ジャンピング・ジャック・ガール

作者 mikio

302

111人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

登場人物の仕草、言動が少々誇張し過ぎでは?、と感じる部分が幾つか有ったのだけど、それが事件解決のヒントだったんだ、と読了後に納得してしまう。推理小説作家エラリー・クイーンっぽい書き方だったんだ、と感心しました。WEB小説にしては凝ってます。

本題には無関係な事を書き連ねると、
何故ヒロインを胸ペチャと設定したのか? 巨乳の友人に協力させるため? 巨乳の友人は、密かに優越感から協力していたのか?
或いは、ヒーローは本当に待受画面の人物に心を寄せていたのか? そんなキャラだから、ヒロインは胸ペチャなのか?
みたいに、くだらぬ点に注意を払うと、結構楽しめます。

★★★ Excellent!!!

センスの滲み出るコピーに惹かれ、一気に読み切ってしまいました。
気づいたら朝5時半。

読みやすく、情景が思い浮かべやすい文体のおかげで、物語へ没入することができました。

ぼくはミステリを推理しながら読むことがないので、トリックの巧拙についてはよくわからないのですが、単純に青春モノとして見ても面白い。

ぼく自身は女子高生だったことはないし、これからなることもないのでアレなんですけど、鮎の敷島に対する微妙な感情の揺れが丁寧な文体で表現されていて、もう本当にアレでした。
戻りたい、青春に。

これは作者が狙ったことかどうかはわからないんですけど、この「あまずっぺぇ〜」みたいなの、二人の持つ時代遅れの“ケータイ”のせいもあると思うんですよね。
ぼくたちおじさんは、高校時代携帯っつうとアレでしたもんね。パカパカ。懐かしい。

そういうわけで、ぜひとも青春を失った30代前後のくたびれた大人たちにこそ、この作品をお勧めしたい。
ぼくはそう思います。

★★★ Excellent!!!

読んだのはずいぶん前なんですが、アカウント登録したので改めて読み直しました……という書き出しの文章を放置することさらに一年。光陰矢の如し。ゴーイング・マイ・ウェイ。いまさらながらレビューを投稿させていただきます。


【警告】以下、ネタを割りますのであしからず。


さて、再読して驚かされたのが、登場人物の命運を決定づける演出の周到さでした。

まず、主人公・川原鮎が同級生・泉田秀彦がマンションから転落するのを目撃する――というのが本作の冒頭ですが、ここで注目したいのは、この二人の挙動がシンクロしていることです。

詳しく述べましょう。後に判明するように、このときの泉田は犯人によってホイール付きの椅子に座らされ、窓際まで運ばれています。そして、地面に落とされる。

この挙動はそのまま、「自転車」で通学中、事件を目撃したがために、自転車を降りざるを得なくなる鮎の挙動とシンクロしています。つまるところ、このシーンで鮎は泉田とシンクロすることで疑似的な死を経験する――と言ってもいいのではないでしょうか。

また、男のような長身に、平らな胸――パートナー敷島哲に「本当に女か」とまで言われてしまう鮎の造形は、単なるキャラ付けではなく「顔見知り程度でしかなかった同級生」を、鮎にとっての「分身」にまで昇華させるため設定されたものでしょう。癖毛とウェーブヘアという対称性も偶然ではないはずです。

ミステリファンならばお馴染みの通り、素人探偵の動機付けというのはなかなかに厄介な問題です。もちろん本作でもそれらしい動機がキャラクターの口を通して語られはするのですが、それとは別に、こうしたかたちで鮎が事件にかかわる必然性を保証しているように思えます。

尤も、泉田とのシンクロは物語の半ばにおいて解かれることになります。

泉田のマンションでの「現場検証」中、敷島の待ち受け画面(=泉田)を見てし… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

冒頭から突然起こる奇妙な飛び降りから、早速ひきこまれてしまいました。
そこから少しずつ起こった事件の詳細は分かっていくものの、終始謎に包まれているジャンピングジャックが、物語を飽きさせることなく付きまとってきます。
最後まで読者に真実が説かれないように工夫されていて、読み終わった後も納得のオチ。
レベル高い!
あと「あいつを殺してジャンピングジャック」っていう言葉が、語呂も良くてインパクトもあって、すごいと思いました。

★★★ Excellent!!!

