いつの間にか、自分のスマホに「呪いのアプリ」がインストールされている。
呪った相手を当てない限り、呪われた人間は確実に死に至るという……。
誰もがスマホを扱うこの時代ならではの、恐怖のツールが登場!
アプリについて捜査する刑事・カルトは、確実に死に至る呪いから婚約者を救うことができるのか…?
強烈な存在感を放つ「呪いのアプリ」はどのように生み出され、どのように呪いを発動するのか。
呪う側と呪われる側の人間ドラマ。
呪いを回避する方法とは。
などなど、見どころが数多く用意され、まるで映画のようにドラマチックなホラー作品に仕上がっています。
アプリに追い立てられる恐怖。
ぜひ、その身で体感してみてください。
昔・人を呪うといえば、藁人形。そう、丑の刻参りに、木に呪う相手の藁人形に釘を打ち付ける呪術。しかし、現代では人を呪うのは、スマホ内に潜むアプリ。呪いのアプリに進化していた。
知らないうちに、自分のスマホにインストールされて、しかも14日後に死ぬなんて……誰が?一体何の目的をもって、このような事をするのか?そして、呪いのアプリの中から生まれて来る、呪いの子供の示唆する内容とは?……
やがて、創造主である謎の人物・幻人が浮かび上がる。幻人の正体とは一体誰なのか?心に闇を抱え込む人達の、恨み、悲しみ、嘆きが読者に伝わってくる。
呪いに掛かった者達の人間関係が複雑で、裏切りによって混乱に拍車が掛かる。人間不信が交錯されていく。
次第に追い詰められていく人達の運命は……
読後、自分のスマホに呪いのアプリがインストールされていないか、確認した方がいいでしょう。
人が怖いと感じる事柄は生きる時代や環境によって刻々と変化していきます。
鬼や妖怪を恐れていた時代もあれば、口裂け女や人面犬を恐れていた時代もあります。
今の時代であれば、それらはある種滑稽なものとして捉えてしまうものなのかも知れませんが、それらが恐れられていたのはその時代に即していたからなのではないでしょうか。
こちらの作品は正に今の時代に即したホラー作品だと言えます。
不穏なタイトルからも分かる通り、人が死ぬ呪いのアプリを主軸に物語は進行していきます。
製作者や制作された意図は分からず、自身のスマホに突然インストールされた呪いのアプリに怯えながらただただ不条理に人が死んでいく。
それだけではなく、登場人物同士の思惑が交錯し合う騙し合いのような展開は読む者の精神を非常に不安定にさせます。
また、エンターテイメント性にも非常に優れている作品です。
映像化してみないことには分かりませんが、個人的には非常に『映える作品』だと思いました。
ホラー作品は数あれど、その題材は、時代と共に少しずつ変化していくもの。そんな中、呪いのアプリというものをメインに扱った本作は、まさに今の時代だからこそ誕生したホラーと言えるかもしれません。
インストールされると、持ち主は14日後に死ぬという呪いのアプリ。一応、それから逃れる方法はあるのだけれど、それを実行できたとしても、変わりに誰かが命を落とす。
そんなアプリ自体も恐ろしいですが、それは作品全体の恐怖の一端にすぎないかもしれません。
アプリを使って憎い相手を殺そうとする者。楽に死ぬことができることから、自らに呪いをかけたがる自殺志願者。そして、こんなアプリを作った想像主。
様々な人間が心に闇を抱えながら、アプリを利用していく。そもそも呪いなんてものは、それを使う人間がいるからこそ起こるもの。
そう考えると、真に恐ろしいのはアプリ以上に人間なのかもしれません。
『14日後に死ぬ呪いのアプリ』。このタイトル通り、話の主軸になるのは人を呪い殺す事ができる呪いのアプリ。
そのアプリは知らぬ間にスマホにインストールされていて、スマホの所有者の命を奪う、恐ろしい代物です。
いったい誰が何の目的で、こんなアプリを作ったのか。
呪いに掛かった者やその関係者達はそれぞれ調査を始めますが、その中で描かれる人間関係がとても複雑で、尚且つ恐ろしい。
恨み、裏切り、悲しみや絶望がよく描かれていて、死を招くアプリも怖いですけど、アプリに関わった人間達にもハラハラさせられました。
文明の利器を扱ったホラー。アプリに呪われた人達は、はたして死を回避できるのか。そしてもし回避できたとしても、幸せになれるのか?
アプリも怖いですけど、人間も恐ろしい。
14日後に死ぬ呪いのアプリ――
スマホが普及し、当たり前に使われている今、アプリは身近な存在であり、無数のアプリが存在します。
本作は緻密に構成され、いくつもの伏線が張り巡らされたジャパニーズホラー作品です。
警察官であり主人公のカルト。カルトの身近な人たちにアプリがインストールされることで物語が動きます。アプリの謎を解くため、生き残るため、アプリを利用するため……それぞれの思惑が絡み合いながら物語が展開されます。
物語は一話目から惹き込まれページが終わってしまうと続きがどうなるんだろう……と更新を心待ちにしている自分がいます。
ぜひご一読ください。