秋保千代子

恋と花はどちらも咲くもの、開くもの。 乙女と乙女の間で重なった恋心もまた然り。 天下泰平の大江戸、その城の奥、女の国で繰り広げられるは、勇敢可憐なおなごたちによる、あやかし退治。 …続きを読む

物語の舞台は平成がまだ一桁の時。 スマホはおろか、ポケベルだってない。今は過去の名作と評価される映画が上映されたばかりで、キンさんギンさんがご健在の頃。 令和の今とくらべたら、医療…続きを読む

つらい境遇の姫君が他国の王様との婚姻をきっかけに幸せになる物語。 大雑把に言えば、そういうお話です。流行の溺愛ものといえるかもしれない。 ですが、甘いだけではありません。 歴史の…続きを読む

亡くなった前妻が忘れられない男に嫁いだアメリ―。彼女は思い遣りから夫と距離を置いている。 夫のクルドは、年も上で経験も豊富で、だからこその考えや気付いていたりすることもあったのに。…続きを読む

恋愛ファンタジーが好きという方、是非お読みくださいませ。 前半は若さ溢れる両片想いに悶えられ、後半は切ない恋に悶えられますから。 そんな恋模様も、この世界だからこその恋模様。 教…続きを読む

ヒロイン・胡杏華少尉がとにかくカッコイイ。 腕っぷし良し、思いやり良しのカッコイイ人なのです。 隣国（隣の惑星）との紛争、テロリストの存在、そもそもヒロインが軍属の人。このように…続きを読む

ついさっきまで元気に笑っていたはずの人を存在していなかったことにする。 そんな魔法が可能なのが『悪食』という存在。 名のとおり、なんらかの『悪』が無いと食べられない、という制約は…続きを読む

序盤ですぐに分かる。リョウくんと真衣がお互いにどんな感情を抱いているのか。 ――なのですが、読み進めていくうちに違和感を覚え、読者は知ってしまうわけです。 この二人、ただの恋人じ…続きを読む

お葬式って非日常だ。 その非日常に非常事態が積み重なったら、パニックになるよ！ ……という、葬儀社の新人・マコくんの嘆き節と問題解決の努力に共感待ったなし。 正直、謎解きよりも、…続きを読む

前世とか運命とか、恋愛ファンタジーに欠かせないスパイスは多いけれど。 スパイスの効いた恋に飢えている方は是非手にしてほしい。 この物語、本当はもっともっと壮大なファンタジアだ。ま…続きを読む

物語の登場人物を応援してしまうことってよくあるでしょ？ 泣いて笑って戦う姿を見せられれば、「頑張れ！　頑張れ！」と念じてしまうじゃない。 逆に、「言っちゃ駄目！　やっちゃダメ！」…続きを読む

真っ白な病室から、真っ白な村へ。 肺を病んだ彼の日常は、何処に行ってもカラフルさに欠けていた。 一方の彼女もまた、ふわふわと定まらない。哀しみに浮いている。 そんな世界を変えるのは…続きを読む

一話一話とても短い。伝えられた確かなことはごく僅か。 なのに分かってしまう。トキメキも切なさも、全部ぜんぶ。 そんな、今もどこかで起こっているかもしれないと信じられる小さなお話たち…続きを読む

大正時代、日露戦争勝利に酔いしれる、東の国の都にて。 続く令嬢誘拐事件を追う中で出会った、男女。 そして、明らかになる、因縁と怪物たちと…… 熱い戦いの理由。 コケシとマトリョー…続きを読む

ヒロインはファラオ。神の牧人たる、えっらーーーーーい人である。 だけど、その実態は、恋に落ちた女の子。 かっさらってきた婿殿の一挙手一投足に萌えころがり、危険なもの汚いものから遠ざ…続きを読む

皇太子オスヴァルトには悪いウワサしかない。 何人も側室を囲う（正室はいないらしい）色狂いだし。戦に出れば勝ってくる、攻めた国は必ず落とす、策略家だし。 だが、目の前に現れた実物は、…続きを読む

物語の舞台は一度滅んだ世界。神々の黄昏の後、再生された世界。 今一度、滅びの淵にある世界。 『オワリ、ハジマリ』と鴉が歌う、不穏な世界…… …って、そんな小難しいことはいいんで…続きを読む

側室の子。第二皇子。この時点で「ああ、この王子様は不遇だな」と思っちゃうのが世の常人の常。 こちらの主人公・桂舜公子もそんな一人。 しかし、不遇とは言えど、胸では炎が燃えている…続きを読む

勇はちょっとした後悔を抱えている。 それは小学生の時、仲良しの女の子の言葉を「信じて」あげなかったこと。 女の子は失踪し、ごくごく普通の受験生生活を送る中でも、ほろ苦い後悔は忘れら…続きを読む

誕生の際の占いの結果が重んじられる国。 その中で、『この娘は、やがて王を害するだろう。しかし、必要でもある』という不思議な託宣が下された宗銀珠。 その予言の後段を信じた時の王により…続きを読む

私は氷月あやのファンである。 狭くないカクヨムの中で、我も、という方は多くいらっしゃると思うが、私もファンである。 このレビューは、広いカクヨムの中にいらっしゃるだろう、「俺は違う…続きを読む

貧乏貴族の娘、鈴玉。 食事も着る物も儘ならない日々の果てに、母を亡くした彼女は、『貧乏脱却』を胸に後宮に飛び込みます。 武器は、己が美貌と強運のみ。 ……と思いきや。 あらゆる意…続きを読む

