転落する高校生の後ろに立つ、謎のジャンピング・ジャックを追え!

登校中、あろうことか同じ学校のサッカー部エース、泉田秀彦がマンションの窓から落ちていくシーンを目撃してしまった川原鮎。
一連の騒ぎの中、彼女は泉田の携帯へ謎のメールを送っていた“ジャンピング・ジャック”との対決を決意することに。

まず感じたのは構成力の高さです。1話読んだ直後、ごく自然に2話めを読み始めてしまいました。
一人称による軽妙な文章運びと、それこそページをめくるごとにひとつずつ物語が解き明かされていくワクワク感、この「筆の引力」はすばらしいのひと言。

そしてすべてのカギになるジャンピング・ジャックですよ! 
死んだ泉田君を追う中で浮き彫りになってくる、彼と同じように転落死した他の高校生の存在。
彼らとジャックの関係は? ジャックの目的は? そもそもジャックの正体は? 

最後まできっちり物語を引っぱってくれる強力な存在感、まさにミステリの真髄を味わわせくれる名敵役なのです。

おもしろいミステリが読みたいなら迷わずこれ! お勧めです。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)

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