タイトルを見て、「なんて挑戦的なのでしょう」と思わず目を瞠ります。もちろん読み手側への挑戦ではありません。ひとつの物語としての、という意味です。「愛」なる言葉は誰もが好みます。一方「ドブ」に対するイメージはいかでしょう。目を背けたくなる対象ではないでしょうか。相反する言葉をタイトルにされた今作は、鋭利な刃物のように胸に刺さります。企画物でありお題に対して描かれた作品ですが、わずか500文字程度にも関わらず、いえ、短い文章だからこそ名刀が一閃し斬られたことに後から気づく。そのような感想をいだきます。お奨めいたします。