ファンタジー界の京極夏彦

何故この大作が評価を受けぬままに捨て置かれているのか理解に苦しむ。宿業に憑かれたドワーフの剣匠、エルフの迷い家、田舎の名家の確執と暗澹たる風習。山の民を体現するかのような亜人たち。伝奇小説のお約束をしっかと踏んだユニークな登場人物の数々は、奇譚に強い説得力(ファンタジー世界であることは勿論だが)を与えている。必ず書籍化されるべきだし、語り継がれてしかるべき出色の出来だ。

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