一行で書くのを諦めた異世界ファンタジー

作者 卯月

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★★★ Excellent!!!

しばしば思うのだけれど。
あなたが書く「異世界」の対概念は「地球」なのですか?
ならばその「異世界」、単なる「別の惑星」ではないの?
(いや、惑星には限らず、恒星か衛星かもしれないけど)

異世界ファンタジーのあら探しをしたいわけじゃない。
作品世界に身を委ねて、たっぷり楽しみたいだけだ。
だからこそ矛盾が目に入らないように書いてほしくて。
でも、理詰めでやりすぎると、とんでもないよね……。

まじめに考えれば考えるほどドツボにハマってしまう。
そんな苦悩が書かれた本作、シュールにしてユーモラス。
本気でガッツリ悩んだからこそだよね、と思うと、
笑ってしまうと申し訳ないのだけれど笑ってしまう。

異世界ファンタジーが好きな人も苦手な人も、
ちょっと読んで「なるほど」と思ってほしい。
あるいは自作の異世界に行き詰まっている人には、
作品づくりの参考になるのではないだろうか。

★★ Very Good!!

おぉ、異世界書こうあるある!
やはり同じ壁にぶち当たる人はいるものですね。
私も以前に異世界を書こうとして設定を考え始め、ふわっと考えた時点で書き出したものだから、もう大変。
あれはどうなる、この設定、おかしくない? のオンパレード。

異世界とはいったいどこまで考えておくべきか。
プロの作家でも細部まで緻密な設定がある場合もあれば、読者が矛盾に気づいてネットで考察が始まる場合も。色々ですよね。

堂々巡りの海に溺れて、大海原に漕ぎ出す前に浜に押し戻された者として、<【教訓】考え過ぎて書けなくなるのは本末転倒である。>は、実に頷ける内容でした。

★★ Very Good!!

考えすぎだよ。
気楽にいこうよ。
と言いたくなるほど真面目に考察する作家さんの愚痴というかなんというか。



『君たち、漫画から漫画の勉強するのはやめなさい。
一流の映画をみろ、
一流の音楽を聞け、
一流の芝居を見ろ、
一流の本を読め。
そして、それから自分の世界を作れ。』

-手塚治虫-

★★★ Excellent!!!

たった一行を書いただけで、異世界に対する考察を無限に広げる頭のいいアレコレ。
そこまで真面目に考えなくても……と思えるくらいに、真面目に考えるその姿勢がイイ。

今や無数に存在する異世界もの。
それを書くにあたって、一読してもいいと思えます。

★★★ Excellent!!!

確かに当たり前田のクラッカーはダメですよね。

という共感はさておき、異世界というのは難しいですね。書いたことはありませんが、惑星一個作ってしまうようなものですから。カミの創造なんかの近しいことをしているのかも知れません。

もし、異世界を書くときに作者様のように考え込んでしまったら、の話ですが。

★★★ Excellent!!!

私たちの住んでいる世界とは異なる場所を舞台にするということは、私たちの世界とは何か異なるところがあるということになる。

月がふたつあるやら、ドラゴンが住んでいるやら。

そのほかの部分を私たちの住んでいる世界と同じにした時、変えたところと矛盾がなければよいのだが、そんなつごうの良いことは少ない。

つじつま合わせに新しい設定を考えると、さらに矛盾などが出てくる。

困るのは、その整合性が図れたとしても、当初イメージしていた世界とは大きく異なる、望んでいない世界ができてしまう時である。

しかし、そこまで行けるケースは稀であり、たいていは一行目でキーボードが止まり、その世界は終わりである。

そのように世界を終わらせたことのある人が読むと、古傷をなめられたような気分になるよいエッセイだと思う。

合わせて、このエッセイを読んでいると、そもそも自分の生きている世界のことをあまり知らないことに気づかされる(自分で異世界を作っている時もそうだが)。

物理法則などは「そうなっているから」で片づけていることが多い。

昔の人はどうやって火を起こしていたのか、などなど。

異世界を考えさせるのは、教育手段としても良いかもしれない。

★★★ Excellent!!!

 そもそもこの「作品」を「作品」と呼んでいいのか、なんてことさえ考えさせられる「作品」。

 知らず知らずのうちに読み手と書き手の間で成立している「暗黙の了解(お約束)」に疑いを持ち、哲学的な検証を繰り広げていきます。

 そう、舞台が「異世界」であれば固定観念や既成概念さえ「異質」であるはず。時間の単位も、「あるモノ」の本数さえも。

 読んでいるうちに「言われてみれば」とハッとさせられる本作。未読のあなたも思考の迷路に迷い込んでみませんか?

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーにおいても、もはや既成概念と見なすべき「時間」。
そこに疑問を持つとは、もはや新時代の幕開けと言えましょう。
コペルニクスによる地動説と同等の衝撃でありましょう。
これは、一つの論文であるとともに、一つの小説であります。
非常におもしろかったです。

★★★ Excellent!!!