登校中、あろうことか同じ学校のサッカー部エース、泉田秀彦がマンションの窓から落ちていくシーンを目撃してしまった川原鮎。
一連の騒ぎの中、彼女は泉田の携帯へ謎のメールを送っていた“ジャンピング・ジャック”との対決を決意することに。

まず感じたのは構成力の高さです。1話読んだ直後、ごく自然に2話めを読み始めてしまいました。
一人称による軽妙な文章運びと、それこそページをめくるごとにひとつずつ物語が解き明かされていくワクワク感、この「筆の引力」はすばらしいのひと言。

そしてすべてのカギになるジャンピング・ジャックですよ! 
死んだ泉田君を追う中で浮き彫りになってくる、彼と同じように転落死した他の高校生の存在。
彼らとジャックの関係は? ジャックの目的は? そもそもジャックの正体は? 

最後まできっちり物語を引っぱってくれる強力な存在感、まさにミステリの真髄を味わわせくれる名敵役なのです。

おもしろいミステリが読みたいなら迷わずこれ! お勧めです。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)

★★★ Excellent!!!

レビューの中に、この作品の真相に触れる部分があります。未読の方はご注意ください。





mikio氏による『あゆてつシリーズ』の第一作目『ジャンピング・ジャック・ガール』は、ヒロインである川原鮎があさ登校するためにある「橋」を渡る描写から始まる。
すでに本作を読み終えた方はこの「橋」が本作における重要な舞台になっていることはご存じではあると思いますが、まずこの「橋」の役割について考えてみたい。

橋とはそもそも低地や川などにより隔てられた場所と場所とを繋ぐために架けられるものだが、この作品ではかなり明示的に日常と非日常とを架け渡す役割をあたえられている。
日常と非日常。こっちがわとあっちがわ。此岸と彼岸。言葉はなんでもいいが、何やらあっち側の世界ではこっち側の世界とではまったく違うシステムで世界が動いているようだ。

第1章で鮎は橋を渡り終え交差点に入ろうとした瞬間「軽トラ」にはねられかけ自転車に急ブレーキをし事なきを得るが、そのために同級生である泉田秀彦の落下を目撃し、以後亡き親友の死の謎を探る敷島哲と共に非日常の事件の渦の中に入っていくことになってしまう。

ここで鮎の兄である流がサッカーの道をあきらめ五十海に帰ってくることになってしまった原因を思い出してもらいたい。流は進学先で白い「軽トラック」にはねられ足に重い障害を負うことになる。この白い軽トラックという符合。(本作ではジャンピング・ジャックのメールの送信に使われる白いプリペイド式携帯電話や、坂下亜里砂が飛び降りた後に交換された真新しい室外機といい「白」はなにやら不吉な色として使われている)

また第8章のクライマックスではこの橋の上を舞台に事件を影で操る「真犯人」との対峙。そして異様な雰囲気のなかでの最終的な謎解きが行われるが、これは橋の上という舞台の特性をおいて語ることはできない。

ここで物語と鮎の心は… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

いやぁがんばりました!
オマエ程度の一介の読者風情がなにを頑張ったんだよって意見はごもっとも!
だけど聞いてくれ!

このジャンピング・ジャック・ガールのタイトル!
読後にタイトルに立ち返ってみたくなる本作を、リスペクトしてというかね。
その意味を今一度省みてね。噛み締めたくなる当時の機微を、このレビューの題で表現しようとした涙ぐましい努力の結晶がコレなんです!

結果から言えばまぁ無謀だったんだけれども。
総文字数約十一万文字パワーにたった三十五文字でなに立ち向かってるんだと物量的な見地からも一度は我に返ったけども、

それでもなんとかと捻り出しました!
このレビューを読んだ人はこのお題目も最後に噛み締めてみてください!

あとこのレビューだけじゃなんにも伝わらないでしょうから、
未読の人は本作もセットでどうぞ! よしっ俺はこれが言いたかった!

では本題へ、
先に触れたタイトルへの解釈が味わい深いのはモチロンですが、
それが実は本編中ずっと続きます。嘘でも誇張でもなくガチです。
そしてその次々と乱造される解釈でがんじがらめになった謎が、怒涛の勢いで紐解かれる論理的なカタルシスは特に群を抜いていました。

思い返すとあのナゾとはずっと付きっ切りだったワケですし、
遊んでる気分にさせるコンテンツというよりは、共に遊んでくれるコンテンツという気もしますね。

小説という媒体でありながら、
ともにゲーム性も兼ね備えているというサプライズ。
他にも彷彿とさせる部分が所どころあってソコが個人的に嬉しいところでした。
情報の提示のことごとくがストレスフリーだから尚更ね!

