不器用でもどかしくて、ちょっと空回りしたりしながら、それでもキラキラと輝いている日々。そんな日々をぎゅっと凝縮して見事に描いた作品です。泥団子作りという単純な遊びの中で、二人の個性を対比させ、絶妙なエピソードで導いていく。作者様の実力の確かさを感じさせる見事な物語です。
五年ぶりに届いたメッセージ。ここから主人公である柊の回想シーンが始まる。不思議なタイトル。その意味するところはご覧いただければ、なるほどとご納得されるはずです。誰もが幼馴染みとの思い出は、大事に胸の奥にしまってあるはずです。泥だんご、確かに作りました。今作はそこがポイント。柊が共に幼少時代をすごした春陽。彼女との思い出と現在をシンクロさせ、見事な恋のお話に仕上がっております。
幼馴染二人の、じれったくもキュンとする恋物語。小さい頃の二人の描写がとても丁寧に描かれており、凄く心を打たれます。しかしやがて迎える思春期と、変わっていく二人の環境。でも太陽には太陽の輝きがあって、月には月の、少し頼りないけど優しさがあって。二人の未来を想像すると、ほの温かい気分になりました。
現在と過去の回想シーン。丁寧に描かれた文章は、サラサラと流れるように心の中に浸透していく。不器用だけれど、ピュアな恋。
不器用な柊と春陽の恋物語です。うん。なんて私は汚れてしまったんだ……。と、思わせる作品。とても良かった。私が多く語るよりもご一読あれ。きっと、あなたも……。
幼い時代の砂場で営まれた「たまご」づくりが、丁寧かつリアルな筆致で描かれます。それを通して培われるふたりの素朴で、しかし鮮烈な絆。その絆の行く先は……。ただ必死に、一途に、そして不器用に、解けた絆の糸に縋り、取り戻そうとする彼の姿。結末を過ぎて読者に残るのは、終わらないからこその、豊かな読後感。読者の想像力を否応なしに刺激する、お薦めの作品です!
まず『月と太陽のたまご』というタイトルが良いですね。幼い子供ならではの視点がそこにあり、しかしどこか詩的でもあり美しい表現。子供だからこそ、どうして良いか戸惑ってしまい、何故、そんな行動に出てしまったのか成長してからも分からない……そんな記憶は多くの人に一度や二度はあるのではないでしょうか?何となく自分の過去も思い返させてくれるお話でしたね。そして思春期になってからの複雑な心情。すれ違ってしまったと分かって悔やまれる……。あると思います。願わくば、彼らの未来に幸あれ。そんな思いを胸に読み終えました。
この作品の題名は『月と太陽の卵』。なんとなく恋愛と言うより食べ物を連想してしまった。しかし、これは切なくも熱い恋愛物語なのだ。タグにある「どろだんご」を軸に描かれる幼い日の想いでは、とても切なく、そして序盤と終盤で二人の未来を予感させる。とてもよく考えられていて、構成も上手く組み上がっている良作です。 皆様も、是非ご一読を。
暑い夏の日、家路を急ぐ、自転車の少年。 彼の頭をよぎるのは、返事を書けずにいる一通のメール。 冒頭から、その様子が目に浮かぶような、美しい描写で綴られていて、一気に彼の世界に惹き込まれます。 彼は、遠い昔の、保育園時代に思いを巡らします。 ――大切な幼馴染の彼女のことを。 鮮やかな文章で描かれる、甘酸っぱくてもどかしい、彼の思い。 ぜひ、おすすめしたい一作です。
不器用な男の子が美しい少女に恋をする。当初は純粋でも、成長すると気恥ずかしさや面倒臭さもあってスレ違いも……。人間らしい、余りにも人間らしい男女の純愛に何処か心が安らぎます。濃密な色恋に飽きた方は、此方の作品を一読してみる事をお勧め致します。
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