昼は社畜、夜は異世界に転生してブリキの騎士として街を救う。
これぞ日帰りファンタジーの王道。だが、決して異世界で超人的な力を振るって読者の留飲を下げる安易な展開ではない。
主人公はブリキの騎士。アーマーはブリキ。防御力は低い。だが彼には、ちょっとした能力があった。それは決して特別なものではなく、会社でみなの役に立つけど、まったく評価につながらない程度のもの。ブラック企業では埋もれてしまうような彼の能力は、しかし、異世界を救うのだ。
彼がヒーローとして戦って、その結果として彼が幸せになったかは分からない。もしかしたら、彼は最初から最後まで不幸なのかもしれない。
だが、英雄とはそういうものなのだ!