炎が燃える、怒りも羨望も燃える。日々に欠かせなかった幼馴染のために。

物語の登場人物を応援してしまうことってよくあるでしょ?

泣いて笑って戦う姿を見せられれば、「頑張れ! 頑張れ!」と念じてしまうじゃない。
逆に、「言っちゃ駄目! やっちゃダメ!」と思うこともあるし。
「チガウソウジャナイ」「どうしてそうなった」とツッコミに忙しい、なんてことは往々にある、でしょう?

こんなふうに「登場人物の戦う姿を応援したい」という方に、『紅に染む』をお勧めいたしたく。



主人公は、ほぼ無糖な幼馴染(色恋の気配がないお嬢様と下僕)。

私が女だからか、勇ましいお嬢様――美冬に大変感情移入してしまい、
「そうだそうだ、よく言った!」
「行け! 止まるな!」
「それでこそお嬢様です!!!!!!!!!」
と、読んでいる間ずっと手に汗握ってた。

このドキドキをシェアしたいんだ、本当、読んで。


舞台は、明治・大正をモチーフにした和風世界。
軍服とか女学生とか、陰陽師とか、このあたりのキーワードにピンときたら、楽しめる世界です。
古風でシリアスな物語にぴったりな、凛とした文章もご堪能くださいませ。