。
バトルシーンが普通に面白い小説、王道のど真ん中です。
チルドレンたちは皆が壮絶な過去を背負っています。
しかし、この作者様はコメディ映画にも精通しているので、巧まざるユーモアにあふれていてシリアス一辺倒で重くなることもありません。
読んでいる内に吹き出すこともあるでしょう。
爽快で迫力あるバトルをぜひ楽しんで下さい。
大学に勤める父親と二人暮らしで暮らす高校生の京一の日常は、ある日、突然、非日常へと変わる――。
チルドレンと呼ばれる、己の中に異能の能力者の人格を持つ登場人物達の、息もつかせぬバトルアクションです。
異能は個人ごとに能力が異なり、勝負は二転三転し続け、最後まで勝敗が全く読めません!
なぜ、異能を持っているのか。
異能に与えられた名前の意味は。
彼らの過去には何が隠されているのか。
そして、タイトルともなっているサイコガーデンとは……?
作者様によって巧妙に散りばめられた数々の伏線が、読者を掴んで放しません!
「週刊少年漫画のような物語を」と作者様自身がおっしゃっているように、引きが巧みで、毎話「続きは――!」と叫んでしまいそうになります(笑)
ぜひご一読を! オススメです!
作者様の作品はほとんど拝読しておりますが、この作品は「突然変異」とも言える内容です。
息もつかせぬ強烈な超能力バトル、チルドレンの背負った過酷な運命……どれも温厚で柔和な関川さんからは想像できないような設定。
けれど、その中に、仲間との絆や不屈の精神が巧みに織り込まれており、手に汗握る展開にどうにもページを捲る指が止まりません。
他の方もレビューでおっしゃっているように、アニメや漫画の世界のように、脳裏に各シーンが映し出されるような感覚です。
小説という文章主体の手段ではなかなかここまでの臨場感は保てないと思います。ほんとうに凄い!
最後、どの場所へ物語が終結するのかまったく予想がつかず……続きが楽しみです!
作者さまの作品は初めてとなりますが、その世界観にどっぷりはまりましたので、連載中ですがレビューを書きます。
こちらの作品の特徴は、スリリングな展開が細かく視点が代わりながら進むため、とにかく戦闘が始まったらスピード感溢れる中で息を飲んで読むことにあります。
この感覚は、まさに作者さまが説明されている通り、マンガの仕掛けに近いものがあります。ただし、マンガと違うのは、登場人物たちの背景が、小説ならではの手法できちんと描かれている点です。
少しずつ明らかになっていくストーリー展開ですが、明らかになるにつれて戦闘も激しくかつスリリングになる手法は、まさに脱帽ものでした。
これらの、マンガと小説の手法を掛け合わせた展開を可能しているアイデアが、まさにタイトルにありますサイコガーデンです。
最初は何だろうと強烈な興味を持たされますが、その全貌が見えてきた時、アイデアの素晴らしさに感嘆すると思います。
素晴らしい世界観、スタイリッシュでスリリングなバトル、一筋縄ではいかない登場人物たちのドラマなど、多くの読みごたえのある作品、ぜひ一読をオススメします。
サイコガーデンの意味がわかった時、みなさまもきっと衝撃を受けてハマると思います!!