以上がまさに自分が憧れるミステリーの理想形。
それをまた一つ開拓できた想いです。仮に似通った様式で物語を認めるなら、
本作こそが自分の作品の核になってくれた作品であると胸を張って言えると思います。

ジャンピング… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

学園、ボーイミーツガール、連続飛び降り事件、青春。

この物語は、終始、川原鮎という少女の視点で語られるのですが、それでもキャラクター一人一人に、光と陰の深い物語があります。

なぜこの人はこんなことを言うのか?
なぜこの人はこんなことをしたのか?

それぞれのキャラが独自の悩み、独自の人間性を持っている。
主人公も語り部も川原鮎、彼女こそ読者の視点となるのですが、深く練られたキャラたち一人一人が生きている。
良くも悪くも人間臭い、個性あるキャラたちは、群像劇を読んだような読後感を与えてくれました。

長くなってしまいましたが、台詞回しやトリック、どれを取っても素晴らしいミステリーでした。続編もあるそうなので、楽しみです。

★★★ Excellent!!!

遅ればせながら拝読しました★
非常に面白かったです!
読み始めて一気読みに近い形で読了しました。

高校生の連続飛び降り自殺事件に隠された謎に挑むのですが、まず状況が自殺でも他殺でも疑わしい、実に謎多きシチュエーションが光っています!

意外な結論を迎え、さらにはどんでん返しと、読者の期待を次々に良い意味で裏切り驚嘆致しました。
最初は意味が分からなかった伏線も、しっかりと回収され、最後には意味を為します。

凄惨な事件にも関わらず、意外にもスッキリした読後感。
もっと早く読んでおけば良かった、というのが率直な感想です。

すでに多くの方が絶賛されているので、私から改めて魅力を語るまでもないのですが、それでもレビューせざるを得ないほどのクオリティーの作品であることもまた事実なのです。

素晴らしい作品をありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

 この物語は、川原鮎という女子高生が飛び降り自殺を目撃するところから始まります。
 取り調べを受けた彼女は、そこでとある名前を聞きます。
 それは、ジャンピング・ジャック。
 そして鮎は、この町で連続している自殺事件に、ジャンピング・ジャックが関係している事を知ります。
 自殺事件の謎を追っている男子生徒、敷島哲と出会い、彼女はジャンピング・ジャックの正体を追います。
 明かされる残酷な真実の果てに、鮎はどんな答えを出すのか―――――。

 『ジャンピング・ジャック・ガール』という物語は、ミステリー小説でありながら同時に青春物語としても完成度が高いです。
 カクヨムでは結構珍しい本格的な推理小説に、川原鮎と敷島哲という個性的なキャラを加える事で、他にはない読み味の作品になっていると思います。

 しっかりとした構成と文章力は読者をひきつけますし、次々と巻き起こる出来事に、続きが気になってしょうがなくなってしまいます。

 こんなミステリをもっと読みたいと思わせるくらい、素晴らしい作品でした。続編『スクール・マーダー・フェスティバル』も、ぜひ。

★★ Very Good!!

 カクヨムのミステリーは超常現象とかファンタジー要素とか、そうでなくてもミステリーとしては邪道と呼べるような要素があるものが多いという私の勝手な偏見があるのですが、というか私もそういう作者の一人なのですが、この作品は違います。
 ファンタジー要素はなく、伏線はしっかり張られていて、論理的に解決しているミステリーです。それでいて興味が沸くようなストーリーも練られています。こういうミステリーがカクヨムでもっと増えてほしいです。

★★★ Excellent!!!

驚きました。ネット小説でこんな凄いものが読めるなんて!
高いクオリティかつ読みやすい文章。「ジャンピング・ジャック」という読者の興味を惹かれる謎の提示から始まり、被害者や関係者にまつわる人間ドラマや心理描写も巧みですし、徐々に事件の全容が分かって行くさまも非常に上手いと思いました。是非書籍化して欲しい作品!

★★★ Excellent!!!

