恋は散ったけれど、未来への蕾は膨らんでいた。だから、笑って?

恋愛ファンタジーが好きという方、是非お読みくださいませ。
前半は若さ溢れる両片想いに悶えられ、後半は切ない恋に悶えられますから。

そんな恋模様も、この世界だからこその恋模様。
教師という夢のための勉学と同時進行で近づく二人の心の距離にときめいて。
『お国の都合』な戦争の中、前線と国元の温度差に涙を我慢できなかった。

そんな物語に付けられた典雅なタイトル、皆様どうお読みになったでしょうか。
女優さんのお名前で知られていますが、『咲』という字は『えみ』とも読みます。花が開く様と満面の笑みを同じ文字で表すって素敵ですよね。
ということで『てんとえむ』。見上げれば広がる空、未来に向かって笑顔を向けるという、タイトル。実にぴったりなのです。

散った花びらを拾っても、元の花には戻らない。だけど、次の花が咲く。
そんなラストシーンで震えてくださいませ。

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