まさにハイブリッドな現代ファンタジーですぜ!

まずタイトルの「『』」からして、そそられます。いったいどんな意味があるのか?
主人公の“俺”は男子高校生。彼が憧れる超美形の先輩天照宛南は、〈無傷の秘剣〉の使い手。
何の因果か彼らは怪異と遭遇し、謎を解いていきます。これだけでも充分面白さを期待できるのですが、さらに物語を盛り上げてくれるのが、宛南に心酔している女子高生の犬飼宵子と、雷獣キノ神なる化け物。
荒唐無稽なファンタジーと思いきや、きっちりとした土台がリアリティを醸し出し、読み進めるうちに登場人物に感情移入していることに気づきます。
ファンタジーにミステリーや伝奇が絡み合い、珠玉の一品として万人にお薦めできます。
個人的には、「よい子」がとてもいい味を出していると思います。ヘロヘロの弓矢がなんとも言えず面白いのです。
秋の夜長に、ぜひご覧になってください。

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