うわあ。すごい……。
呻くようなこの感想が、まず口から漏れました。

本当に小説らしい小説。
本として手元に置いておきたい、と本気で思いました。

文章や表現力が非常に長けていらっしゃるので、冒頭から引き込まれてしまい、途中で止める事ができませんでした。
ハードボイルドなミステリーなので、主人公と共に事件を推理していく過程が存分に味わえます。

主人公・鮎の人柄が良く、小出しにされる恋愛感情と揺れがたまりません。
無愛想で少しぶっきらぼうな相棒の哲君の優しさには、鮎でなくとも一発K.O.です。

続編が始まったようなので、アユテツコンビの関係を注視しつつも、これからの展開を楽しみにしながら追いかけさせていただきます。

★★ Very Good!!

テーマは本格派ミステリーで、王道の展開でした。地の文章も秀逸でしたが、何かが物足りない気がしました。ライトノベルとしては素晴らしく思いましたが、ミステリーとは相性が合わないのかな、と。簡単に人が死んでしまって迫力に欠けるのかな、驚くようなトリックが欲しかったかな、という点ですね。ライトノベルが好きな方は凄く好きな文体だと思います。主人公が女の子ですし、オススメです。

★★ Very Good!!

ミステリーとして、青春小説として、読むことができる小説、というのが私は好きだ。
この小説は登場人物の心情描写、トリックについてそれほど無理と感じる所はない。推理物過ぎず、青春物過ぎないバランス、これをこの分量で矛盾なく無駄なくまとめられた構成は軽快さすら感じる。犯人については他の方も書かれているがかなり早い段階で検討がつく。しかし、事件の全貌はわからなかった。ぐいぐいと読ませてしまうのは、登場人物の心情が丁寧に魅力的に書かれているからだろう。それ故に、読んでいる最中は、事件と主人公がどう関わっていくのかが、非常に楽しみだった。
事件を通して、主人公がひとつ成長して行くのも良かった。
この物語に描かれる凶器つまり武器は、とても切なくて悲しくて、強い。ネタバレになるので書けないのだが、犯人が武器について語るシーンは胸に来てとても好きだ。

一点、惜しいなと思った所がある。
所々の唐突さだ。
一連の事件について調べた結果は冒頭で一気に羅列するのではなくもう少しシーンを割いて表現してくれた方が推理も事件も機械的には感じなかっただろうし、主人公の最後の行動についてももう少し所々伏線を張ってあった方がすんなり落ちたと思う。

★★★ Excellent!!!

今からこの作品の面白いところを5個挙げます。
・ミステリーとして完璧に練られた構成。
・固すぎず軽すぎず、それでいて読みやすい文章から紡がれる、場面や人物を想像しやすい隙のない描写。
・大胆かつ繊細な矛盾のないトリック
・無駄なく張り巡らされた伏線と、その伏線を余すことなく回収し、明かされる驚愕の真相。
・感情移入しやすい主人公。
・個人的に好きな敷島くんが最後かっこいい。
と、こんな感じで、思わず1個多く挙げてしまうくらい魅力的な作品です。
ミステリー好きはもちろん、ミステリーに興味がない方も楽しめるはず!

★★★ Excellent!!!

これぞ青春! これぞミステリー!
そう声を大にして叫びたい作品でした。

人物それぞれの背景がしっかりと練りこまれていて、その一つ一つが作品にとっても無駄がない。完成度の高さに驚かされました。

ジャンピング・ジャック。
響きまでカッコ良く、それでいて作品の根幹にもなっているとは、mikioさんのセンスは半端ないです……!

今日まで読んできたカクヨム作品の中で一二を争うほど好きな作品です。
あえて飾らずに、白状します。

おもしろかった!

まだの方は、是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

非常に秀逸なライトミステリー。

予備知識も、ミステリーのお約束を何一つ知らなくても、冒頭の数行から物語に入り込める等身大の物語。ミステリー初心者でも安心して飛び込んでほしい一作。

登場人物は色鮮やかに書き分けられており、主人公であり探偵役、そして語り部を担う少女・河原鮎。サッカー部のマネージャーであり、愛想のないワトソン役の敷島哲。他にもクラスメイトや警察官など、その全てが個性豊かに、そしてリアリティをもって描かれている。

主人公の鮎が同級生の転落事件を目撃したことを端に始まる数々のでき事は、全てが僕たちの身に起こったとしてもおかしくはない出来事ばかり。

連続転落死事件、送られてくるメールの謎、SNSの掲示板、ジャンピング・ジャック――数々の謎が少しずつ全体像を描き始める物語の後半、全ての読者が息を呑み、そして読む手を進められなくなるのは間違いないだろう。

