概要
にこやかに微笑んで、彼女は言う。
「それじゃあ、私をときめかせてくれたら、付き合ってあげる」
「…………は?」
とりあえず頑張ってみたものの、俺は口説くのが絶望的に下手であった。なのに時雨さんは、放課後毎日、俺に口説くチャンスを与えてくれる。
なんで!? おもしれー男認定された!?
何か抱えたものがありそうな時雨さんとの、友達未満なのに友達のような関係は続いていく。
――そうしてやがて、人の隠しごとには絶対に踏み込みたくない俺にも、踏み込まざるを得なくなるときがやってくるのだった。
ときめきを知りたい女の子は、不器用で、めんどくさくて、かなりの意地っ張り。
口説くのが下手な男の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大好きな君が、大好きな人と笑えるために――不器用で綺麗な、絆の物語
人と人の、愛しく美しい心の触れ合いがたまらない作品です。
主人公・長谷くんは、美少女の時雨さんに好きが全開。
「私をときめかせてくれたら、付き合ってあげる」という時雨さんの条件に、律儀に挑戦しつつも独特なアンサーばかり出してしまう、キュートでじれったいラブコメ感も非常に楽しい……のですが。
本作の真骨頂は、時雨さんが抱える悲しみを巡る「絆の結び直し」にあると感じます。
君が大好きだから、自分の恋人にしたい――だけでなく、それ以上に。
大好きだから、心から幸せでいてほしい、君の大切な人と笑い合ってほしい。
巧くも狡くもなれないけど、愚直に優しく。純粋な願いで歩む長谷くんが眩しくて、けど不…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「誰でもいい」から「この人がいい」になるまでのお話。
※事前にレビューで知っていても影響は小さいと思いますが、念のため、途中の回で明かされる設定のネタバレを含んでいます。
人と関係を深めることに逡巡があり、「『恋』ができる気はしないから、せめて『ときめき』を教えてくれる人なら、誰でもいい」という縋るような思いを抱えていた女の子が、「『恋』を教えてくれた、この人がいい」と思えるようになるまでの物語です。
人間関係に面倒を抱える自分をそれでも「好き」と肯定してもらえること、そんな相手を徐々に理解していくことに喜びを見いだし、受け取ったものと同じ想いを自分からも返すようになっていくプロセスは、少し懐かしい時代の青春アイドル映画のようでもあります。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ときめきとやさしさに満ちたラブコメ(ときどき女×女の巨大感情)
好きな女の子に、「ときめかせてくれたら、付き合ってあげる」と条件を出された男の子が、ぽんこつムーブしながらがんばるお話です。
超弩級にめんどいヒロインが、気づかないうちに好きになっていく不器用なすがたはとても可愛い…!
主人公くんは慣れないことをするせいで、空回りしたり、(読者からの)好感度が下がったりと踏んだり蹴ったり。
しかし、あちゃ~というレベルの失敗ばかりなのでむしろほほえましい。
登場人物たち一人ひとりが相手を思い合って行動しているので、この物語はやさしさに満ちています。
だけどメインふたりは基本不器用なので、すれ違ったり、意地をはったり、発想が斜め上だったりと七転八倒していま…続きを読む