概要
2023年8月2日発売。税込1980円です。書き下ろしエピソードも複数あり。
よろしくお願いいたします!
また6月19日夕方より「書籍化記念特別編」と題して、新たな章の連載を開始します。これを読めば、書籍版とウェブ版の違いが分かる……かも?
(特別編はアクセスしやすいように本編より前に配置しますが、本が発売されて少し経ったら、最下部に移動させる予定です。)
※全編終了しました。またすべてのエピソードを話数順に並べ変えました。
話数順不同で送る現代怪異譚――として公開してきましたが、ここで手の内を少しだけ明かします。
実は、ここに集められたすべての怪異には、どれも明確な「得体」が存在しています。ただし文字に起こすに当たって、意図的にその「得体」を伏せさせていた
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!得体の知れない怪異の仕訳
妖怪が、とにかく好きで。
…というのも妙な物言いだが、とかく昔の
人々は《得体の知れない事象》に対して
何某かの『理由』を付けた。それを視覚化
しつつ事象に纏わる性質を固定したものが『妖怪』だと理解している。
この作品は、そこに逆説的に斬り込んだ
余りにも魅力的な短編集である。
我々が日常、生活している中で生じた
《得体の知れない事象》は、もしかすると
あの妖怪の仕業では…?そんな視点で
読み進めるが、読み方はきっと人其々に
あるのかも知れない。
実は、この作品を読んだ後に製本された
『夜行奇談』を買った。本には物語ごとに
画図がついている。
だが、51話とコンパクトに纏まっていて、
カク…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怖 すぎて息とまった、
僕けっこう、
怖いっていう感覚マヒしてると思ってたんです。
いや、ちょっと……ほんと「閲覧は、自己責任で」としか言えない……。
怖い。
ほんと怖い、
怖い。
祟りや心霊系が好きな方には、たまらないです。もうほんとう、たまらない。
でも、中盤……読んではいけない(気がする)話があるんです。
不意打ちだったんですよ、怖い。
あの話を読まれた皆さん、……ご無事ですか?
何気ない日常、ぬぅっと浮かぶ、怪。
見知らぬ土地、あとをつけてくる、ぶきみな何か。
『得体』を伏せられていても、なんとなく『解って』しまう。
ズゥン……と頭が重くなってきて、息苦しくなる。
真夜中に読むと、外の物音にいちいち反…続きを読む - ★★★ Excellent!!!《得体》の知れないものほど怖いものはない
《得体》が知れない、理解の及ばないものほど怖い。
それは人間の本能にじわりと浸みこむ、旧い《恐怖》です。
昔は山や森だったところがいつのまにやら都会となり、無機質な高層建築が建ちならび、都市部からは深夜であっても明かりが途絶えることはなくなりました。科学の進歩にともなって、人知では解明できないこともひとつ、またひとつと減り続けています。かつては《得体》の知れなかったものもいまでは、そのほとんどが解明され、恐れるに足りないものに変わり果てていきました。
されどまだ、影がなくなったわけではありません。
人知という光の当たらない、暗い領域は確かに存在し続けているのです。光が強くなればなるほど、そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!寝苦しい夏の夜にぴったりな怪談集
夜のコンビニ、留守番中の自宅、バイト先の更衣室、駅のホーム、マンションのエレベーター……そんな日常の延長上の場所で遭遇した奇妙な体験談を集めた短編集。
体験談という形式上、怪異を目撃した語り手が死んだり殺されたりするという派手な展開はないものの、淡々と語られる恐怖体験の数々は、我々が日常で訪れる場所が舞台ということもあって後を引く怖さを残します。
また一つひとつの話が独立しているようでいて、作者の追記によれば本作は何らかの仕掛けが仕込まれているらしく、作品に隠されている「何か」の正体を探しながら読んでみるのも面白いかもしれませんが、もちろん何も考えずに普通に読んでも充分怖さを味わうことが…続きを読む