えーっと、何から書けばいいのかちょっとよくわからないくらい「面白かったよぉおおお!!」と興奮しているのですが、とりあえず、主人公アルノルドの実直な人柄に惚れ……はしなかったんですが「もうやだこの人……尊い……」となりました。ありがとうございます。
そんな彼だからこそ巻き込まれてしまったこの事件。
いやぁ、この短さでこれだけ手足をバタバタさせられる物語が展開されるなんて……誰が想像できたであろうか……ありがとうございます……
綺麗にまとまったストーリーはもちろん、登場人物もみなさん魅力的!
名前しか出てこないような人にもものすごい魅力を感じてしまうのだからすごいです。美味しい。ありがとうございます。
そしてなんといってもラスト!!
「えぇえええええ!!??」「あーーーーっ!!!!」「ほんとだめしんどい…尊い……」
と叫んでしまうこと必至!!
私は叫びました。周りに誰もいないタイミングで命拾いしました。ありがとうございます。
とにかく読んでみてください!!
短編ってすごいんだなぁ……と、思えるはずです!!
なんかもう本当にありがとうございます!!!!
本作は、ある一つの事件の発端と解決までを描いています。
最初に思ったのは、筆力が高い!
細かな描写は人物や街の情景を映像として浮かび上がらせるほどに上手で、さりげない設定の出し方もストレスがない。過去と現在のエピソードを交えた語りによって人物関係もすんなりと把握できるし、事件に巻き込まれたハラハラ感も伝わってくる。政治や権力の背景もうまく取り入れていた点が個人的に凄いと思いました。
そして殿下萌え。
なにに萌えるかということはもう読んで確かめてくれ!としか言いようがないのですが、絆の深さというか、裏にある想いを匂わせた書き方とか……一言で言えば、尊い。
サクッと読めて楽しめる作品なのでぜひ読んでみてください!
アルノルド・サガフィは生来、きまじめで頑固な男である。
曲がったことが嫌い、というより、そもそも目に入らない。
そんな彼がちゃちな窃盗事件に関与するはずもないのだ。
彼とその友人たちは嫌疑を晴らすため、王都を奔走する。
短編ではあるものの、世界観がしっかりと作り込まれ、
産業革命を経た近代欧州風の国情が浮き彫りにされて、
その「短さ」を惜しみつつも「不足」とは感じなかった。
アルノルドは無論のこと、ロニーのキャラクターが最高。
スリルあり、謎解きあり、お忍びの若王殿下あり。
硬派な短編ファンタジーを読みたい人に、ぜひ。