個人的に素晴らしいと思ったのは、探偵役の主人公にもしっかりとドラマをつくり、家族――とりわけ兄との確執をえぐいぐらいに描いたところだ。かつて栄光の中にいた兄が、家に引き籠って鮎に当り散らすさまは、見ていて胸が苦しくなった。

そしてワトソン役を必要とした物語のラストも秀逸だった。二人であるということの意味を――『ホームズ』と『ワトソン』の関係を限りなく甘酸っぱく描いてくれた本作は、ミステリーを読んだことがないという方にお勧めできる最高の一作だろう。


キャッチコピーの「あいつを殺してジャンピング・ジャック」の意味を知った時――

必ずあなたは戦慄する!

★★★ Excellent!!!

読んでいて、次が気になった小説は久しぶりです。

この小説の面白さをどう伝えれば読んでもらえるでしょうか?
私の言葉だけでは到底この小説の魅力を伝えきれない。
読めば、ほかの皆さんが絶賛する理由が分かります。
すぐにジャンピング・ジャックがあなたをこの小説の世界に誘ってくれるでしょう。

★★★ Excellent!!!

長身で男勝りな女子高生・鮎ちゃんが殺人事件に巻き込まれるという、もはや言わずと知れたカクヨムミステリーの金字塔。

僕もだいぶ前に読んだんですけど、星入れてなかったんで今入れました(聞いてない)。

さてこの本作、単に事件を追うだけでなく、青春小説(ジュブナイル)としての側面も大きく担っています。
引きこもった兄との家庭内問題、事件を追ううちに仲良くなる男子との疑似的な恋愛、上級生の言いがかり、多感な年頃だからこそのモラトリアム。

ともすれば、事件の謎を追いたい人にはノイズでしかない、無駄な描写に映るかも知れません。
調査の最中に
「なんであんたはそうやって、思い出したように優しくしようとするんだ!」
なんて痴話喧嘩ぶちましちゃうくだりなんて、なーにグダグダやってんだとイライラする人も居たのではないでしょうか。

だがちょっと待って欲しい。
語り手(ワトソン)は主観で話を進行します。常に冷静ではなく、そのせいで情報を誤解したり、見落としたり、逆に運良く証拠を発見したりするわけです。
ましてや女子高生のメンタリティなんてコロコロ変わります。女心と秋の空です。
こらえきれない感情を爆発させるがゆえに、ミステリーにありがちな「話の都合で証拠が出揃う」事態を避けているようにも思えます。

あえて回り道をさせて、その先でひっそり伏線と遭遇させる。読者もヒロインの感情に振り回されているせいで、伏線に気付かないんです。
あとになって「ああ、あれか!」と思い知るのです。

青春小説の殻をかぶり、それすらもミスリードに「悪用」する、したたかな構成。
これこそが、本作の最大のトリックと言えるのではないでしょうか。

★★★ Excellent!!!

 まず最初に、この作品に出会えたことを喜びました。

 そして次に、もっと早くこの作品に出会えなかったことを嘆きました。

 『青春』と『ミステリー』という二つのワードは案外親和性が高いですが、この作品はその要素をさらに高い次元で昇華し、まとめあげられていました。
 しかし本当に凄い部分は、安易な『青春』という言葉を、何処までも痛々しく、瑞々しく、青々しく、そして輝かしく描写されていることです。
 主人公の時に暗い感情も、登場人物の激情も、謎の真相が語る悲哀も、しっかりと描かれながらそれが最後に影を落とすことなく仕上がっていて、読後の余韻にどっぷりと浸ることができます。


 どうか最後まで読んで、『ジャンピング・ジャック』のゲームに奔走してください。

★★★ Excellent!!!

