運命のいたずらが巡り合わせる悲しい殺人事件の結末とは……
- ★★★ Excellent!!!
SNSで知り合った男女がオフ会を開き、舞台のペンションで殺人事件が発生するというクローズドサークルです。
偶然発生した事故になるのかと思えば、それがやがて殺人事件に発展する……その経緯に至るまでの流れが良かったです。適度な間隔の中でお話が進むため、あっという間に作品の世界観へ引き込まれます。登場人物たちも個性的な人ばかりで、事件が起きた時の仕草や言動なども細かく描かれています。
また推理編となるラストで犯行動機を知った時、「犯人は悪くない、悪いのは被害者だ」と感情移入してします場面がありました。殺人を擁護することはあってはならないのですが、私も犯人のような立場だったら同じことをしたかもしれない……そう思ってしまうほど、作者さまの作品に対する情熱や熱意に脱帽してしまいました。
そして『ミックスベリー殺人事件』を読んで、本当の「悪」とは一体何なのかと改めて考えてしまう場面もあります。まさに表裏一体とも呼べる「正義」と「悪」の本当の意味について、作者さまが読者へ問いかけているような気持ちになりました。
人間心理・膨大な知識量・テンポよく流れるストーリーなどの魅力が凝縮されている、私が自信を持っておすすめ出来るクローズドサークル小説です!