(邪神に)試される大地、北海道
ヤクザである香食《こうじき》禮次郎《れいじろう》は事務所からの帰り道に、早春の路上で気絶した少女を発見してしまう。このまま放置すれば死ぬと考えた彼は少女を自らの部屋まで連れ帰ってしまう。
目を覚ました少女はクチナシと名乗り、警察を呼ぼうとする禮次郎に対して此処に置いて欲しいと頼み込む。
禮次郎は謎めいた雰囲気のクチナシに対する興味と不幸な境遇への同情から、彼女の頼みを聞き入れる。
それが後に訪れる狂気の世界への入り口だと、彼はまだ知らない。
基本的に連作短編風味です。