ブリキの騎士は眠りたい

作者 澤田慎梧

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★★★ Excellent!!!

騎士の心を垣間見れる作品です。
うぅ……主人公よ、生きてくれっ!

主人公は社会に蔓延る「社畜」と呼ばれた存在です。
終点まで働き、せかせかと働かせる存在……。
そんなある日、彼は異世界へ召喚されてしまったのである。

夢でも現実でも働く毎日。
なぜ、働き続けるのか……。
彼の理由とは、感情とは?

起きていても寝ていても、辛い事ばかりだけど、優しい人なの。
いつかあるかもしれない、素敵なこと、彼にも起こって欲しいです。
生きて、生きて、眠って欲しい。

考えさせる作品を、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

社畜……現在学生である私には、もう会社で働いて大変な思いをしている人ってイメージで。
この主人公、異世界でも働いて、もちろん現実でも……と大変だなーって読み進めていたが、ラストにガツン!と。
この擬音は適切ではないかもしれないけど。チラチラと見え隠れしていた主人公の抱えているモノをラストで知って、グッと引き込まれ。おぉってなりました。

※医薬品に関する注意があり、何だろうって頭の片隅に置いていたせいか、主人公が薬を使ったシーンで、あぁそう使うのか。えっ現場は……ってクスっとしました。

★★★ Excellent!!!


 昼は社畜、夜は異世界に転生してブリキの騎士として街を救う。

 これぞ日帰りファンタジーの王道。だが、決して異世界で超人的な力を振るって読者の留飲を下げる安易な展開ではない。
 主人公はブリキの騎士。アーマーはブリキ。防御力は低い。だが彼には、ちょっとした能力があった。それは決して特別なものではなく、会社でみなの役に立つけど、まったく評価につながらない程度のもの。ブラック企業では埋もれてしまうような彼の能力は、しかし、異世界を救うのだ。

 彼がヒーローとして戦って、その結果として彼が幸せになったかは分からない。もしかしたら、彼は最初から最後まで不幸なのかもしれない。

 だが、英雄とはそういうものなのだ!
 

★★★ Excellent!!!

本人は「社畜」だと謙遜する。
だけど、最後の最後まで読めば、一言では言い表せない何かに突き動かされて生きているのだと、胸が熱くなる。

誰かを助けたい。役に立ちたい。見返りなんて、大それたものは要らない。ただ、笑いあいたい。
そのために存分に、今以上に力を発揮できるようになれたら――

名もなき主人公の優しさに乾杯しよう。
だから、一晩くらいはぐっすり眠ったらいいんじゃないかな?

★★★ Excellent!!!

この作品を読んで何が悲しいかと言えば、社畜は召喚された先でも働かされている点だ。

嗚呼、人がいいというのはどこでも利用されてしまうのか?
「異世界の戦士の魂」とは社畜根性のことなのか?
巫女たるマリアムは何故、この哀れなサラリーマンに心地良い安らぐ場所を提供してあげないのか?

読者たる私は涙を浮かべて、彼に幸せを!と願わずにはいられない。

結末にささやかな幸せが描かれている。

そのささやかな幸せを彼にこれからも感じさせてくれ!
そしていつか異世界くらいでは彼に心安まる時間を提供してくれ!

社畜のためにいくつかの願いを読者には感じて欲しい作品でした。

★★ Very Good!!

ある一定の年齢層より上なら、懐かしいと思えるあのフレーズ。

本作の主人公の身の上にはまさにそれが降り掛かっているのである。

寝ても覚めても戦い続ける、ジャパニーズビジネスマン(企業戦士)の鑑である。

その意味は読んでもらえば分かるのだが、あっちとこっちを寝てる間に往来しているのだ。そしてあっちの彼の姿といったら――。

痛快、人助けアクション。

彼の勇姿を最後まで見逃すな!

★★★ Excellent!!!

 序盤に思った。
 ああ、この物語は武力の騎士なのだと。戦う意思の力を持つ男の話だと。みてくれを身に纏う男が異世界で両手広げ大地に立ち、現実で大の字で寝る。こんなに素晴らしいことがあるだろうか。
 寝るという言葉と、眠るという言葉の、そこを隔てるおおいな意識の壁に気がついたとき、「やられた」と額を叩く。
 ん、面白い!