その恋が終わるとわかっていても、好きなままでいられますか? 蒼山皆水
僕――橘田柾人(きったまさと)には、恋の終わりが見える。
他人の頭上に、恋人と別れるまでの日数が表示されているのだ。
僕は、恋なんてくだらないと思いながら、クラスメイトの七里梓帆(ななさとしほ)に片想いをしていた。
しかしある日、彼女の頭の上に数字が現れて、恋人ができたことを知ってしまい――。
【登場人物】
橘田柾人(きったまさと) 主人公。ネガティブ。
七里梓帆(ななさとしほ) ヒロイン。ちょっと変人。
日野脩平(ひのしゅうへい) 柾人の友達。イケメン。いいやつ。
小野屋佳月(おのやかづき) 梓帆の友達。保護者。
目次
完結済 全36話
更新
- プロローグ
- プロローグ
- 第1章
- 1.くだらないと思っている恋を、僕はしていた。
- 2.僕ほどつまらない人間は、なかなかいないと思うよ。
- 3.どうしようもないのに悩んでることくらいある。
- 4.どうして、恋というやつは、こんなにもままならないのだろう。
- 5.一方的に好きでいるだけの恋は、たまにつらくなるけれど。
- 第2章
- 6.好きな人に好きになってもらえれば、それだけでいい。
- 7.まだ彼女に恋をしているらしかった。
- 8.僕と彼女は共犯者になった。
- 9.心に焼き付いてしまった。
- 10.心の奥の方が、くすぐったく感じた。
- 11.その恋はひっそりと静かに咲いていた。
- 12.胸のあたりがちくりと痛んだ。
- 13.思っていたよりも、人は恋をしていた。
- 第3章
- 14.彼女は意外と、隠しごとが上手いのかもしれない。
- 15.かなり重症だ。
- 16.すべてなかったことにしてしまいたかった。
- 17.今では、彼女の隣にいたいと、贅沢なことを望んでいる。
- 18.今年の夏は、今までと違うものになる予感がした。
- 19.明日世界が滅んでしまうんじゃないかってくらい怖くなった。
- 20.好きな人と楽しさを共有できたことが、たまらなく嬉しかった。
- 21.君との恋の終わりなんて、見えなくてよかったのに。
- 第4章
- 22.気持ちが離れていかないようにするためには、どうすればいいか。
- 23.運命は変えられる。
- 24.嬉しくて、痛かった。
- 25.どれだけ彼女を想ってみても。
- 26.けれど、僕は知っているんだ。
- 第5章
- 27.嘘にしたくなかったから。
- 28.たまらなく嬉しくて、どうしようもなく苦しかった。
- 29.あのときが、一番幸せだったのかもしれない。
- 30.本当は僕なんて、誰かに好きになってもらえるような人間じゃない。
- 31.積み重ねてきた日々は、一方的なものだった。
- 32.そんなこと、考えるまでもないんだ。
- 33.好きだよ。
- 34.君との恋の終わりは、もう見えない。
- エピローグ
- エピローグ
おすすめレビュー
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★★★ Excellent!!!
読み手にも書き手にもオススメしたい、お手本のような恋愛小説 おおさわ
最初にひと言。
『完成度』
非常に手堅く、丁寧に、ある意味やさしく整えられていて、逆にレビューするより、読む以外に他に何を書けばいい? ぐらいだと思う。
あらすじにもある少ない主要キャラクターで、ちゃんと対立軸が展開されているのも分かり易いストーリーのファクターだろう。
ある種、ここで伏線と答えまで用意されているのだから、細部は言わずもがな。
冴えない主人公というのも多々あるが、陰キャ具合はまあまあ等身大で個人的には、共感と好感を覚える。
さて。
この作品の肝である、恋の終わりが見えるというカウント条件だが、さほど斬新なアイディアではないだろう。漫画などの媒体では良く見かける手法だと思う。
なので、早い段階でテーマが示されているのが良い。タグからも分かるように、ハッピーエンドへのネタバレを喰らっているようなものだが、未知への期待と引き替えに、結果へと抗う過程、その道を追うことが出来よう。
冒頭の私の文章は、この作品はストレスフリーの読みやすさで、多くの読み手に安心して入れる間口の広さを持っている、と言い換えても良い。
繰り返す、作品の深部は、過程である。
タイトル通り、『君との終わり~』それに、悩み、抗い、絶望して、立ち上がるストーリーにある、と思っている。
結果、掴み取れる未来の尊さを問うているとも思う。
核心して言えるが、この作品を…
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