明るい太陽と花々を誇る、南の島の王国。そこには恋にまつわる言い伝えがありました。 曰く、千年の責め苦に耐え抜けば、今一度の人生で恋した人と再び会えるというもの。 そんな言い伝えか…続きを読む

既に掲載済みの話数を見て「うおっ！？」と腰がひけてしまうかしら。 でも、ロードス島戦記もフォーチュンクエストも、ワンピースだって、巻数を気にせずに読めたでしょ？だから大丈夫。 …続きを読む

兄を殺された少女が、己を偽り、敵地に乗り込みます。 さて、『偽った』のは性別――服装だけだったのか。 いずれ己の手で死に追いやらなければいけない相手達との触れ合いの中で、彼女は戸…続きを読む

顰め面をして椅子に座っている大病院の先生たち。 ところが、一歩診察室から出てしまえば、『ああ、人間なんだなぁ』なんて思わされてしまうことを言ったり為したりなさっているようで。 専…続きを読む

主人公の宝余は、強いひとだ。 別に、クマを倒せるとか一日で千里を走るとか、そういうことではなくて。 平穏な暮らしを終わらせられても、嫁いだ先で理不尽な仕打ちを受けても、必ず前を向…続きを読む

本人は「社畜」だと謙遜する。 だけど、最後の最後まで読めば、一言では言い表せない何かに突き動かされて生きているのだと、胸が熱くなる。 誰かを助けたい。役に立ちたい。見返りなんて、…続きを読む

SNS『映え』のためならなんでもする。 なんでもしたのだけど…… そんな現代の病を描いた掌編。 言葉の選び方、並べ方が素晴らしい。 余計なものは何もないのに、だけど足りないわ…続きを読む

『必死』ってなんだっけ。
死力を尽くすとか、命を賭けるとか、他にも言い換えた言葉がなかったっけ。

……命あるもの『必ず死ぬ』んだけどさ。

発想に拍手。

デジタルネイティブ、なんて呼ばれもする。小学生のうちからスマホを持ち、メッセージアプリを使いこなす。 これからの高校生たちに、こんな恋は珍しくないのかもしれない。 ネット経由のや…続きを読む

石頭、と言いますか。己が見たものを見たままに受け入れる素直な方、と申しますか… アルノルド・サガフィ少尉は、清廉潔白そのもののお人。騎士道に、誇りに準じるまま、生きている。 だか…続きを読む

これが全く関係ない――例えば、職場の端と端に座っているような間柄だったら――その人がどんなマヌケでも気にならないものではないだろうか。 そんな他人だったら気にならないだろう「忘れっ…続きを読む

十五様が書かれる『諜報員・明智湖太郎』シリーズの中でも、目下一番古いエピソードが綴られたこちら。 まだまだ新米の諜報員たち、どこかお茶目で、頼りなくて、お互いの信頼関係もちぐはぐな…続きを読む

「片付けられない」と一言でいっても、理由はいろいろあるのだ。 ベティは紫の壁に阻まれて、動けないでいる。 模範的ゴミ屋敷をピカピカに磨き上げた、マキカとトリシャのその後のお話。…続きを読む

マユミ・タカムラ・ロバチェフスキー大尉。己の知性と胆力を頼りに、宇宙に飛び出した女性。 アルミ・ロビンソン。幸運と一身に注がれた愛を抱いて、故郷を飛び出した女性。 二人の女性の魅力…続きを読む

この怖さを何と表現したらいいのか分からないよ。
とりあえず、スプラッタ注意。

多くを語るとネタバレになりそうだからね。最後はただ、二人が幸せであれ、と願うんだとだけお伝えしましょう。
あと、お腹が空くね。ハンバーグ食べたーい！

ポリグラフというと聞き慣れないけれど。嘘発見器といわれると、なんとなく馴染みがあるような。 そんな犯罪調査手法が絡んだミステリー。 捜査についての簡単な説明も作中にあります、気軽に…続きを読む

歴史小説、中国・則天武后の物語ではあるけれど、難しく構えることはありません。 権力抗争ならびに女の恐ろしさと哀しさの物語としてお楽しみになればよろしいかと思います。 読み終えた…続きを読む

突然ですが、整理と整頓は違うものだということをご存じですか？ 整理は、要るものと要らないものを分けること。整頓は、要るものを正しい位置に片付けること。これをごちゃ混ぜにすると、物の…続きを読む

顔を見るだけでドキドキするのが第一歩。 存在にウキウキするのが、二歩目。 そして、なんとか接触の機会を持とうと、近い場所をウロウロするようになる。 傍にいる時間が増えればそれだけ、…続きを読む

この物語の主役は、どこにでもいそうな男子高校生だ。手先の器用さも、悩みも、きっと成績も。恋の手管も、人並みだ。 この彼が、（天賦の差故に）一歩先を歩く幼馴染に抱く感情。 それに、「…続きを読む

小説を書く時に、どのようなポイントを考え、設定するか。特にファンタジーを書く際に多くの方が悩むに違いないのは、星とレビューの数が物語っている。 舞台の地図は序の口だろう。そこから…続きを読む

子どもの頃好きだった料理。暮らしていた家に、使っていた道具。 無くなってしまう物がある一方で、いつまでも大切に手元に残しておける物もあって。そんな物たちに、気持ちが救われて、良かっ…続きを読む

きらめく高校生活、盛り上がるのは勉強だけではない。スポーツも、友情も、恋も。 ことが盛り上がれば盛り上がるほど、人の心は熱くなっていく。 その高校でも、おっとりした詩春を中心に、…続きを読む