こんなラストシーンに出会いたかった、と思わせる傑作ですぜ!

結論から申し上げますと、「webではなく、装丁された書籍として読みたい物語」が今作です。
セフレ。この言葉がどういう意味を持つのか。物語の重要なキーワードです。ただ単なるオトナ女子向けの昼ドラとは、大きく一線を画しています。
主人公の瞳子が、六歳年下の大学生、礼隆と出会ったことによりお話は進んでいくのですが、ここからの瞳子の感情の変化が実に見事に描かれていきます。カクヨム界きっての技巧派の文体は、今話においてもいかんなく発揮されており、豊かな表現力でストーリーを盛り上げていきます。
そしてもう一人の重要な登場人物である越川との巡り会いで、瞳子の行く末がどのように変化していくのかも見ものです。
張られた伏線もお見事です。これで礼隆の立ち位置がより鮮明になっていきます。
まさかのラストシーン。ここで感情を揺さぶられたのは、わたしだけではないでしょう。
「純情と激情」のタイトル通り、人の心を奥深くまで描いたこの物語は決して後悔させないと断言いたします。

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