概要
呪いと祈りと、音楽術師。神々の因果と運命に仕組まれた戯曲が始まる。
刺青に蝕まれた少年・へゼルは、自らにかけられた呪いを解くために『音楽術師』の住む村を訪れる。しかし訪れた村もまた、人が次々と氷像と化していくという呪いに侵されていた。
呪いを解くため、ヘゼルは音楽術師のナシカたちと共に旅に出る。
カラスの不吉な鳴き声を序曲に、知れず運命に仕組まれた物語は始まった。
北欧神話の息づく世界を舞台にした、呪いと祈りの異世界ファンタジー。
呪いを解くため、ヘゼルは音楽術師のナシカたちと共に旅に出る。
カラスの不吉な鳴き声を序曲に、知れず運命に仕組まれた物語は始まった。
北欧神話の息づく世界を舞台にした、呪いと祈りの異世界ファンタジー。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!繰り返されるのは『平穏な毎日』だけで良かったのに
物語の舞台は一度滅んだ世界。神々の黄昏の後、再生された世界。
今一度、滅びの淵にある世界。
『オワリ、ハジマリ』と鴉が歌う、不穏な世界……
…って、そんな小難しいことはいいんですよ。
ここには、私の厨二が詰まっている。
黒づくめの衣装の少年(大剣付)。
横笛を奏でる美少女(天然な性格だけど、美少女です)。
ちょっと捻くれた物言いの、根は優しい友人たち。
大樹に抱かれ眠る、呪われた村。
笑い声と絶叫とハプニングの絶えない旅。
抗いようのない運命――
少しノスタルジックでセンチメンタルなあれこれで、繊細な世界が作り上げられているのだ。
というわけで、そういうものが好きな人は間違いな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神話に通じた識者だからこそ書ける濃厚なハイファンタジー
まず、美文に目を見張りました。
語彙が豊富なのは言うに及ばず、試しに音読してみたら響きが何と壮麗なこと!
情景描写、叙情的な文節からも、人物の心情をたやすく読み取れます。街の風景1つ取っても、見る人の気持ち次第でモノクロに見えたり、総天然色にも映るもの。
風景描写とは、実は心象風景でもあるのです。
昨今のライトファンタジーでは味わえない、高尚で静謐な空気を、リアルに感じました。
物語も実に重厚。
音楽で魔術をかける、という職業はよくありますが、楽器の名称や演奏に作者様の並々ならぬこだわりが見え隠れします。
そんな彼らが、森へ入れば盗賊に、港に着けば海賊に襲われ、すったもんだの大立ち回り…続きを読む