「ファーザー」と称される謎の組織に育てられた「チルドレン」たちが主人公。彼らは特殊能力を有していますが、そのうちの1人である京一は子供の頃の記憶を失っています。
迫力ある動きのシーンと「サイコガーデン」と呼ばれる精神世界の情景が交互に現れ、読んでいて飽きることがありません。
精神世界といっても決して静謐な場所ではなく、暴力や死の象徴、解釈を要するアレゴリカルな要素が散りばめられ、作者様は少年漫画のイメージを目指しておられるとのことですが、どんな年代でも楽しめるエンターテイメントとして成立しています。
第2部の途中ですが、戦いが白熱し目が離せなくなってきたところです。ぜひ一読をお勧めします♫
大人が読みたいエンタメ小説。このお題に挑まれた物語が今作です。大人と定義する以上、単なる絵空事やご都合主義のストーリーであってはならないのでは、と思料します。ではファンタジーは論外なのかと問われれば、否と即答します。一見矛盾しているようですが、根本が違うのです。
その線引きのひとつが、リアリティにあると考えます。リアリティは、事実でなくても構いません。ようはいかに現実味を帯びて語れるか、ではないでしょうか。今作は超能力者たちの戦いを中心に、主人公である京一の能力者としての覚醒、成長が主題です。謎が謎を呼びながらも、話数が進むにつれて読み手はドンドン物語に引き込まれていきます。それは超能力という絵空事を駆使しながらも、京一や登場人物たちの内面についてもしっかりと描かれ、それこそ大人が読むに堪えうる、むしろ続きを早く読みたいと思わせる書き手の技量が大いに物を言っているからなのです。
まだ物語は中盤戦であろうと思いますが、あえて拙いながらもここでレビューさせていただくことによって、多くのかたに早くこの物語をご覧いただきたいと痛切に願っております。
面白い! これが正直な気持ちです。いったんご覧になり始めたら、もう止まらないと確信いたします。これぞ大人が読みたいエンタメ小説です。
始まりから、なんだこれ? と惹きつけさせ、謎を散りばめて読者を離さない独特の構成がすばらしいです。
能力バトルの際の表現力も非常に高く、能力を発揮しているときの感覚が容易に想像できるほどリアルでした。
どこまで読み進めても次はどうなるのだろうという気持ちにさせられ、しかも視点が一話単位で変わるので、各登場人物たちの位置が現在進行でわかりやすい。だけど、この視点切り替えが「あ~この先を知りたいのに……でもこっちの展開も気になって……」といった感じで、もったいぶらせている要因でもあり。。。まるで作者様の手のひらで転がされている気分(^^;)。
文章はとても高いけど小難しくなくて読みやすく、内容も大人向けだけどとっつきやすい、誰もが楽しめるエンターテイメント小説です。
優しさに溢れた温かい作品を数多く書かれている作者様ですが、この作品はまさに一線を画す作風の逸品!
硬質でクールで、バイオレンスで緊張感満載。
作品の持つ不思議な世界観にあっという間に引き込まれてしまいます。
主人公は京一と芳春という二人の青年。
彼らには共通の記憶がありますが、京一の方はそれを全く覚えていませんでした。
ところが、ある日突然芳春は京一の父で大学教授である夏雄に襲いかかり、芳春の恋人春美が京一を襲撃します。
闘いの中で京一の意識の中に甦る【サイコガーデン】、そして「ファーザー」と呼ばれる夏雄の本当の姿はこれから全貌が明らかになろうとしているところ。
京一や芳春と同じ能力を持つ「チルドレン」と呼ばれる人間達も絡み合い、誰が敵で誰が味方かわからないことも否が応でも緊張感を高めています。
週刊少年誌の連載を追うようなドキドキ感をぜひ皆さんもお楽しみください(^^)
幼いころ、「ファーザー」と呼ばれる組織に「何か」の実験台にされた子供たち。
その中のひとり、成長した芳春が復讐劇の幕を開ける――。
芳春と行動を共にしていた春美、何も知らない京一の出逢い。「ファーザー」夏雄の思惑。
そして、「サイコガーデン」の扉に封じられたモノたち。
謎が謎を呼ぶ展開に目が離せません。
現在は、第二部が盛り上がってきたところで、まだ詳しいことが明かされていない「チルドレン」たちとの熱いバトルが炸裂しています。
毎週土曜日更新の週刊連載。
来週が待ち遠しくなる「ヒキ」が見事なので、是非、連載を一緒に追っていただきたい作品です。
エンタメ性が高く、幅広い読者層に受け入れられるであろう作品。
ローティーンはその危険な香りに惹かれ、
ミドルティーンは自分の中に眠る力を錯覚し、
ハイティーンは物語自体の虜になる。
アダルトやシニアは物語に隠された罠を見抜かんと奔走し、
やがて一つの結論に達した時、それがそもそも罠であった事にアドレナリンの分泌を抑えられず、次だ、次の話だと手を進めてしまう。
アニメや小説に馴染深い日本人の大好きなテーマで書かれており、その意味ではあらゆる期待を裏切らない正統派の活劇とも言える。
しかし幾つもの推敲を重ねて送り出された各話には、必ず何かしらの謎と答えが隠されており、アクション好きのみならずミステリ好き、SF好き、ホラー好きの読者にも楽しんでもらえるオールラウンドで通用する作品だ。
この時期にレビューをした意味は一つ。
ヒロインの登場で、またしても期待値が膨らんだからに他ならない。
地の底から這い上がり復讐を成さんとする主人公のダークなパトス。
ゆっくりと、そして更なる期待に胸膨らませながら楽しみましょう!