超能力バトルの概念を覆す、まったく新しい物語が始まってますぜ!

大人が読みたいエンタメ小説。このお題に挑まれた物語が今作です。大人と定義する以上、単なる絵空事やご都合主義のストーリーであってはならないのでは、と思料します。ではファンタジーは論外なのかと問われれば、否と即答します。一見矛盾しているようですが、根本が違うのです。
その線引きのひとつが、リアリティにあると考えます。リアリティは、事実でなくても構いません。ようはいかに現実味を帯びて語れるか、ではないでしょうか。今作は超能力者たちの戦いを中心に、主人公である京一の能力者としての覚醒、成長が主題です。謎が謎を呼びながらも、話数が進むにつれて読み手はドンドン物語に引き込まれていきます。それは超能力という絵空事を駆使しながらも、京一や登場人物たちの内面についてもしっかりと描かれ、それこそ大人が読むに堪えうる、むしろ続きを早く読みたいと思わせる書き手の技量が大いに物を言っているからなのです。
まだ物語は中盤戦であろうと思いますが、あえて拙いながらもここでレビューさせていただくことによって、多くのかたに早くこの物語をご覧いただきたいと痛切に願っております。
面白い! これが正直な気持ちです。いったんご覧になり始めたら、もう止まらないと確信いたします。これぞ大人が読みたいエンタメ小説です。

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