ソ連崩壊後の現在、社会主義国家としてまた経済大国としてアジアに君臨する中国。その国へご主人さまの赴任に伴い、ご家族で滞在されていたころのエッセイです。これは読まねば絶対にもったいない、そう思い、まだ完結ではありませんがご紹介させていただきます。文章力、描写力、そして表現力に定評のある桜井さま。とにかく面白く、ためになり、考えさせられます。わたしたちと同じアジア人でありながら、文化がこうも違うのかと驚きを隠せません。色々と問題は多い国です。でも住まうひとたちは、わたしたちと同じ血が通っていることを教えてくれます。このエッセイのタグに、「喜怒笑楽」とあります。「哀」がありません。これも素敵なことだと思います。異国の地であれば、楽しいことばかりではありません。でも桜井さまはあえて「哀」に関わる事柄をのぞいて書かれています。お読みになったかたと、「これは喜ぶわよね」「これは怒ってしまうわよね」「これは笑っちゃうでしょ」「こんな楽しいこともあるの」と一緒になって書かれたエッセイを楽しんでおられるのだなあと感心しきりです。山盛りのエピソード。そのどれもが新鮮です。面白いのです。まだまだ抽斗にはたくさんのエピソードがありそうです。ぜひご覧になってください。お時間をけっして無駄にはさせない渾身のエッセイです。
『中国はチャーハンとパンダの国。
餃子も焼売もあるよ』
こんな明るい会話から始まる、著者一家の海外赴任生活。
確かに、中国はパンダのイメージ。
可愛い赤ちゃんパンダが沢山いるイメージですよね。美味しい中華料理の本場でもあります。
でも現在は観光だけではなく、政治的なイメージも強いのでは。
春節の爆買いも毎年話題にのぼります。
中国が大好きな方には勿論ですが、報道のイメージが先行し中国が苦手な方にも、私のように中国に行ったことのない方にも、このエッセイを読むと中国に興味がわいてくる。
面白可笑しいリアル中国です。
是非お楽しみ下さい。
小説の概要にあったものが私の中国に対するイメージの大半を占めているのですが(あとはマスメディアの語る政治的な部分)、主婦というミクロな視点での中国ってどんな感じなんだろうと興味を抱いて、読み始めると……。
開始早々――チャーハンとパンダの国で、子供たちへの説明を終えるとは( ̄m ̄〃)ぷぷっ! と中国とは関係ないところで一笑。
そして……不動産会社選びが重要という回で、「これってホント重要じゃんっ」と前のめりになりました。壊れる家って! 配管にガムテープってっ!
更にはお米を持たせる郵便局員やら、伴侶の意味の『愛人』やら、歩道が殺人現場のように血まみれやら、客追い出す従業員やら、キッチンからタイタニックばりの噴水やらと、「ちょっと、自分は中国だめかも」なんて思ったりもしたのですが……。
席を譲る若者たち――。いいじゃん、中国っ! と単純な私です。
あの、笑ってもいいんですよね? では失礼して――ワッハハハッ(≧▽≦)
マスコミ報道は中国政府の動きが中心になるので、特に今はギスギスしたものになりますよね。それが嫌中感情を醸成するし、向こうも抗日報道をするから反日感情が醸成されてしまう。それは互いに不幸な事で、この作品は相互理解を進める上でも貴重だと思います。
私自身は、約30年前に学生の貧乏旅行をし、今は偶に仕事で訪中しますが、赴任したことは有りません。出張中に眺める中国は上っ面だけです。
30年前、自分は何て裕福なんだと思いました。今は、貧乏だなぁと思います。日本人の私が変わったわけでなく、中国人が急速に裕福になり、追い抜かれてしまいました。
変化が急であれば、弊害も出るでしょう。弊害にばかり目を向けるのではなく、それらを断片的にしろ、庶民目線で情報発信していくことは重要だと思います。私も中国に関するエッセイを書いてみようかと思いました。