絡み合う謎に包まれたミステリーでありながら胸を打つものがありました
- ★★★ Excellent!!!
閉ざされた空間の中で起きる連続殺人事件。初めて顔を合わせた十数名の登場人物たちは、ハンドルネームで呼び合うチャットグループのメンバーでした。お互いのハンドルネームを明かすのを禁じた状況は、読み手に更に謎を与えます。
登場人物や状況の描写がとても丁寧でありながら、スピード感のある展開で次々と読ませていただきました。
この物語は「難事件が起こり見事に解決された」という説明だけでは足りない多面性を持っています。
もう少しこの世界に止まりたいと思いつつ、不思議と静かで暖かな気持ちとともに最後のページを閉じました。