正反対の予言を背負った娘が、呪いを暴く。

誕生の際の占いの結果が重んじられる国。
その中で、『この娘は、やがて王を害するだろう。しかし、必要でもある』という不思議な託宣が下された宗銀珠。
その予言の後段を信じた時の王により、彼女は「鈴雪」と名を改め、後宮に迎えられます――

というところから始まるすったもんだ。
国王は本当に「害され」たようで、その後宮は、生まれた子供が次々に死んでいっていました。
その後宮の主として、事件の解決を目指す鈴雪の活躍が今作のメインストーリー。

どいつが犯人だとヤキモキさせられる前半から、怒涛の解決を見る後半まで。目を放せません。
呪いの正体には、唖然となると思います。それだけでも知っていただきたい。

そして。
どこか冷めた視線を持つ鈴雪が、国王や他の側室たちと親しくなり、共に生きていった姿が最後に語られます。
寂しくもあり、嬉しくもある予言の顛末です。
是非そこまでお読みくださいませ。

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