謎と恐怖が交錯するサスペンスホラーの決定版

第一部が完結したのでネタバレしない程度にレビューを。

本作は怪談蒐集家の美人マスター城ヶ崎詩織の営むBARに、一人の男性客がふらりと立ち寄るところから始まります。
私はこの導入部で既にやられました。
『これは何か起こる』と期待しつつも、『何も起こらないでくれ』という相反する感情に板挟みにされたまま、読み手は結末を欲して先を読み進めることになります。

一見すると物語は章ごとに完結していく形式を取ってはいますが、『ひょっとするとこの物語とあの事柄は繋がっているんじゃないか?』と想起させられる展開には感心せずにいられないのではないでしょうか。

第一章を読み終えた時、あなたは知らず作者の術中に嵌まっていることでしょう。
夜一人で読んで欲しい作品です。

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