小説を書く時に、どのようなポイントを考え、設定するか。特にファンタジーを書く際に多くの方が悩むに違いないのは、星とレビューの数が物語っている。

舞台の地図は序の口だろう。そこから、言語や時間概念へと至り…
考え過ぎて筆をへし折るに至った奮闘記がこちら。

卯月様のお話には大いに頷いた。頷きすぎて、首が痛いくらい。

★★★ Excellent!!!

 異世界は書くのも読むのは楽しい。なぜならば物理法則を無視して、好き勝手に世界を描くことができるからである。魔法が使える、神様がいる、魔物がいるなど、我々が暮らす平凡な地球よりも魅力的に感じやすい。
 しかし、良く考えれば、その作られた異世界はある程度、秩序が無ければ、その世界に住むものとしてはいい迷惑だ。たとば、時間が把握できなければ、約束事も出来ないし、組織(異世界ものではギルドに相当するもの)を作るのに困る。これだと、魔王を倒しに行く場合ではなくなってしまう。そう考えれば、著者のいう通り、設定だけで筆が止まってしまう。そうすると、やっぱりガッチリとした設定が必要となる。
 この著者が夢を抱いた異世界ファンタジーを実際に書くかは知らないが、こんな構想するのも面白いものだ。
 

P.S.
このレビューを書いている本人もこんなことを考えながら、自分の作品を書いています。皆さんも物語を作るときに『一行で書くのを諦めた異世界ファンタジー』を参考にしてみてはいかがですか?

★★ Very Good!!

 今作では触れられてなかったが、まぁファンタジーで良くあるのが魔法の理論だと思う。
 大概は魔法とか種族の成り立ちだけ決めたら発車となるのだが、それを更に突き詰めるという内容。
 もはや綿密なプロットを組み立てようかというレベルのものであり、これを突き詰められれば 新たな世界 を生み出せるでしょう。

 異世界などというふんわりした、読者に想像をブン投げるレッテルではなく、かといって既存のどこかにある世界を借りる手法でもなく、読者を惹き込む世界の造り方、とも言えるのではないでしょうか。



 完成させる労力は途方もないでしょうから、作者さんもタイトルで前置き成されているのかもしれません。

★★★ Excellent!!!

なんとなくで見切り発車すると、途中で整合性が取れなくなって詰んでしまう事もあるのがファンタジー。トラウマ的に怖い話かも。

私も昔ファンタジー世界を考えて、考え出したら、作者さんほどではないのですが、様々な疑問が生まれてきました。
まずはオーソドックスな通貨の単位に始まって、社会構造、神様はいるのか?四季はあるのか、支配者は?差別は?社会問題は、環境破壊は?
この人達、普通に何かの肉食べてるけど、牛とかいるの?、シチューってあるの?とか、主食にパンが欲しいけどちゃんと小麦系が育つのかとか、雨はどのくらい降ってるのとか、鳥は鳥なのかとか、この時代のレベルでどのくらい流通が整ってるの?農地はちゃんとあるの?この国の人口はどのくらい?とか、風邪をひくことはあるのか、とか、もしかしてこの世界には地球には無いすっごい怖い病気があるんじゃ無いかとか。
ドラゴンやエルフやユニコーンって使って良いの?とか…。
最終的には、自分はなぜ使い古された中世風ファンタジーを書きたいのかな?という気分になりました。

もう…その世界には神様や精霊が本当にいて、全てを謎のエネルギーや魔法や謎の科学で説明を付ける、などと言う事にして、まとめないと、お話が進まない!
それか、神様はいなくても、たまたま、地球とてもよく似た環境の星があって、地球人っぽい生き物、地球っぽい文明が生まれた世界なのか。

作中のキャラがその世界をどう認識しているかという大問題もあります。(たぶん住んでる人はそんなに意識せず、普通に暮らしてるんだろうけど…)
作者さんの、盤上世界のくだりは、ああ確かにそれもアリだった…忘れてた…。と懐かしくなりました。でも実際にその設定を使うのは難しそうですね…。
盤上世界、世界が盤上だと思ってる世界(時代)に住んだこと無いから…。想像するしかない。
それなら読者さんも、地球になるべく環境が近い方が…続きを読む

★★★ Excellent!!!

 作者の異世界への本気度がうかがえる考察的小説。
 え? これって、本気で考えてるんですよね? という疑問すら浮かんでくるほどに、作者はひたすら真面目に異世界について考察していきます。しかも、かなりコアな部分の考察です。こんな小説は見たことがありませんでした。これが感想でいいのか分かりませんが、とても面白かったです。

★★★ Excellent!!!

