楽しい飯テロご当地小説

日本社会で最強(近年は暴排条例等で弱体化していると言われてるけど作中の時代では最強)と言えるヤの付く自由業な主人公ですら、宇宙的なスケールでは簡単にあしらわれる辺り、何かあのヤバい神ヤバいって感じなのだが、正直クトゥルフ神話のことに明るくない自分は飯テロ小説のように夕飯食べつつ読んでました。
また、ラノベではこれまで池袋、秋葉原、千葉、博多などの都市が扱われて来たが、北海道にフォーカスした作品はあまり無かったように思う。北海道の地域伝承などを上手くアレンジしている点は良い着眼点だと思う。
正直なところを言うと、この作品は一部の「分かってる」人向けなのかも知れない。クトゥルフ神話やら他の海野しぃる作品、コラボに使われている作品などの知識がほとんど無い自分のような人が読んでも、内容を完全には理解出来ないだろう。他の知識云々を抜きにしても、この作品の構成はかなり複雑だ。ただ、ホラーというジャンルで見れば、よく分からないことそれ自体もプラスに働くだろう。
長々と書いたが、クチナシちゃんと北海道の魅力に触れられればそれで十分なのではないかと思われる。1話から美味しそうな食事シーンがあるので、この作品を読むときは飯テロ対策のご飯をお忘れなく!

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