青春とミステリーをはじめて組み合わせた作家は、偉大だと思う。
一見すると、明るくて爽やかな青春というものはミステリーとは縁遠いところにあるような気がするからだ。

しかし、光あるところに影が生まれるように、青春もまた明るくて爽やかな一面だけを持っているわけではない。
無知で無力で青い春を駆け抜ける少年少女は、大人になるにつれて鈍感になっていく“痛み”も敏感に受け止め、まだまだ未発達な定規の中で必死にもがいたり苦しんだりを繰り返す。
大人が聞けば、「そんな些細な話で」と感じてしまうような出来事でも、彼ら彼女らにとってはたった一つの紛れもない現実なのだ。

この物語の中では、そんな些細で重大な、当然のように残酷な現実と戦って生き残るための手段として、ジャンピング・ジャックの存在が仄めかされている。
ときに“操り人形”と訳されることもあるその名前だが、彼(あるいは彼女)に縋った人々は自分の意思でそうすることを選んだのだと思うと、皮肉めいたものを感じずにはいられない。

だって自身を操るのは、いつだって自分ではないか。

無知で無力な少年少女たちは、ときに無知で無力な自分自身に打ちのめされながらも、自分の意思で立ち、自分の足で歩き、そして生き残らざるをえない。
その苦さと、力強さを緻密な文章で描ききったこの作品に、私は最大限の敬意を払いたいと思う。

★★ Very Good!!

まず、ゲームの参加者同士による血みどろ 殺し合いを期待しているなら読むべきではない。これはそういう類の物語ではない。ジャンピング・ジャックという不可思議な存在を追いかける少年少女たちのミステリーであり青春小説である。

読み進めるうちに結末が予想できてしまうのがやや勿体ないが、それを抜きにしても、多感な高校生という存在をみずみずしく描き、ジャンピング・ジャックのゲームの真相を解き明かしていく筆力は素晴らしい。

視覚や心情だけの薄っぺらい描写ではなく、五感をフルに刺激し、臨場感を与えることに成功している。書籍化されていても文句なしの作品である。

★★★ Excellent!!!

姿を見せぬ悪意は人々を蝕み、
狂気は人知れず人々を侵していく。

この物語に、頭脳を武器に闇を払う名探偵はいない。

『ジャンピング・ジャック』

苦しみ、傷付きながらも、
少年少女はその謎と向き合う道を選ぶ。

誰かが気付いたときにはすでに遅く、
真実はただ痛みとなって叩き付けられる。

そんな物語。


久しぶりに読んだ正統派かつ良質な青春ミステリー。
タイトル、キャッチコピーを含めて、
素晴らしいという一言です。

★★★ Excellent!!!

 転落死の謎を解き明かしたい。
 最初は純粋な思いであった主人公の行動は、さまざまな感情が入り乱れて、謎の本質に近づくにつれて別の望みへと変わって行きます。
 そこにある、青春まっただ中の女子高生の、とてもひたむきで切ない思いに、心動かされる読者も多いはず。


 ジャンピング・ジャックとは誰なのか? 事件の真相は?
 一読者として、ああでもない、こうでもないと推測、推理しながら一気に読み進めました。
 読みが当たっていた個所もあれば外れていて大いに驚かされたところもありました。
 まさに作中の人物達と同じように「先入観」は人の目を曇らせるのだと実感いたします。

 とても読みごたえのある作品でした。

★★★ Excellent!!!

「僕は20歳だった。それが人の一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。」――ポール・ニザン『アデン・アラビア』篠田浩一郎・訳

青春とミステリのバランスが実に素晴らしい作品です。
それは決して「おっさんおばさんのかんがえた青春」なんかじゃなくって、本当に高校生だったころの五感まで思い出させてくれるような最高の青春小説です。
もちろん現役高校生の方にもオススメです!

ミステリのほうも、連続転落死事件の謎が絶妙な引きで次々と提示され、ページをスクロールする手が止まりません。センスのいい会話とリアルな描写でぐいぐい読ませる力があって、もはやその巧みさは商業作品レベルだと思います。書籍化されたら絶対買う。
ぜひこれからも追いかけていきたい作家さんです。


最後に頭の悪いこと言うようですが、
これまじでやばい。

★★★ Excellent!!!


