このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(421文字)
怪異を蒐集する話にもかかわらず、このお話はとても現実的。怪異が大好きな詩織さんも実は怪異をどんどん紐解いて、実際はこうだったと結論に導く側。黄色いコートの女とか、学校にひっそり存在する、謎の祠など、ファクターは怪談好きをひきつけて止まないのに、糸をたどっていくと怪異は事件に見事に繋がっている。章ごとに話の輪ががちゃんと閉じているのも気持ちいい。連続ドラマを思わせる整いっぷりなのだ。ドラマで言えばまだシーズン1が終わったところらしいので、ここからどう広がりを見せるのか、楽しみにしている。
硬い文章がこの作品の空気感と合っていて思わず引き込まれました。だからこそ公募向けの作品なのかなと勝手ながら思いました。
言うなればホラーであり、ミステリーであり、ホラーである。主人公の城ヶ崎詩織が怪談話を解き明かす。毎回驚かされゾクっとする結末を楽しみに読み進めています。誰もいない静かな部屋で読むのがおすすめです。
ホラーテイストのあるミステリーでもあるのかなネタバレしちゃいけないタイプの作品なので、細かく書けないけど、主人公が規定する怪談の定義の一つに「実害があること」という点があり、その後の話を読めば、それが言うところを理解できると思います。結構、怖い。ぜひ深夜二時ごろに読みましょう。
黒く重々しい、異界の入り口のような扉。その扉から中に入れば、美人のマスターが迎えてくれます。そのマスターはただの美人ではありません。【怪談蒐集家】なのです。ミステリーとホラーが混ざり合ったような絶妙な感覚を味わえます。ときに怖ろしく、ときに哀しい物語に、引き込まれました。ぜひ、第一章の最後まで読んでみてください。
BAR 夜行のマスター、詩織さん。お酒をつくる姿、誰もが惹かれる美人さん。でも、それだけで詩織さんを知った気になってはいけない。集まってくる怪談、怖いだけじゃないのが丁度いいですね。読みやすくまとめられた短編集。お話の中で出てくる人物たちと同じように、飲み物を片手に楽しみたくなります。
「俺、こんな小説が書きたかったんだよなぁ」って思わず独り言を言ってしまうくらい見事。よくできた話。好きです。
霊能力者が悪霊を祓う話は数多く読みましたけど、こんな話は初めてです!ただの(?)怪談師の女性が、自身の知識と推理で、怪事件を解決していく。面白くて恐ろしい。辛くて悲しい。そんな物語。第二部も、楽しみに待ってます!
各章それぞれが短編の物語として書かれていて、少ない時間でサラッと読めます。お、ホラーかな?→なるほどそういう理屈ね~ミステリじゃん→やっぱりホラーじゃないかという流れが各章とも安定していて、ある種の様式美のようなものが感じられて読みやすいです。ミステリとしての謎解き部分もちゃんと納得できる形に整っています。(と、私は思います。)スキマ時間にチラッと覗いてみてください。
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