願いを言葉に、希望に、行動に変えていく。それが生きること。
- ★★★ Excellent!!!
勇はちょっとした後悔を抱えている。
それは小学生の時、仲良しの女の子の言葉を「信じて」あげなかったこと。
女の子は失踪し、ごくごく普通の受験生生活を送る中でも、ほろ苦い後悔は忘れられなくて――
なんてところに、女の子を思い出させる謎の紙飛行機(手紙文付き)が飛んできた。
もう後悔はしたくない、旅立つしかない。
彼はヘルメットと傘を用意して、異世界に向かうのです。
そうして向かった先は、滅んだ世界。
そこで彼は、言葉を操って、未来を切り開いていく――
主人公の理路整然かつ毅然とした行動がカッコいいし、付いて行きたくなるし。
途中で知り合う女傑も、とんでもなくカッコいいのだ。
そして個人的には、永い旅路を言葉で表した願いでもって乗り越えた『お母さん』に拍手を送りたい。
そんなこんなな、言葉を操ることに怖れを持たない登場人物たちにハラハラさせられ、泣かせれて。
明日からもステキな物語に出会えたらいいなぁ、と呟きたくなる一品です。
あなたもヘルメットを準備して、世界再生の旅へ、いってらっしゃい!