物語の舞台は平成がまだ一桁の時。
スマホはおろか、ポケベルだってない。今は過去の名作と評価される映画が上映されたばかりで、キンさんギンさんがご健在の頃。
令和の今とくらべたら、医療事情はまだまだという部分があったかもしれない。
しれないけれど、その町の病院はどんな患者も回復すると評判で。
でも、彼の妻は亡くなった。
妻の死の理由を知るために町へやってきた駐在さん、そして病院と町を支配する旧家の人々が遭遇した、日常を覆す事件の顛末がこちらの物語。
物語の『怖い』は「知らない」「わからない」と同義なのかもしれないなと、読み進めるうちに思った。
すこしずつすこしずつ真相を『知らされる』のは快感でしかなかったから。
『怖い』をすこーし我慢して、是非お読みくださいませ。