概要
鮎は泉田の親友・敷島哲とともに事件の謎に迫るうち、泉田の他にも四人の高校生がジャンピング・ジャックからのメールを受信した直後に転落死していることを突き止める。
ジャンピング・ジャックのゲームとは何なのか? そして、高校生の連続転落死事件の真相は? 若者たちが疾走し、暴走し、迷走する青春ミステリー!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読了すると、事件の構図に納得してしまう。
登場人物の仕草、言動が少々誇張し過ぎでは?、と感じる部分が幾つか有ったのだけど、それが事件解決のヒントだったんだ、と読了後に納得してしまう。推理小説作家エラリー・クイーンっぽい書き方だったんだ、と感心しました。WEB小説にしては凝ってます。
本題には無関係な事を書き連ねると、
何故ヒロインを胸ペチャと設定したのか? 巨乳の友人に協力させるため? 巨乳の友人は、密かに優越感から協力していたのか?
或いは、ヒーローは本当に待受画面の人物に心を寄せていたのか? そんなキャラだから、ヒロインは胸ペチャなのか?
みたいに、くだらぬ点に注意を払うと、結構楽しめます。 - ★★★ Excellent!!!おじさんは、ガラケーを“パカパカ”と呼んでいたんだ
センスの滲み出るコピーに惹かれ、一気に読み切ってしまいました。
気づいたら朝5時半。
読みやすく、情景が思い浮かべやすい文体のおかげで、物語へ没入することができました。
ぼくはミステリを推理しながら読むことがないので、トリックの巧拙についてはよくわからないのですが、単純に青春モノとして見ても面白い。
ぼく自身は女子高生だったことはないし、これからなることもないのでアレなんですけど、鮎の敷島に対する微妙な感情の揺れが丁寧な文体で表現されていて、もう本当にアレでした。
戻りたい、青春に。
これは作者が狙ったことかどうかはわからないんですけど、この「あまずっぺぇ〜」みたいなの、二人の持つ時…続きを読む - ★★★ Excellent!!!転落する高校生の後ろに立つ、謎のジャンピング・ジャックを追え!
登校中、あろうことか同じ学校のサッカー部エース、泉田秀彦がマンションの窓から落ちていくシーンを目撃してしまった川原鮎。
一連の騒ぎの中、彼女は泉田の携帯へ謎のメールを送っていた“ジャンピング・ジャック”との対決を決意することに。
まず感じたのは構成力の高さです。1話読んだ直後、ごく自然に2話めを読み始めてしまいました。
一人称による軽妙な文章運びと、それこそページをめくるごとにひとつずつ物語が解き明かされていくワクワク感、この「筆の引力」はすばらしいのひと言。
そしてすべてのカギになるジャンピング・ジャックですよ!
死んだ泉田君を追う中で浮き彫りになってくる、彼と同じように転落死した他…続きを読む - ★★★ Excellent!!!【ネタバレあり】橋によって繋がれるもの。
レビューの中に、この作品の真相に触れる部分があります。未読の方はご注意ください。
mikio氏による『あゆてつシリーズ』の第一作目『ジャンピング・ジャック・ガール』は、ヒロインである川原鮎があさ登校するためにある「橋」を渡る描写から始まる。
すでに本作を読み終えた方はこの「橋」が本作における重要な舞台になっていることはご存じではあると思いますが、まずこの「橋」の役割について考えてみたい。
橋とはそもそも低地や川などにより隔てられた場所と場所とを繋ぐために架けられるものだが、この作品ではかなり明示的に日常と非日常とを架け渡す役割をあたえられている。
日常と非日常。こっちがわとあっち…続きを読む - ★★★ Excellent!!!跳び立つ理性、並び立つ理解、聳え立つ謳歌を奏でる、暗黒青春ミステリー!
いやぁがんばりました!
オマエ程度の一介の読者風情がなにを頑張ったんだよって意見はごもっとも!
だけど聞いてくれ!
このジャンピング・ジャック・ガールのタイトル!
読後にタイトルに立ち返ってみたくなる本作を、リスペクトしてというかね。
その意味を今一度省みてね。噛み締めたくなる当時の機微を、このレビューの題で表現しようとした涙ぐましい努力の結晶がコレなんです!
結果から言えばまぁ無謀だったんだけれども。
総文字数約十一万文字パワーにたった三十五文字でなに立ち向かってるんだと物量的な見地からも一度は我に返ったけども、
それでもなんとかと捻り出しました!
このレビューを読んだ人はこのお題目…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人は、ひとりではコーヒーも飲めやしない。
学園、ボーイミーツガール、連続飛び降り事件、青春。
この物語は、終始、川原鮎という少女の視点で語られるのですが、それでもキャラクター一人一人に、光と陰の深い物語があります。
なぜこの人はこんなことを言うのか?
なぜこの人はこんなことをしたのか?
それぞれのキャラが独自の悩み、独自の人間性を持っている。
主人公も語り部も川原鮎、彼女こそ読者の視点となるのですが、深く練られたキャラたち一人一人が生きている。
良くも悪くも人間臭い、個性あるキャラたちは、群像劇を読んだような読後感を与えてくれました。
長くなってしまいましたが、台詞回しやトリック、どれを取っても素晴らしいミステリーでした。続…続きを読む - ★★★ Excellent!!!意外な真相! 奇々なる連続飛び降り自殺の謎に迫る!
遅ればせながら拝読しました★
非常に面白かったです!
読み始めて一気読みに近い形で読了しました。
高校生の連続飛び降り自殺事件に隠された謎に挑むのですが、まず状況が自殺でも他殺でも疑わしい、実に謎多きシチュエーションが光っています!
意外な結論を迎え、さらにはどんでん返しと、読者の期待を次々に良い意味で裏切り驚嘆致しました。
最初は意味が分からなかった伏線も、しっかりと回収され、最後には意味を為します。
凄惨な事件にも関わらず、意外にもスッキリした読後感。
もっと早く読んでおけば良かった、というのが率直な感想です。
すでに多くの方が絶賛されているので、私から改めて魅力を語るまでもない…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ミステリーとしても、青春物としても素晴らしい!!
この物語は、川原鮎という女子高生が飛び降り自殺を目撃するところから始まります。
取り調べを受けた彼女は、そこでとある名前を聞きます。
それは、ジャンピング・ジャック。
そして鮎は、この町で連続している自殺事件に、ジャンピング・ジャックが関係している事を知ります。
自殺事件の謎を追っている男子生徒、敷島哲と出会い、彼女はジャンピング・ジャックの正体を追います。
明かされる残酷な真実の果てに、鮎はどんな答えを出すのか―――――。
『ジャンピング・ジャック・ガール』という物語は、ミステリー小説でありながら同時に青春物語としても完成度が高いです。
カクヨムでは結構珍しい本格的な推理…続きを読む