BARの扉を開けると、そこは美人マスターによる怪談の世界

物語に惹き込む力が物凄いです。読み始めてすぐ、重厚な世界観に酔いしれてしまいました。

BAR「夜行」を舞台に繰り広げられる、怪談を論理的に紐解こうとする試み。斬新で大変興味をそそり、作者様の個性が光ります。

特筆すべきは、BARの美人マスター・城ケ崎詩織の魅力です。理知的でちょっと現実離れした美しさをもつ女性であるにも関わらず、無類の怪談好きで、怪談の話になると目の色を変えます。怪談の謎を解くため、彼女はBARを飛び出し勇敢に活躍します。彼女の魅力は、同性からしてもドキッとするほどです。

第一部を読了したところでこのレビューを書いていますが、それぞれの短編たちがすべて繋がってくる展開に、ワクワクが止まりませんでした。意表を突いてくるラストにもうならされました。ホラー作品でありながら、ミステリーとしても完成度が高いです。

大変読み応えのある小説です。ありそうで無かった設定も非常に面白く、読み始めた途端に虜になることでしょう。

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