概要
そんな彼の元に一通の手紙が届く。そこにはこう書かれていた。
「わたしは触れてはいけないものに触れてしまった。この手紙が届いた異世界のあなたに助けを求めたい」と。
手紙に導かれ、イサムは異世界を訪れることに。
だが、そこはすべてが崩壊した何もない世界で……。
さぁ、想像してみてごらん。
天変地異に疫病、あるいは魔王の襲来、怪物の誕生、そして陰鬱な群集心理。
それら「崩壊をもたらすもの」は一体なぜやってくるのか、と……。
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【読者の方へ】
本作は"世界の崩壊"と"言葉"が物語の重要な鍵。
失われた世界に"言葉"を与えることで世界は元の姿を取り戻していきます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!透明度の高い筆致、素直で味わい深いドラマ
異世界へ行く話というのは昨今の流行ですが、この話は現実社会の常識を異世界へ移植するようなタイプのものとは全く違う。異世界に不慣れなために感じる戸惑い、その一方で感じる世界への憧憬。
この作者さんが創る完成度の高い世界観が本当に好きです。その舞台の上で問題があったり事件が起きたりしても、世界観は常に維持され、陰に日向に物語を支えてくれているように感じます。ドラマはとても素直な進行ではあるのですが、このぐっと前面に引き出された世界観が本作の大きな個性となって、会話や展開の中に堅苦しくなく織り込まれており、魅力的です。カラーがはっきりしているという意味では、コンピュータゲームとかに近い感じもあっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!"崩壊した世界"に"多くの言葉"を
主人公は高校三年生の理論武装クソメガネ、イサム。
ある日、紙飛行機を見て、七年前に仲の良かったすみれちゃんが異世界に行ってしまったことを思い出し──。
王道的な始まり方! グッと引き込まれます。
そして『空とぶじゅもん』ですよ。こういうのホント好き!
さあ、いざ異世界!
なんやかんやで異世界に来たイサムは、不思議な力『ナ・レート』を使いこなしながら、崩壊した世界を冒険します。
登場するのは、記憶を失った少女だったり、物語の好きなお姫様だったり、カッコいいサイボーグだったり。
あれ、この子がもしかして……?とか考えながら読んでました。
あとは笛吹ですよね。多数の世界に存在する同一人物…続きを読む - ★★★ Excellent!!!願いを言葉に、希望に、行動に変えていく。それが生きること。
勇はちょっとした後悔を抱えている。
それは小学生の時、仲良しの女の子の言葉を「信じて」あげなかったこと。
女の子は失踪し、ごくごく普通の受験生生活を送る中でも、ほろ苦い後悔は忘れられなくて――
なんてところに、女の子を思い出させる謎の紙飛行機(手紙文付き)が飛んできた。
もう後悔はしたくない、旅立つしかない。
彼はヘルメットと傘を用意して、異世界に向かうのです。
そうして向かった先は、滅んだ世界。
そこで彼は、言葉を操って、未来を切り開いていく――
主人公の理路整然かつ毅然とした行動がカッコいいし、付いて行きたくなるし。
途中で知り合う女傑も、とんでもなくカッコいいのだ。
そして個人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!滅びた異世界を構築するのは、読者の『言葉』
主人公イサム君がある手紙によって異世界へと転移する。しかしその世界は何らかの原因によって滅びており、その影響か住人の理性すら破綻してしまっている。
この世界でどうにかしようとするのが主人公であるイサム君の役目である。しかしその他にも、読者の言葉によって世界が救われるかもしれない。
この作品はいわゆる読者参加型であり、読者が『復活させてほしい言葉』を提示する事によって、次の話が言葉によって影響されていく。もしかしたらそんな言葉がこの滅びた世界をどうにかするのかもしれないし、あるいは世界の鍵を握るかもしれない。
なのでこの作品を楽しみにしつつ、どんどんと復活させてほしい言葉をこの作品に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!崩壊した世界の先にあるものは?
鬱屈を抱えた少年、赤塩勇は異世界に引っ張り込まれてしまうが、そこはすべてが崩壊していた世界だった。そこで彼は、ヴィオラという少女と出会い、彼女に導かれるようにして傷ついた城へと赴く。そこに待っていたのは……。
物語は中盤であるが、謎が多く、全体像はまだ見えてこない。気になるところは多々あり、それが話を引っぱる原動力となっている。勇自身の能力のしたところで、描写されたとおりのものなのか、実は何か裏があるのではないかということが気になる。ちりばめなられた伏線がどのような形でまとまるのか楽しみでもある。
際立った文章が崩壊していながら、それでいてどこか美しさを感じさせる世界を支えている…続きを読む