ファンタジーは何を書いてもいいので、テンプレ作品ではなくオリジナルな設定のものが欲しい……という声を聞くことがあります。
ですが、徹底的にオリジナリティにこだわり、世界を細部まで作り込もうとすると、このように書き進めることができなくなってしまうのもありがちなことです。
もし本当にオリジナルな、細部まで整合性を保つ世界を作ることができたなら、それはファンタジーよりもSFに近いものになるのかもしれません。
結局、人間の想像力には限界があるので、ファンタジーの世界がある程度現実と近いものになるのはやむを得ないことなのでしょう。
「世界を創る」ということについて色々と考えさせられる作品です。

★★★ Excellent!!!

「よくぞここまで考えたものだ」――
どれほど練度の高い創作者でも、このエッセイを読めばその一言が思わず口をついて出るだろう。
ここに書かれている考察は、「誰でも頭の中でやっていることだ」と言い切るには、あまりにレベルが高すぎるからだ。

「この作品の舞台は一体どんな世界なのか」。
現実と異なる世界を描こうとする創作者が真っ先に取り組まなければならない考察課題を、本エッセイの筆者は知的かつ読みやすい筆致でシミュレーションする。
ここでは異世界ファンタジーが例に挙げられているが、現代ファンタジーであれ近未来SFであれ架空歴史物であれ、「今、ここ」以外の世界を描写しようとする者は、筆を執る前に、必ずその世界の成り立ちと有り様について自分の中に確固たるイメージを作っておかなければならない。
「この世界の○○はどうなっているのか?」「その世界に生きる人々にとって××はどんな意味を持つのか?」
そんな、読者の頭に浮かびかねないあらゆる素朴な疑問に対し、創作者はその矜持にかけて、事前に万全な答えを用意しておかねばならない。

この世界に1時間(hour)という単位はあるのか。12進数は一般的なのか。だとすればヒロインの指は何本なのか。
一つ疑問を掘り下げるたび、また別の疑問が浮かび上がる、果ての見えない設定考察の旅を本エッセイの筆者は辿っていく。
その着眼点の幅広さ、掘り下げの深さは、米国ファンタジー小説界の大家、パトリシア・リード女史の手による「Fantasy Worldbuilding Questions」(ファンタジー世界構築のための質問集)を思わせる。

そしてまた、ある類の創作者であれば、このエッセイを読んで頭に浮かぶ一つの感想がある――そう、「楽しい」と。
異世界ファンタジーが跳梁跋扈するWEB小説の界隈において、実際問題、ここまでのレベルで設定を掘り下げている創作者は1割…続きを読む

★★★ Excellent!!!

異世界の「時間」の概念について、大真面目に考えた作品。
中学生レベルの学力があればいいので、すらすらと読むことができました。
いつまでも領主さまの館に辿り着けないマリーは可哀相ですが、なんとなく執筆をはじめる前に、こういうことを考えすぎるのも悪くないと思いました。

★★ Very Good!!

さらに‪ https://kakuyomu.jp/users/plummet_846/news/1177354054882663383‬
ここで議論されているような問題が兼ね合うとよりこの地獄は深まります。例えば指が6本あることが作中のある種のギミックとして機能するならば、それを登場人物が自覚していないことは作品上意味のあることですが、別に指の数が問題がないときに、自分が創作した世界の中で、マリーの指は六本ある、とか登場人物は絶対思わないので(我々が登場人物の描写をする際に、彼女には二つの瞳があって、顔の中心には鼻があった、とかわざわざ言わないように)(工夫の仕方はありますよね。マリーは孫指を折って、とか独自の指の呼称を設定することで、この世界では指の数が違うんだなと悟らせるみたいな。でもそれ、絶対伏線だと思われるよね)、それを記述することすらできなくなる。じゃあ三人称で書くか? というとこんだぁ俺らは設定資料集でも読まされてんのかとなるわけですよ。話が進まねーよって言われる。

このように読者の立場からすると「知るか」って話なんですよね。いや中にはファンタジー警察みたいな人もいると聞きますけど、多くの人はそこまで考えてなくて、まあドラクエ的世界であれば問題ないわけですよ。俺は少なくともそうで、あとは話が面白ければぜんぜんそれでいい。とどっかで分かりながらどーーしても気になる。理屈では分かるが感情が邪魔をするんですね。そしてその感情というのは理屈が通らないぞ! という感情なので、なんかすごい迂回路を通ってる気がする。つまりそういう病です。治療法はない。少なくともアマチュアの我々にはないでしょうね。プロフェッショナルで、それで糊口を凌ぐとなったら話が変わってくるかもしんないけど、だってそこでこだわんないで我々は他にどこで何をこだわりゃあいいんですか?

という話なので同病の…続きを読む

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーを書こうとした作者は、ふと考えた。

この異世界に「時間」という概念はあるのだろうか、と。

そこから、作者の理詰めの世界構築が始まる――が、それは正しい答えなど無い問いである。

書き手として、設定に悩む人は、ちょっとのぞいてほしいエッセイ。考え過ぎると、何も書けなくなっちゃうから。