「高校二年の夏。あたし、川原かわはら鮎あゆは好物だった喫茶・カントリーローグ謹製ゆるふわエッグバンズを二度と食べることができなくなってしまった」

作者は、この冒頭から飛び降り自殺の凄惨な描写に続く流れだけで、もう十分読者を引き込むか飽きられるかの勝負に勝ってます。こうなるともう、続きを読みざるをえないのです。なんかもう、良かった点がいっぱいあります。

・まずキャッチコピーが秀逸。読む前も秀逸と思ったけど、読んだらまた2倍秀逸。

・怪人ジャンピング・ジャックが提示する意味不明の飛び降りゲーム、共通点の見えない被害者に、屋上の密室……「本当に、こんな不可解な現象に、合理的な説明がつけられるのだろうか?」と終始不安になるほどの謎。読めばこの謎の魅力に引き込まれることでしょう。

・その謎にちゃんと合理的な解明を見せるだけならまだしも、そこにキャラクターの性格や事情を絡め、種明かしにドラマをもたせてる点も評価に値すると思います。そして真相解明編でのどんでん返しまでついているという。

・あと高校生らしい語り口もですが、彼らの切ない事情をドロついた深みにはまらない程度に書いているのも良いですね。あの携帯画面とか。

★★★ Excellent!!!

こういう作品が読みたかった! 実に優れた青春ミステリー。

現段階ではこの作品をコンテスト受賞作に一番推したいです! こういう作品が書籍化されたら世間が「ネット小説」を見る目、すごい変わると思うんですよね!

作品の傾向で言うと、本作は「このミス」の新人賞に見つけられそうなタイプの作品ですね。メフィストほどに個性派でもなく、乱歩ほどにガチガチでもなく。シンプルな謎で気軽に読み進められるけど、続きが気になる展開で実に読ませるエンタメミステリ。前例がないほど驚天動地のミステリーではないけど、ちゃんと読者が謎を追える良い読み物としてのミステリーです。

主人公は、ごく普通の女子高生・川原鮎。

彼女がサッカー部のエース・泉田秀彦の転落死事件を発見したことをきっかけに物語ははじまります。鮎は泉田の親友とともに、事件の真相を探るのですが、やがてそれが奇妙なメールに関わる連続転落死事件であることが判明するのですが――。

主人公の家族やクラスメイト、事件を捜査する警察、サッカー部周りの人々、事件に関わる他校の生徒たち。登場するキャラクターたちもしっかり書き分けられていて、それぞれに何かしらの動機がありそうな雰囲気があります。

敷島哲くんとは正直自分を重ねてしまうよ……。

読者は「あれ? この人が犯人かな」「いや待てよ、この人も怪しいなあ……」「いやいやもしかして自殺か……?」などと真相を考えながら読み進めることができます。

ほんと、書籍化されてていいレベル。新人らしい突飛な個性ではないかもしれませんが、良質な青春ミステリーです。タイトルも実にいい! 「・ガール」の意味が最後にはちゃんとわかります。

映画やドラマ化されてもいいんじゃないかな、と思うくらい登場人物たちがさわやかな高校生たちで、映像的にも映えそう。応援したい作品です!

★★★ Excellent!!!

『ジャンピング・ジャック』の真相を追い求め、迷走する少女。ぐらぐらと揺れる心情も、高校生という年齢ならではであり、事件の真相を追い求める課程も楽しいが、その都度ある主人公である鮎の気持ちの揺らぎもまた楽しみの1つに。

悩んでも悩んでも答えが出ないものは、誰にだって少なからずある。そう思わさせられる作品でした。
一読の価値ありです。

★★★ Excellent!!!

本作品は殺人事件を通じて成長する少女の話である。ミステリーとしての大枠はよく見るタイプの作品であり、また少女が成長するというのもありきたりな話ではあるが、両方のバランスがとてもよく、少女と事件が組紐のように絡まり合う設計の巧みさが読者を引き込んでいく。
さらにこの作品のもう1つ優れた部分として、舞台が緻密に描写されているところをあげたい。SFやファンタジー的なわざとらしさを大胆にそぎ落とし、舞台の中に自然にキャラクターを配置し、話に落ち着きを与えているところが個人的に好みだった。若い人に向けた作品ではあるが、大人の雰囲気も感じさせており、厚みのある作品に仕上がっていると思う。
文体にはやや癖があり、そこだけは気にかかった。もうすこしこなれた筆致になれば、多くの読者を引き込めるかと思う。

★★★ Excellent!!!

凄くしっかりしたミステリーだと思いました。キャラクターや展開の派手さ・大きな驚きなどがあるわけではありませんが、『ジャンピング・ジャック』をめぐる奇妙な謎にガッチリ心を掴まれ、どんどん物語に引き込まれていきます。軽すぎず、重すぎず、良い満足感のある作品でした。それにしても、読了して改めて見ると本当に素晴らしいキャッチコピーですね。